日立電鉄線存続問題 2019年2月21日現在
茨城県の日立市と常陸太田市を結ぶ日立電鉄線を2005年3月末で廃線することを会社が検討していることが、2003年10月23日に報道されました。茨城県内では、存続問題が公式に持ち上がったのは鹿島鉄道に続いて2番目ですが、茨城交通湊線も存続を求める地元の協議会が2001年から活動するなど、地方鉄道の存続問題が浮上しています。
存続を求める声が大きな運動となったにもかかわらず、2005年3月31日に、日立電鉄線は廃止されてしまいました。公的支援による存続を常陸太田市が主張したにもかかわらず、日立電鉄株式会社(日立製作所の子会社)がかたくなに廃線を主張し、日立市が支援を拒否したために、廃線となってしまいました。今後は、茨城県、さらには国全体での「地方鉄道」の存続と活性化対策が必要になっています。
このページでは、日立電鉄線の存続と廃線と復活問題を取り上げるともに、鹿島鉄道、茨城交通湊線、鹿島臨海鉄道道、真岡鉄道、関東鉄道常総線・竜ヶ崎線など茨城県の地方鉄道の存続と活性化を考えるためのページとしていきたいと思います。
全国の鉄道存続運動のページがあります。
日立電鉄の探訪記(2003年4月)のページがあります。
茨城県立佐竹高等学校
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第1回高校生 水郡線サミットを開催 10月15日(土) 10時〜 茨城県立那珂高校 詳しくは佐竹高校のHPをご覧下さい。 |
連絡会は、「日立電鉄線の維持存続をもとめる高校生徒会連絡会」を名称変更し、存続運動から鉄道復活活動にシフトしたもの。鉄道事業者に限らず応募者があれば、県、日立、常陸太田市に紹介し、行政に協力を要請する方針だ。 高校生たちを力づけているのが、今秋廃線予定の和歌山県の南海電鉄貴志川線の地元自治体(和歌山県、和歌山市、貴志川町)の後継事業者公募作戦。今年2月の公募に、鉄道事業者だけでなく、鉄道マニアの旅行業者など9社(者)が応募し、日立電鉄の後継事業者にも名乗りをあげていた路面電車運行の岡山電気軌道(岡山市)が、引き継ぐことになった。 |
廃止された日立電鉄線に代わる鉄道を復活させようと、沿線高校三校が二十八日、「日立市〜常陸太田市間の鉄道の復活をもとめる高校生徒会連絡会」の結成総会を常陸太田市の佐竹高で開いた。連絡会では週明けにも日立、常陸太田両市長に復活を求める要請書を提出。鉄道事業者の募集や「水郡線サミット」を開き、公共交通のあり方や通学の足の確保を行政などに働き掛ける。 結成総会には日立電鉄線の存続運動を続けてきた佐竹、太田二、日立工の三校の生徒会役員十五人が出席。会長に小室早紀子さん(佐竹高)を選出した。連絡会発足に伴い、従来の「電鉄線の維持存続をもとめる高校生徒会連絡会」は「復活をもとめる高校生徒会連絡会」に名称変更された。 活動計画によると、鉄道復活を支援する応援団(運行事業者)を三校のホームページで募集、新しい鉄道名称も募る。応援団公募は和歌山県の南海貴志川線の成功例を参考にした試みで、企業・個人を問わない。 電鉄線廃止に伴い太田二では日立方面からの通学者が減少。通学に片道二時間かかる生徒も出ている。日立工でも常陸太田方面からの受験者が減ったとの報告があった。沿線十校を対象に行ったアンケート調査では「代替バスの定時運行ができていない」「料金が高くなった」などの回答が目立った。このため連絡会では三十日、大久保太一常陸太田市長に鉄道復活の再検討や廃線に伴う実態調査などを求める要請書を提出。樫村千秋日立市長へも提出する。 水郡線サミットは十月十五日、沿線の高校で開かれる。同線は過去に赤字ローカル線問題で廃止候補に上った経緯もあり、連絡会では「JR常陸太田駅の利用者数は四十六万二千八百三十三人(二〇〇三年度)。太田線が廃止になれば通学への影響は大きい。県北の公共交通に関心を持ってほしい」と話している。 |
通勤定期は1割に激減 車に乗り換え 日立電鉄線の廃止に伴う代替バスは、定期券利用者が鉄道に比べ約三割となり、大きく減少しているのが二十七日、分かった。特に通勤定期は約一割と激減、マイカーに乗り換えたとみられる。利用状況は一便当たり約二十人と、既存路線バスに比べ順調だが、雨天に到着時刻の遅れなどがあり、夏のJRダイヤ改正に合わせ、バスダイヤを見直す計画。 雨天時、遅れも 日立電鉄バスが公表した四月の代替バス利用状況によると、太田駅−大甕おおみか駅、久慈コミセン−日立駅の定期券利用者は、通学二百八十六人、通勤七十人の計三百五十六人だった。昨年四月の電鉄線定期利用者は通学五百三十二人、通勤七百人の計千二百三十二人で、通勤定期の激減ぶりが分かる。 平日の一日当たり利用者は千二百七十七人で、電鉄線の約四千人に比べ約三割となり、定期券利用者の減少がそのまま反映されている。太田駅−大甕駅が、往復五十二便で千五十九人で、一便当たり二〇・四人。朝と夕方の六便運行する久慈コミセンから日立駅は、百二十二人と一便当たり二〇・三人で、仲野徳寿業務部長は「一便平均二十人ならば、ほかの路線バスと比較しても悪くはない」と話す。 だが、日立駅から久慈コミセンは八便で五十七人。久慈コミセンから大甕駅の巡回は六便で三十九人と苦戦している。 マイカー乗り換えによる交通渋滞は、通常はダイヤ通りにほぼ運行しているが、雨天には到着時間が遅れ気味。利用者はJR常磐線に乗り遅れることもあり、同社は七月九日のJRダイヤ改正に合わせ、到着時間に余裕あるダイヤ改正する計画で、「バス利用者の利便性を高めたい」と話している。 |
車両部品や鉄道用品などの販売が30日、旧久慈浜駅構内であり、朝早くから鉄道ファンが押し寄せ、貴重な物品を買い求めた。 |
