京福電鉄越前線の廃止問題
福井新聞の京福問題の主な記事 2002年1月から8月9日
●新鉄道会社 県に続き設立推進協も 勝山市長に「社長」要請」 福井新聞2002年8月9日
京福越前線を引き継ぐ第三セクター新会社の社長人事をめぐり、沿線九市町村でつくる新鉄道会社設立推進協議会(会長・酒井哲夫福井市長)は八日、福井市の繊協ビルで会合を開き、協議会として山岸正裕勝山市長に社長就任を要請した。
協議会は非公開で進められた。終了後の出席者の話を総合すると、会合では県から第三セクター新会社の定款や商号、本社所在地などの案が示された後、協議会として山岸市長に社長就任を要請した。
山岸市長は▽就任するとしても非常勤で、長くて来年六月までの暫定▽代表取締役専務や鉄道専門家による幹部らの人選が先決▽資産譲渡交渉に直接かかわらない―などを検討条件に挙げた。会合後、同市長は「今の時点では難しい。市会の理解も必要だ」としながらも「(社長が決まらないと新会社設立が遅れ)運行再開に影響が出ないか気に掛かっている」と話した。
社長人事について県や協議会は、民間からの起用という当初の方針を行政にも拡大。県も先ごろ山岸市長に対して社長就任を要請している。
京福越前線は十月二十一日の廃線が決まっており、県などは今月中にも新会社を設立したい考え。その後、運行再開までに京福側との資産譲渡交渉や運転士確保、鉄道事業認可申請手続きなどの業務を控えている。
3セク負担割合に合意 知事、京福沿線首長 再開後見直しも 7月に新会社 1月運転へ前進) 福井新聞2002年5月23日
京福越前線の存続問題を論議する知事と沿線市町村長の会議が22日、県庁で開かれた。焦点となっていた新会社の赤字補てんに対する市町村間の負担割合について県が新たな調整案を示し、福井市と勝山市、三国町が増加、永平寺町、上志比村が減少する算定内容で最終合意に達した。ただ、一部自治体の要望で運転再開後に必要なら割合の見直しを行うことも付け加えた。これで県と沿線市町村間の課題はすべてクリアし、七月の新会社設立、来年1月の運転再開に向けて京福電鉄や国との交渉に入っていく。
栗田知事と沿線市町村の9首長全員が出席、非公開で行われた。県は負担割合を決めるにあたって、これまで越前本線、三国芦原線のそれぞれを田原町駅を起点に計算していたが、福井駅乗り入れの要望が強いことから福井駅を起点に変更し算定。路線距離が変わったことで負担額が変更された。また、福井市を除く越前本線沿線の4市町村で独自に協議した結果、勝山市が上志比村と永平寺町の負担を一部受け持ったという。
基本合意した割合は、福井市23%、勝山市24%、三国町15%と、それぞれ1ポイントずつ上がった半面、上志比村が2ポイント減の6%、永平寺町が1ポイント減の6%。芦原町10%、春江町6%、坂井町4%、松岡町6%は変わらなかった。金額は赤字額によって変わるため示さなかった。
栗田知事は会議後の記者会見で「若干遅れたが負担割合で合意に達したので7月中には新会社を立ち上げたい。今後は課題や手続きに、精力的に取り組んでいく」と話した・BR>B
首長会議に続いて、9市町村長で構成する「新鉄道会社設立推進協議会」を設立。会長に酒井哲夫福井市長、副会長には山岸正裕勝山市長と坂本憲男三国町長を選出した。新会社の円滑な設立や開業に向けた準備を行っていくという。
新会社の概要も示され、代表取締役会長と同副会長に市町村長から一人ずつ選び、常勤の代表取締役社長に鉄道経営専門家、同専務に鉄道技術専門家を起用するとしている。社員数は約80人とし、市町村から七人程度が派遣される。
今後は京福電鉄との資産譲渡交渉、新会社の役員選定、民間への出資要請、運転士や要員の確保などに努め、10月21日までに鉄道事業の譲渡認可申請を行い、来年1月の運転再開を目指す。また京福電鉄と交渉し、運転再開に必要な工事に近く取りかかりたいとしている。
4月に設立を目指していた沿線市町村の担当者でつくる「新鉄道会社準備室」もこの日、正式に発足した。
存続運動
●郡民みんなが会員 600万目標に出資金募集 (福井新聞(02/7/28掲載) |
![]() 三町村の議会や区長会、商工会、PTAなど各種団体から百三十人が出席。発起人代表の和田高枝県議が「子どもやお年寄りの足を確保し、電車を生かした古里発展を考えよう」とあいさつ。来賓の西川一誠副知事は住民支援団体の設立を歓迎する一方、新会社経営陣の早期選任に全力を挙げる決意を示した。 議事では会長に和田県議を選任。乗る運動などを考える「企画」、出資金を集める「募集」、駅舎づくりやリニューアル電車などを企画する「電車とまちづくり」の三部会設置を決めた。会の名称は、新会社名が決まった後に変更するとした。 この後、住民代表の和田美智子さん(50)=松岡町レディースクラブ代表、学生代表の小出由香さん(14)=松岡中三年、高齢者代表の渡辺綱右エ門さん(73)=永平寺町老人ク連合会長=がそれぞれ決意を述べた。小出さんは「さび付いたレールや、だれもいない駅を見ると寂しい。思い出いっぱいの電車を一日でも早く走らせてください」と訴えた。 沿線市町村の支援団体としては、二十六日に発足した福井市新鉄道利用促進協議会(仮称)に次ぎ二番目。 新鉄道支援「吉田郡サポート会」発足 |