存続運動を進めてきた佐竹高校生徒会は27日、日立電鉄に対して抗議文を送付した。 抗議文は同電鉄が30日から旧久慈浜駅構内で車両部品、鉄道用品などの物品販売を開始するのに対し、「廃線から鉄道施設売却まで1ヶ月というのはどういうことか。経営方針に怒りがわいてくkる」と批判。 橋本昌知事にもレールなどの施設の売却の再検討を指導するよう求めた「お願い」を文書で送付。 同生徒会では「日立電鉄線の維持存続をもとめる高校生徒会連絡会」を「同線の復活をもとめる高校生徒会連絡会」に名称変更。5月28日に結成総会を開く予定。 |
「日立電鉄線を存続させる会」は24日、日立市内で同線復活に向け「知恵を出し合うつどい」を開き、同線沿線住民やこれまで利用していた人たち60人余が参加した。 環境自治体会議の上岡直見氏が「廃線の影響とこれからの街づくりの課題」の講演を行った。 県と日立市、常陸太田市に@代替バスや交通渋滞、中高生への影響などの実態を調査し、対策を講じるA鉄道敷きや駅舎などの施設を残すB住民と共に鉄道再生プランをつくり、復活に向けた取り組みを進める−を申し入れることを確認した。 *鹿島鉄道の存続運動の現状を「鹿島鉄道を守る会」から報告しました。 |
「本日をもって、運行を終了させていただきます。七十七年間、ご利用いただき、ありがとうございました」。電車が到着するたび、乗降客で混雑する日立電鉄線・大甕おおみか駅で三十一日、構内放送が流れた。発着駅の常北太田駅や鮎川駅では、記念撮影や記念グッズを買う客であふれた。日立市と常陸太田市を結び、通勤や通学、行楽の足として市民を支えてきた県北地域の鉄道は、その役目を終えた。 電鉄線運行の最終日は、各駅で名残を惜しむ思い出づくりの乗客らでごった返した。鮎川駅は早くから乗客が押し寄せ、乗車以外に記念として切符を買う鉄道ファンもおり、発車時刻が近づくと大混雑。自動券売機だけでは間に合わず、窓口で切符を売っていた駅員の星野良孝さん(59)は「本当になくなるのか不思議な気がする」と話した。 常北太田駅でも駅舎や電車をバックに記念撮影する乗客が目立った。混雑するホームを見ながら、鉄道関係者は「最終電車まで、安全運行に努めるだけ」と気を引き締めた。 乗客の思いはさまざま。千葉県市川市の中川ゆかりさん(55)は「中学から短大まで八年間、太田から大甕まで通学。三十五年ぶりに乗った」、母親の常陸太田市西町の白土弘子さん(80)は「久慈浜までの海水浴が思い出」と懐かしそう。この五日間、ほぼ毎日乗車している日立市西成沢町の本田みよさん(65)は「久慈浜の実家の庭から電車が見えた。最後なのでずっと乗っていたい」と話す。 一方、同市大沼町の柳原廣和さん(68)は「電鉄線通勤なので明日から困った。運行存続を願っている」と廃線を残念がり、里川鉄橋近くで電車撮影していた東京・葛飾区の鉄道ファンは「地方の時代と叫ばれているのに、地方鉄道が消えるのは惜しい」と語った。 長い歴史に幕を閉じた日立電鉄の松場卓爾社長は「感慨を抱く。七十七年間、支えてきた多くの人たちに感謝している」と述べ、同社一筋の小野勝久常務は「利用者には申し訳ない気持ち」と語った。 同電鉄線はマイカーなどの普及で、一九六一年の七百十七万人をピークに利用者は激減。県内の廃線は一九八七年の筑波鉄道(土浦−岩瀬)以来となる。 |
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ありがとうちん電 市民300人が別れ 常陸太田でイベント 残念、悔しい、寂しい 2005年3月28日 茨城新聞 今月末で廃止となる日立電鉄線(鮎川−常北太田駅間十八・一`)のさよならイベント「ありがとう ちん電」(主催・同線を存続させる市民フォーラム、同線の維持存続をもとめる高校生徒会連絡会)が二十七日、常北太田駅前広場で開かれ、高校生や市民、鉄道ファン約三百人が七十六年余り地域住民の足として走り続けた鉄道に別れを惜しんだ。 きのうの電鉄線は、乗り納めの鉄道ファンで終日混雑。同電鉄鉄道部によると、大みか駅発の各電車(二両編成)が午前十時ごろから軒並み満員状態となった。 常北太田駅前広場では午前十時から高校生、地元商店会などが模擬店をオープン。さよならイベントが始まる午後一時ごろには、高校生手づくりの携帯ストラップ、ちん電守ろう会記録集などが完売状態。 イベントは、佐竹高ブラスバンド部の演奏に続き、高校生と沿線住民代表がメッセージを披露。太田二高生徒会の中橋美央さんは「廃止決定は残念、悔しい、寂しい。でも私たちの運動は無駄でなかった」と、実らなかった存続運動に無念さと充実感をにじませた。 佐竹高生徒会長の小室早紀子さんは「乗客でいっぱいの今日のちん電こそ、私たちが見たかった姿。今後も復活する会として運動を続ける。ありがとう、ちん電」と手を振り、通学の足としての電鉄線に感謝した。 また、同市民フォーラムの中井保行さん(60)、常陸太田市の市民団体・まいづる塾の相原正夫代表らは「公共交通やまちづくりのあり方を考えたい」と述べた。地元の男性も「町のシンボルが消えるのは寂しい」と語り、鉄道廃止がもたらす影響に複雑な表情を見せていた。 |
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廃線を今月末に控えた日立電鉄線に別れを告げようと、大勢の鉄道ファンが詰めかけている。三連休初日となった十九日からは、各列車が「ファイナルラン、七十七年間ありがとう」のヘッドマークを取り付け運行を開始。主要駅は名残を惜しむ家族連れや、勇姿をカメラに納めるアマチュア写真家らで混雑した。 日立電鉄では、同日から常北太田、鮎川の両駅構内に記念グッズと弁当を販売する売店を特設。列車が到着する度、携帯ストラップや電車模型など記念品を買い求める乗客でにぎわった。常北太田駅では、午後二時すぎ発の鮎川行き電車(二両編成)がほぼ満席。電車をバックに記念撮影する乗客の姿も目立った。 一方、日立市大和田町の大橋高架橋付近など沿線の撮影ポイントでは、県内外から訪れた鉄道ファンがカメラを構え、電車の通過を待ち構えた。仙台市の公務員、加藤秀行さん(48)は「廃止をニュースで知り、先週に続き今朝の始発電車で来た。鉄道に乗り、撮影しておけば悔いが残らない。鉄道は律義な定時性が魅力。乗ること自体が楽しい」と話していた。 日立電鉄鉄道部によると、一日の乗降客数は通常約四千五百人だが、廃線に伴う鉄道ファンの増加で休日は約五千〜六千人に。混雑は月末まで続くとみて早めの乗車を勧めている。 同部では警備員を車内や主要駅に配置。安全確保に努めているが、鉄道ファンが軌道に接近したり、夜間にフラッシュをたくマナー違反が発生。この日も「鉄橋を人が渡っている」との通報が入り、警備員を派遣する一幕も。同部では「良識ある行動を」と呼び掛けている。 |
2005年 3月18日 朝日新聞 |
今月末で廃線となる日立電鉄に鉄道ファンが殺到している。最後の姿をカメラに収めようと線路に近づいたファンを避けるため、電車が緊急停止する事故も今月だけで3件相次いでいたことがわかった。19日に始める特製のヘッドマークを装着した車両の「さようなら運行」ではさらに混雑が予想されるため、同社は主要駅に警備員を配置するなどして安全運行を徹底する。 日立電鉄鉄道部によると、昨年6月に乗客数を調査した際、日曜日の乗客数は千人余りだった。ところが、今月からファンが詰めかけるようになり、週末は1日あたり約4千人に増えた。鮎川駅(日立市)の駅員(67)は「週末のたびに何度も来るファンもいる。九州から来た学生もいた」と話す。 走行中の電車の写真を撮ろうと線路に近づくファンもいる。電車の緊急停止は、廃線問題と花見のシーズンが重なった昨年4月も5回ほどあったが、それ以降はほとんどなかったという。 19日から、全車両の先頭部と最後尾に「FINALRUN 77年間ありがとう」と書いた特製ヘッドマーク(タテ80センチ、ヨコ60センチ)を付けて走行する。この電車を目当てにファンが押しかけることが予想され、同社も19日からの3連休で1万5千人の乗客を見込む。 安全運行のため、19日から大甕、鮎川、常北太田各駅に1人ずつ、沿線の見回りに2人の警備員を配置。ドアの開け閉め確認のために列車内にも警備員を置く。カメラのフラッシュが運転の支障になる可能性があり、使用を控えるよう構内放送を流すことにしている。 ◇イベント多彩に 26日から乗車証明書発行◇ 廃線に伴い、日立電鉄では記念イベントを続けている。 沿線6幼稚園の園児約350人が描いた電車の絵を車内に掲示した「アートトレイン」を走らせているほか、開業当初の駅舎などの写真約100点を各駅に展示。記念グッズも販売中で、駅名板のキーホルダー(500円)や車両の携帯ストラップ(同)などが好評だという。 26日からは、乗車駅や乗車日付のスタンプを押した電車の写真付き乗車証明書(A4サイズ、200円)を発行する。 一方、「日立電鉄線の維持存続をもとめる高校生徒会連絡会」は、27日午後1時から常陸太田市の常北太田駅前で、存続活動を続けた生徒らがそれぞれの思いを語る会を開く。 |
日立電鉄線 「77年間ありがとう」 ヘッドマーク取り付け 2005年3月19日 茨城新聞 今月末で営業運転を終える日立電鉄線で十八日、車両に「77年間ありがとう」の文字が入ったヘッドマークの取り付けが始まった。 日立市鮎川町の鮎川駅構内では、午前九時すぎから三人の鉄道部員が取り付け作業を開始。 ヘッドマークは長方形で、創業当時や古い車両の写真が入っている。「運行の最後を告げる作業だけに、複雑な気持ちです」と、一枚、一枚を丁寧に取り付けていた。 ヘッドマークを付けた車両の運行は十九日から運行最終日の三十一日で続けられる。 |
2005年3月10日 しんぶん赤旗 画像をクリック すると拡大します |
2005年2月24日 朝日新聞 画像をクリック すると拡大します |
2005年2月9日 しんぶん赤旗 画像をクリック すると拡大します |
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2005年2月2日 朝日新聞 |
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3月26日に、日立電鉄が国土交通省に廃止届を出してしまいましたが、存続を求める声が急速に高まっています。茨城県と常陸太田市は公的支援で存続をという立場ですが、日立市が存続をあきらめて代替バスでよいという立場に立っているため、自治体が存続で一致できないという状況になっています。日立市を存続の立場に立たせることが必要です。また、国土交通省への働きかけと親会社である日立製作所働きかけも必要です。また日立電鉄に代わって運行する会社を自治体と市民が中心になって設立することも視野に入れて運動を進める必要があるのではないでしょうか。 「日立電鉄線を存続させる市民フォーラム」が発足し、活動していることは心強いかぎりです。全国のローカル鉄道存続運動にも学びながら、「存続」の1点でみなが協力し合っていければと思います。 |
日立電鉄バス(本社・日立市、松場卓爾社長)は三十日、国土交通省関東運輸局に対して、日立電鉄線廃止に伴う代替バス運行の路線とダイヤ、運賃の認可を申請した。 代替バス運行は新設四路線と一路線の変更。電鉄線に沿った運行を基本に、@馬場八幡−太田駅−元内−久慈浜郵便局−大甕駅A馬場八幡−太田駅−交流センター−久慈浜郵便局−大甕駅B大甕駅−東多賀町四丁目−多賀駅−鮎川駅C久慈コミセン−久慈浜駅本町十文字−大甕(循環線)の四路線を新設。神峰営業所から国道245号を通り大甕工場までの運行を、東多賀町四丁目や大甕駅を通る路線に変更する。平日の朝は、常北太田駅から大甕駅まで直行する急行便も運行する。 運行ダイヤは平日、電鉄線より片道二便増やし二十六便、土・日、祝日は同六便減らし十四便とした。運賃は現在認可を受けている基準を基本に設定。電鉄線より割高になる。通学定期券は期間や区間を限定した特殊定期券を検討中で、年内にも方針を固め来年早々にも関係機関と協議する。 バス路線新設で、車両八台を購入、嘱託運転手約十五人を雇用した。十二月上旬にも電鉄線の車内や駅などで、パンフレットにより運行計画を知らせる。代替バスに関して松場社長は「電鉄線の乗客に不便はかけない」と話している。 |