●京福再開向け ”市民応援団” 利用促進協が発足 (福井新聞02/7/28掲載) |
京福越前線運行再開に向けた福井市民の支援団体「福井市新鉄道利用促進協議会(仮称)」が発足、二十六日県民会館で初会合が開かれた。沿線住民や高校、駅前商店街などの二十人が発起人となり、乗る運動の推進、駅舎の美化運動など具体的な支援活動を検討する。 同協議会は、京福線新会社設立に向け準備が進んでいる中、存続を望んだ市民自らが何か行動を起こそうと、沿線の自治会が地元商工会、駅前商店街、電車通学する生徒の多い高校などに呼び掛けた。 初会合では会長に土田重徳・明新地区連合会長を選任。今後の活動方針として、乗る運動の推進や駅舎の花壇整備など美化運動の実施、さらに新鉄道会社に対する出資、寄付なども含めた支援方法を協議することを確認した。 協議会の在り方について、単なる支援団体ではなく、新会社に利用促進について要望していくことなどを申し合わせた。 土田会長は「われわれの努力が将来実を結ぶよう、いろんな角度から利用促進に力を尽くしたい」と話していた。 同協議会では自治会を通してチラシを配布、年会費千円の個人会員、同五千円の法人会員を募集する予定。会費は活動費として利用する。 |
●再開へ機運盛り上げを 沿線住民ら180人フォーラム 官民の協力も訴え 福井 (福井新聞02/6/24掲載) |
![]() 酒井会長と三国町電車存続促進会議の井黒虎子男会長が「運行再開は決まったが、新会社設立や再開後の利用促進には住民の協力が不可欠。地域に根差した公共交通機関となるようさまざまな活動に参加し、機運を盛り上げていこう」とあいさつした。 新鉄道会社設立準備室の荒井彦一室長が新会社の概要や運行再開へのスケジュール、新会社の経営方針案を説明。この中で荒井室長は「全車両に列車自動停止装置(ATS)設置が義務付けられ、当初目標にしていた来年一月中の運転再開が遅れる見通しになった」と話し、運転士など八十人の社員確保や民間出資が厳しい状況であることも示した。 四億九千九百万円の出資金に関しては、民間から募る一億二千四百万円が集まらなかった場合でも、七月中に新会社を設立し、その後に「個人株主」も含めた増資を行っていくとした。 参加者の一人は、廃線予定日の十月二十一日がきて現在京福が運行している代行バスが期限切れになった以降の対策を質問。同準備室は「京福、新会社、自治体のいずれかがバスを運行する方法がある。住民の利便性やコストを考え、最善の策を取りたい」と答えた。 この後、私鉄から第三セクターに移行した富山県の万葉線で再生計画づくりに携わった高岡短大の武山良三・助教授が講演。今年四月に運行を始めるまでの経緯を「路面電車とともに街を盛り上げていこうと、存続へ市民が一体となって活動した」と説明。「行政、三セク会社頼りでは存続してもうまくいかない。車依存社会からの脱却が迫られる時代。公共交通機関の衰退は、街をも衰退させる」と指摘した。 (写真説明=)電車存続と新会社設立に向け住民の機運を高めたフォーラム=23日、福井市文化会館 |
秋に地方鉄道サミット 公共交通守る会 全国に呼び掛け
京福機に意義再考 (福井新聞6/1掲載) |
京福越前本線沿線市町村などによる公共交通機関を守る会(会長、山岸正裕勝山市長)の本年度総会は31日、同市役所で開かれた。京福線存廃問題を契機に地方鉄道の意義について全国的な関心を呼び起こそうと今秋、本県で「全国地方鉄道サミット」を開催することを決めた。 山岸市長、福井市の稲津健一都市交通対策室長ら沿線5市町村代表に県バス協会、京福電鉄などの代表を加えた11人が出席した・BR>B 事業計画では本年度を「新鉄道会社設立と運行再開に向けて英知を結集する重要な年」と位置付け。県の新会社設立準備室とタイアップした各種事業を展開していくことを決議した。 サミットは、全国の中小民間鉄道68社と第三セクター鉄道会社38社、関係自治体の代表に参加を呼び掛け、鉄道事業の方向性や支援の在り方を議論する。 会合で山岸市長は「本県では全国で初めての会社形態で電車が走り始めようとしている。この意義を全国に知らせ、同様に悩んでいる自治体が協力し合う第一歩としていきたい」と開催への意気込みを話した。今後、開催場所や参加団体などを具体化していく。 |
関連HP 京福存続問題 : 新聞記事などをもとに京福線の存続問題を特集している
電車に乗って地球を守ろう: 京福電車と地球を愛する会のサイト。福井県の住民の組織。
福井の公共交通: 全国の鉄道・バスの利用促進の取り組みを最新情報で紹介している
福井県勝山市のホームページ: 京福電車存続に向けた勝山市の取り組みを紹介している