通学定期に特別料金 日立電鉄線の廃止に伴う代替バスの運賃、ダイヤの最終案が十八日、固まった。運賃は既存のバス路線運賃を踏襲するため10−20%高くなるが、通学定期券は期間や区域限定で、従来のバス定期券より安くなる見込み。未定だった土曜休日ダイヤは、電鉄線利用者が少ないため、現行より三割減の片道十四便となった。同日開かれた日立市議会総務委員協議会で報告された。 土曜休日は片道14便 報告によると、代替バス運賃は既存の路線を基本にするため、特別な料金は設定できない。このため、既存路線運賃に合わせ、常北太田駅−大甕(みか)駅間は、四百九十円から七十円増の五百六十円、日立市内の一駅間も百六十円から百九十円程度になる。 だが、通学定期券に関しては、日立市と常陸太田市が電鉄線との格差是正の割引き運賃を要望。常北太田駅−大甕駅間は、一カ月定期で一万二千円から一万七千円になるが、運行する日立電鉄バスは「全国の事例を参考に社内で協議中」と話し、期間と区間限定の特別料金になる可能性が高い。 一方、運行ダイヤは鉄道より片道二便増やして二十六便となる平日ダイヤ案が決まっていたが、新たに土曜休日ダイヤ案が固まった。電鉄線利用者が平日に比べ土曜は半減、休日は七割減のため、土曜休日ダイヤとして、現行の片道二十便から十四便に減らす。運行ダイヤ、運賃がほぼ固まり、今月末にも国土交通省に申請される。 代替バスに関しては、日立電鉄線を存続させる市民フォーラム(西村ミチ江座長)が、生活実態に合わせた増便、過重な料金負担にならない運賃設定などを要望している。 |
「廃線」後の交通考える 住民や学生らシンポ 2004年11月15日 茨城新聞 日立電鉄線が廃止されようとする中、日立市の公共交通問題などをテーマにした「ひっち未来シンポジウム」が14日、同市成沢町の茨城大工学部で開かれ、車社会における鉄道の重要性や市民参加の街づくりなどを考えた。 シンポは同大の文化祭と共に開催され、電鉄線存続運動に取り組んだ住民のほか学生など約100人が参加。「日立電鉄線再生のシナリオ」をテーマにした講演後、パネルディスカッションに入った。 電鉄線存続運動をしてきた住民らが、運動に関わるきっかけなどを話、後継事業者として名乗りをあげた岡山電気軌道の礒野省吾常務は「車両更新せず運賃値上げすれば、年間8千万円の公的支援で存続できる」と新たな試算を報告した。 だが、公的支援が絶望となり、今後の公共交通を協議。不意県で路面電車と街作りを考える清水省吾さんが「住民は痛ければ痛いと声を上げる必要がある。情報を住民に広げる運動を」と提案。茨城大工学部の山田稔助教授は「公共交通がなくなるとどうなるか、街づくりの視点で考える」、コーディネータ−の同大人文学部の齋藤義則教授は「存続運動のエネルギーをどのように街づくりに生かすかだ」と語った。 |
日立電鉄線の存続問題で、常陸太田市議会(萩谷俊昭議長)は11日までに、存続を断念する方針を決めた。 5日開かれた議会運営委員会で同問題を協議した結果、「(公的支援が望めない状況では段円せざるを得ない」との意見が大勢を占めた。8日の全員協議会で了承された。 萩谷議長は「電鉄線廃止は残念だが断念せざるを得ない。存続を求めてきた高校生や段谷は申し訳ない。土勅下が力が及ばなかった」と話している。 同議会は3月、「同線の存続に関する意見書」を全会一致で可決。電鉄などに要望社を提出していた。 |
橋本昌知事は4日の定例会見で、廃止が決定的になった日立電鉄線問題について「需要回復傾向が見られない」などとして、存続運動に疑問を呈した。 知事は存続断念の判断をした理由について「(日立、常陸太田の)両市が路線維持は無理という結論になり、県は両市の意見を土台にせざるをえない」と述べた。 廃線後については「移動手段を奪われる人の便宜を図っていく」としながらも「両市の意見を応援していくというのがスタンスだろう」と述べるにとどまった。 |
県立佐竹高(竹下威男校長)の文化祭「竹陵祭」が三十日、常陸太田市稲木町の同校で開かれ、日立電鉄線存廃問題を取り上げた生徒会主催のシンポジウム「ちん電はみんなの財産だ!」で生徒らが「通学の足を奪わないで」と存続を訴えた。 シンポは、県や地元自治体の存続断念を受け、再度存続へ努力を継続するよう求め開かれた。渡辺博則会長は「廃止になれば高校生など交通弱者の生活は困難になる」と訴え、同線を存続させる市民フォーラムの西村ミチ江座長も「存続の旗は降ろさない。何ができるか考えたい」と述べた。 太田二、里美、日立商、太田一、日立一の各生徒会代表も「後輩も不安。存続してほしい」と口々に訴えた。鹿島鉄道を支援する「かしてつ応援団」の小川高代表も「廃線になっても復活の可能性はある。ともに頑張ろう」と呼び掛けた。 生徒会では存続断念に「怒りと不信を感じる」として、「再度、あらゆる関係者が維持存続に向けた努力を続ける」よう要請するアピール文を県と同市に提出することを決めた。 |
日立電鉄線廃止に反対運動を続けてきた「二十歳電鉄線を存続させる市民フォーラム」は29日、運行存続を目指した市民出資の株式会社設立を先送り、すでに公表されている代替バス運行を検証する。行政も存続を断念しており、電鉄線の来年4月1日廃止は確実となった。 同フォーラムは例会を開き、最後の頼みだった常陸太田市や県が存続を断念したため、「電車にこだわらず、代替バスの検討を」とする声が相次ぎ方針修正。幅広く公共交通を考えることで、意見集約した。 この結果、電鉄線存続の結論は先送りし、テーマを当面の課題である代替バス運行の協議に移すことにした。近く、路線やダイヤなどの検討に入る。 |
日立電鉄線への公的支援が厳しくなる中、「日立電鉄線を存続させる市民フォーラム」(西村ミチ会長)は26日、日立市大みか町の電鉄線と併用するJR大甕駅で、通勤・通学客らにビラを配りながら存続を訴えた。 高校生を含む約30人のメンバーは、「ちん電を守ろう」の横断幕を掲げ、午前7時から8時の出勤・登校の時間帯、乗降客に「通勤や通学の足が奪われる」「進路が狭まる」「文化を守ろう」などと呼び掛け、約1000枚のビラを配った。 |
日立電鉄線の存廃問題で、同線を存続させる市民フォーラム(西村ミチ江座長)は二十五日、存続を断念した県、常陸太田市などに「電鉄線存続を実現させるための緊急要望書」を提出した。 同市役所では同フォーラム、同線の維持存続をもとめる高校生徒会連絡会のメンバーら十人が萩谷暎夫総務部長から存続断念の説明を受け、西村座長が緊急要望書を萩谷部長に手渡した。 要望書は、市民らによる鉄道存続会社への資本参加、県に対し積極的な調整や公的負担を求めることを前提に、@県が試算した年七千〜八千万円の公的支援額を軸に岡山電気軌道との協議再開A県、二市だけでなく利用者や市民、企業も含めた枠組みでの資金調達B市民、企業、行政が参画する第四セクター的な運行会社による来年度からの運行−の三項目。 同フォーラムは同市議会にも同様の緊急要請を提出。県には三項目に加え、「基本姿勢の明確化」「効果的な政策展開」など五項目の要望書を提出、二十八日までの回答を求めた。 要望書を受け取った県企画部の麦島健志部長は「みなさんのこれまでの取り組みは公共交通に対する画期的なもので、敬意を表する」としながらも、「日立電鉄線はかなりローカル性が高く、そうした性格の鉄道に県民全体の税金を投入するとなると、それなりの議論が必要になる」と、地元二市が存続断念した中での調整や支援の難しさを示唆した。 同フォーラムは二十六日午前七時から、大みか駅前で存続を求めチラシ千枚を配る。 |
日立電鉄線の存廃問題で、常陸太田市の渡辺龍一市長は二十二日、同線の存続を事実上、断念する方針を明らかにした。岡山電気軌道(本社岡山市)が回答してきた運行試算の内容を県と精査した結果、今後十年間で約二十−三十五億円の公的負担や将来、事業を廃止した場合、多額の設備撤去費用が必要となり、「市の財政力から継続的な公的支援は困難」と判断。既に廃止容認を決めている日立市に続き、常陸太田市も存続を断念したことで、同線の存続は極めて難しい状況となった。(23面に関連記事) 渡辺市長は同日開かれた臨時市議会後の全員協議会で、前日県庁で行われた知事などとのトップ会談を受け、「存続に向けた取り組みを断念する」方針を報告。同市議会は三月、「電鉄線の存続に関する意見書」を可決しており、萩谷俊昭議長は「来週中に協議し、(議会としての)結論を出したい」と述べた。 記者会見した渡辺市長は、存続を断念した理由について、「電鉄、県、岡山電軌の試算を考慮し検討した結果、予想をはるかに超える公的支援額となった。利用者には非常に残念で申し訳ないが、断念せざるを得ない」と述べた。 岡山電軌の来年度以降十年間の試算では、自治体が施設を保有し新会社に運行を委託する「上下分離方式」の場合、運行収支で計四億六千万の赤字。設備投資や基盤整備維持費も加えた公的負担額は計二十億八千万円。一方、新会社が「上下一体方式」で運行した場合、運行収支だけで約三十一億円の赤字となり、公的負担額は計三十五億五千万円に膨らむ。 渡辺市長は、@市の財政力A三位一体改革に伴う地方交付税の削減B市町村合併に伴う財政需要の増大−などから、「年平均二−三億円の公的負担には耐えられない。多額の撤去費用も考えなければならず、県の試算七千五百万円では済まない」と述べた。 また、同市の鉄道事業者公募に応募がなかったことや公的支援で最後まで日立市と足並みがそろわなかったことも足かせになったことを示唆。さらに本年度上半期(四−九月)の電鉄の乗降客数が七十二万九千六百人と、前年比で一割以上落ち込んだ状況も存続断念の要因になったことを明らかにした。 今後の対応策として、「利用者が支障を来さない代替バスの運行ダイヤ、路線計画を電鉄側に要望する」と述べた。 同市が存続を断念したことを受けて、県も近く地元二市に最終的に存続断念を伝えるとみられ、今後の焦点は代替バスの運行に移る。電鉄バスが来年度から代替バスを運行するには、来月末までに路線設置の許可を国に申請する必要がある。 常陸太田市の最終判断について、橋本昌知事は「利用者の減少傾向に歯止めが掛からない状況や多額の公的支援が避けられないことなどを勘案すると、日立市を含め両市の意向は現実的な選択であり、存続を断念せざるを得ないものと判断致しました。今後は現在鉄道を利用されている方々にご不便をおかけすることがないよう代替バスのルートなどについて関係者との協議を進め、万全を期してまいります」とのコメントを発表した。 日立市の樫村千秋市長は「市民に不便をかけないよう考え、三月にバスを中心とする自動車による公共交通、生活交通の維持を選択した。大みか・久慈浜循環線など新路線開設をはじめ、来年四月からのスムーズな代替バス運行が確保されると考えている。電鉄線の廃止容認はやむを得ない選択であったと考え、常陸太田市の最終判断も同様に考える」とのコメントを発表した。 「頭の中が真っ白」 市民団体などに衝撃 「頭の中が真っ白になった」「常陸太田の活気が失われる」−。常陸太田市が日立電鉄線の存続を断念した二十二日、存続運動を展開してきた市民団体や高校生たちは一様にショックを隠しきれない様子だった。存続を要望している住民にとって、同市の存続方針は最後の望みだったが、存続断念で頼みの綱は切られた。 日立市の沿線住民らで組織する「日立電鉄線を存続させる市民フォーラム」(西村ミチ江座長)は同日夕、急きょ記者会見を開いた。西村さんは「期待しながら見守っていたので、落胆している」と述べ、動揺している様子を見せた。 前日に県が公表した負担額については、「車両の更新や変電所設備を先送りすれば四、五億円は削れる。十年間で十五億−二十億円なら、決して無理な負担額ではない」と述べた。 市民出資による鉄道会社の設立は、後継事業者公募に応じた岡山電気軌道の経営参画が条件で、同社が参画するには公的支援が前提だった。その前提が崩れたことから、「岡山(電気軌道)の参画は厳しいと認識している」と悲観的な見方を示した。二十九日の例会で結論を出すという。 一方、署名活動や存続要望書提出など活発な運動を展開してきた「日立電鉄線の維持存続をもとめる高校生徒会連絡会」(会長・渡辺博則県立佐竹高生徒会長)は、「常陸太田市の街づくりに大きなダメージとなり、高校生の姿も少なくなり、活気もなくなる」とのコメントを出した。 通院で電鉄線を利用している日立市大和田町の女性(79)は「車社会でも電車は残してほしい。常陸太田市と日立市が、足並みそろえてくれなかったのが残念」と、不満を口にした。 常北太田駅から大甕駅まで利用する女子高生(16)は「電車は時間通りに走るが、バスは遅れることが多い。運賃も高くなるのが心配」と、代替バスに対して不安な様子。 日立電鉄線の存続をめぐってさまざまな運動が展開されたが、今年四−九月の乗客は約七十三万人(対前年同期比87%)、運賃収入は約一億三千八百万円(同89%)とそれぞれ一割以上も落ち込んだ。高校生らの懸命な取り組みにも、乗客減少に歯止めが掛からず、状況は改善されていない。 2市の差に県が二の足 結論までの時間も短く 【解説】 自治体や市民を巻き込み「存続か廃止か」に揺れた電鉄線存廃問題は、地元自治体の公的支援が絶望的となったことで、来年四月の廃線が避けられない状況となった。 電鉄側の廃線方針が覆らない環境で、運行継続の道筋をつけるには地元二市や県の公的支援は絶対的な前提条件。市民出資会社などが電鉄に代わり運行主体となる場合でも、上下分離方式の受け皿となる第三セクターの設立などに県や日立市、常陸太田市が中心的役割を担う必要があった。しかし、日立市が廃止を容認する中、常陸太田市が億単位の財政出動をするのは無理。鹿島鉄道存続に県は五年間で一億二千万円余を補助している。沿線五市町村が存続で一致した同鉄道と、地元二市の対応が割れた電鉄線。その差が県も支援に二の足を踏む一因になった。 昨年十月の電鉄の廃止表明後、短期間で存廃の結論を迫られたことも存続を困難にした。鹿島鉄道でさえ一年五カ月、廃止となった他県のケースでは二〜四年をかけ結論を出している。地方鉄道存続の流れを作れなかったことは惜しまれる。 今後は代替バスや市民バスの運行で、交通弱者への影響を最小限に抑える必要がある。 |
日立電鉄線の廃止問題で、運行支援を検討していた岡山電気軌道(本社・岡山市)が、試算の中で行政機関に10年間で約21〜36億円の支援を求めたことを受け、常陸太田市の渡辺龍一市長は22日、「公的支援は困難」として、存続支援を断念したことを明らかにした。橋本昌知事も同日、「存続を断念せざるを得ない」とコメント。公的支援頼みだった電鉄線の存続は絶望的になった。 渡辺市長は市議会臨時会最終日の同日、全員協議会で電鉄線存続断念を報告した。 同市は、8月から市のホームページで新たな鉄道事業者を探していた。県の試算に基づき、同市は施設整備費など7500万円程度の支援を明らかにしていた。しかし、岡山電軌は電鉄線の存続費用を試算し、上下分離方式、上下一体方式のいずれにしても10年間で21〜35億円の支援がないと運行存続は不可能という結論を出した。 渡辺市長は「現在の本市の厳しい財政状況からは、施設整備費ばかりでなく、運行経費まで公的支援をするのは困難」とした。今後は代替バスの検討にあたるという。樫村千秋日立市長も同日、「社会の推移などの状況を勘案すれば、廃止容認はやむを得ない選択だ」とコメントした。 地元の意向を静観してきた県も、橋本知事が「両市の意向は現実的な選択であり、存続を断念せざるを得ない」として、廃止を容認した。 一方、鉄道存続のため、市民出資の株式会社を立ち上げる方針を示している「日立電鉄線を存続させる市民フォーラム」(西村ミチ江座長)は、県や両市の資本参加を前提にしてきただけに、厳しい状況に置かれた。 しかし、「車両の更新費用や変電所整備費用などを先送りすれば、4〜5億円は削減できる。10年間の公的負担額が15〜20億円であれば、県と両市にとって無理な負担額でない」と主張し、出資や寄付の希望者も現れていることから、29日の例会で協議し、今後の方向性を決めるとしている。 |
日立電鉄線の存廃問題で、県は二十一日、後継事業者公募に応じた岡山電気軌道の運行試算を明らかにした。今後十年間で必要とされる公的負担は、後継の新会社が列車運行のみを請け負う場合で約二十億円、鉄道施設も引き継ぐ場合で約三十五億円。同日、こうした試算結果を基にした橋本昌知事と常陸太田市の渡辺龍一市長、日立市の根本茂助役による初めてのトップレベル会談も県庁で開かれ、渡辺市長は会談後、「(公的負担は)大きな額なので(鉄道存続について)もう一度議会と相談したい」と述べた。 試算は岡山電軌から今月初旬に提示された後、同社と県が精査して数字をまとめた。 試算によると、県や二市に求められる二〇〇五年度から十年間の公的負担は、新会社が列車運行のみを請け負って地元自治体が線路など鉄道施設を所有する場合で二十億八千万円、新会社が鉄道施設も所有して運行する場合は三十五億五千万円となった。ただし、利用者減少などで営業赤字が増加した場合、さらに公的負担が膨らむとしている。 知事と渡辺市長、根本助役による会談は、これまでの事務レベルの協議で鉄道存続を求める常陸太田市と代替バスへの振り替えに踏み切った日立市との溝が埋まらない中で開かれた。渡辺市長は会談後の会見で「知事にはこれまで通り、できるなら存続させたいと要望し、あらためて支援も求めた」としながらも、「(存続を決議した)議会とも相談し、駄目な時には後のこともあるし、何とかなるときには頑張らなければならない」などと話した。 根本助役は渡辺市長と行った会見でも「日立市としては、今年三月に代替バスで行こうと方向性を決めた。大きい小さいにかかわらず公的支援する気はない」と強調。こうした状況から、県関係者は「(存廃問題は)常陸太田市の再検討の結果に左右される」との見方を示した。 |
日立電鉄線の廃止問題で、運行支援を検討している岡山電気軌道(本社・岡山市)が県に出した試算は、10年間で約21〜36億円の行政負担を求めていることが21日分かった。これを受け、橋本昌知事と常陸太田市の渡辺龍一市長、日立市の根本茂助役が同日、初めて会談。しかし、存続と廃止で分かれる両市の姿勢は変わらなかった。 同社は05〜14年度の10年間、日立電鉄線を運行した場合の収支や行政に求める負担額を試算。施設を自治体が所有し、新会社が運行を委託する場合、営業赤字が4億6千万円、設備投資などが16億2千万円に上り、全額の公的負担が求められている。新会社が設備の所有もする場合は、諸税や減価償却費が生じ、公的負担額は35億5千万円に上る。 21日の協議は県が両市の意向を確認するために呼びかけた。渡辺市長は「可能な限り存続を求める」、根本助役は「行政支援は考えていない」として従来の姿勢を変えなかった。会談後、渡辺市長は「運営だけなら県と両市、日立電鉄の4者で負担すればなんとかなる感じだ」と話した。根本助役は「問題は公的負担額の大小ではない」と述べ、公的負担に応じないことを強調した。 |
日立電鉄(本社・日立市、松場卓爾社長)が経営する日立電鉄線の廃止日(来年4月1日)まで半年を切った。地元の日立、常陸太田の両市は廃止と存続で方針が分かれる一方、存続を求める沿線住民の運動が続いている。県外の鉄道会社が支援に名乗りを上げているが、進展はない。民間企業が経営を見切った公共交通機関をどうするのか。先行きは見えない。(井上知美、永友茂則) 日立電鉄は、廃止を決めた理由として「安全に乗客を輸送し続けることが資金的に不可能」と説明している。松場社長は取材に対し「残せるものは残した方がいいに決まっている。ただし、金と安全運行の問題さえなければ」と答えた。 同社は、過去10年間で45人の正社員を25人に減らしてパート社員を増やし、人件費を半減するなど合理化を進めてきた。しかし、93年度に約6億円あった運賃収入が02年度に半減。設備投資への負担は減らないため、同年度の累積損失額は4億円になった。 背景には、乗客の大幅な減少がある。沿線の日立製作所の関連企業に通勤していた客が、車の普及や不景気による人員削減で激減。93年に390万人近くいた乗客は、03年には160万人になった。中でも通勤定期の利用客は7割減となった。 39カ所ある橋梁の約7割は70年以上が経過。今後5年間、鉄道事業を維持した場合、車両更新などに年約5800万円がかかる。人件費や修理費など維持費も年平均1億2千万円必要という。 一方、03年度に3億2千万円あった鉄道収入は08年度に2億7千万円へ落ち込む見通し。設備投資や修繕費などに、行政からの支援が毎年度見込めるとしても、08年度の累積赤字は約9億円と試算する。 これに対し、県も存続費用を試算。「会社試算の設備投資や修繕計画は過去の平均実績に比べて1・5倍以上の投資」と指摘した。 冷房化のための変電所新設や車体更新は先送り。枕木のコンクリート化や変電所改良の投資を平準化し、自動券売機の単価を見直す。これらの結果、毎年度の設備投資や修繕費を7500万円程度とみて、年間7〜8千万円の公的支援があれば、事業者が運行だけを担当しての存続も考え得るとした。 日立電鉄が存続するうえで、絶対条件となるのが地元自治体の行政支援だ。 廃止方針が打ち出された当初は、両市とも存続を求めた。だが、日立市は今年3月、廃止容認に転換した。樫村千秋市長は「黒字経営の見込みのない企業は存続させられない」と言うのみで、転換理由は明かさない。 樫村市長は県の試算について、「設備投資の先送りは安全や危機管理への発想がない」と批判。「人口減と不景気で市税は激減している。利用者が市民の一部に過ぎないことを考えれば、公的支援には理解が得られないと判断した」と語る。 同市は、路線存続か、バスによる代替輸送のどちらに決定しても、「採算が取れない経営には参加しない」とし、公的支援はしない方針だ。 一方、常陸太田市の渡辺龍一市長は「存続のためにできる限りのことをする。見通しは暗くはない」と話す。「市の入り口に常北太田駅がある。廃止は、通勤・通学の足を奪うだけでなく、常陸太田のまちづくりにも大きな影響を及ぼす」(江幡治企画財政課長)。 8月16日から約1カ月間、ホームページ上で、電鉄線を運行する事業者を募った。駅舎や線路などの施設の保有や運行は事業者がすべて行うことが条件だが、施設の整備費用や利用促進運動などは、県の試算に基づいて市が支援する。 協議に名乗りを上げたのは岡山電気軌道(本社・岡山市)1社。同市と県は、日立電鉄の経営データを基に、存続に必要な公的支援額を含めた試算を求めた。渡辺市長は「条件面が折り合えば存続の可能性が強まる」と語る。 県は当初、「地元の意向を見守る」と静観していたが、橋本昌知事は4月の会見で「両市の協議に本格的に入る必要がある」との認識を示した。 しかし、現在も事務レベルで両市の協議に参加しているだけにとどまる。一定の方向性を9月ごろに出したいとしていたが、それも実現できていない。県企画課の福田敬士課長は「県は存続とバス代替の両にらみでやっている。ローカル色が強い鉄道は地域が結論を出せないと県も出せない」と言う。 協議の基になるデータは提供するが、両市をまとめる積極的な動きや、県としての主体的な判断はしないという立場だ。 県は試算で、課題として、安全対策費の行政負担、利用促進策とともに論議の透明性を挙げた。 試算では「日立電鉄は、廃止計画の検討からわずか5カ月で判断を求められている特異なケース」としたうえで、「情報公開が不足し、地域の十分な議論が行われていないと思われる。議論の過程をオープンにし、アンケートなどで広く意見を聞いて地域の総意として判断がなされることが期待される」と話す。 しかし、両市の情報開示について室町正男企画課副参事は「両市が判断すること」という。 市民団体も存続運動を展開している。「日立電鉄線を存続させる市民フォーラム」(西村ミチ江座長)は4月、日立市の沿線5学区のコミュニティ推進会と、常陸太田市の二つの市民団体で発足した。個別に進めていた運動を一本化し、署名や嘆願で日立電鉄や行政などに働きかけてきた。 活動の方向性が変わったのは8月以降だ。岡山電軌に後継事業者として名乗りを上げるよう協力を打診。「存続をお願いするだけの活動ではだめだ」と、9月には市民出資による株式会社を設立する方針を固めた。 経営方針などは、昨年11月に部分廃止されたJR可部線(広島県)の可部−三段峡間で、運転再開のために住民団体が立ち上げた株式会社を参考にした。 フォーラムは、来年4月の電鉄廃止後に運行業務を引き継げる体制を整えるため、両市や県、日立電鉄などに資金援助や設備譲渡などを依頼している。11月半ばまでの設立を目指し、業務内容などを詰めている。 一方、フォーラムの結成は、廃止の流れが決定的になった後で、高校生らの存続運動よりも遅かった。フォーラム事務局長の伊藤智毅・日立市議は「廃止への動きがこんなに早く本格化するとは想定していなかった」と語る。 フォーラムの関係者の中に電鉄線の利用者は多くないという。 樫村日立市長は批判を込めて語る。「市民の運動で、赤字経営が解消されるくらいの乗客増を見込めるなら存続も可能だと思う」 鉄道の廃止は届け出制のため、今後、日立電鉄の後を継ぐ企業や団体が出なければ、電鉄線は予定通り廃止になる。 鍵を握るのは岡山電軌だ。今月半ば、県に求められていた試算を提出した。同社によると、(1)設備などをすべて譲渡された場合(2)線路などは自治体が、運行を同社が引き継いだ場合−−の2通りの収支予測を試算した結果、いずれも毎年数億〜十数億円の赤字が見込まれるという。礒野省吾常務は「これを自治体が補てんする気があるのなら支援したい」と語る。 一方で、代替交通機関の検討が着々と進んでいる。日立電鉄系列の日立電鉄バスが代替バスを運行するとし、両市も加えて路線案を検討。9月末に5路線26往復(平日)と決めた。土・日・祝日ダイヤと停留所の位置や名称を今月中に決め、11月末を目標に関東運輸局に申請する。来年2月末にも認可される予定だ。 しかし、フォーラムの関係者は「他の例などをみると、バスの乗客は電車の20〜40%に減少する可能性が高い」と指摘する。仮に半分の乗客がバスを利用したとしても、年間1億円以上の赤字になると見込む。 |
日立電鉄線の存続問題で、橋本昌知事は7日の定例記者会見で、後継事業者の募集に応じた岡山電気軌道が同日までに、同線を引き継いだ場合の事業試算を県と同市に提示したことを明らかにした。県は、試算内容を精査し今後、常陸太田、日立両市と鉄道存続の可能性について検討していく。 会見で知事は「岡山電気軌道の試算を受け、県なり地元二市が、どういうふうに考えていくか、日立電鉄はやめるということなので、その受け皿となるモノがあるかどうか、ということが問題になってくると思う。二市の意見を聞きながら、そういうことをトータルに検討していく必要がある」と述べた。 |
日立電鉄線の存廃問題について、日立市内の沿線市民らでつくる「日立電鉄線を存続させる市民フォーラム」(西村ミチ江座長)は1日、例会を開き、来年3月の電鉄線の廃止後に運行を引き継ぐための株式会社設立を正式に決めた。11月半ばまでの設立を目指す。 会社は日立電鉄線の運行の受け皿と、沿線の魅力ある街づくりを担う。資本金は1千万円。1株5万円で200口を市民や行政、企業などから集める。高校生なども出資できるよう一口1千円からの基金も検討したいとしている。本社は日立市に置き、社名は20日まで公募する。フォーラム事務局(電話0294・36・5111、090・1531・1158)へ。 また、8月に事業者を公募した常陸太田市に対して岡山電気軌道(本社・岡山市)が協議再開を申し入れている問題で、同市と県が同社に運行存続のための試算を提出するよう求めていることが分かった。同社の運行可能性について検討するためとみられる。 |
日立電鉄線の存続kもんだいで、廃止に伴う代替バスの平日ダイヤ案が28日、固まった。太田−大甕間は鉄津よりも運行本数は各2便増え、朝の急行便など通勤・通学時に対応。日立市内も細かなダイヤを編成した。来月中にも休日ダイヤや運賃、停留所の一・名称を決定し、11月末に国土交通省に申請する予定。 ダイヤ案は同日、国交省、県、日立市、常陸太田市、日立電鉄バスなどの協議で固まった。 (以下略) |
日立電鉄線の廃止を前提に、日立電鉄バスが検討していた代替バスの運行路線と停留所新設などの最終案が15日までに、開会中の日立市議会総務委員会に報告された。路線は電鉄線に沿った5ルートを基本とし、停留所は大甕や太田など4地区に計26カ所を新設する。調整した後、11月末に国交省に申請する予定だ。 運行路線は(1)太田駅〜元内〜大橋〜南高野団地〜久慈浜郵便局入り口〜大甕駅(2)太田駅〜元内〜国道293号〜日立南工業団地〜南高野駅〜久慈浜郵便局入り口〜大甕駅(3)馬場八幡前〜太田駅〜元内〜国道293号〜大和田十文字〜国道6号〜石名坂〜大甕駅(4)大甕駅〜海端団地〜老人センター前〜サンユー〜常陸多賀駅(5)おさかなセンター〜久慈小前〜大甕駅〜大みか町2丁目〜大甕駅〜久慈小前〜おさかなセンター。 新設停留所は、大甕地区が日立商高入り口など5カ所、大沼地区は東金沢1丁目など4カ所、久慈浜地区は久慈浜駅入り口など9カ所、太田地区は消防署前など8カ所(いずれも仮称)となっている。 最終案には、日立、常陸太田両市の要望も加味されている。今後、県警の意見を添えて茨城運輸支局と協議し、11月末を目標に関東運輸局に申請する。認可されるのは来年2月末の予定という。 |
日立電鉄線の存廃問題で、常陸太田市は十五日、市のホームページで行っていた同電鉄に代わる新たな鉄道事業者の公募を締め切り、継承事業者として名乗りを上げた事業者がいなかったことを明らかにした。同市は「今後も存続を求める方針は変わらない」としているが、期待していた継承事業者が現れなかったことから、同市が目指す鉄道施設の保有と運行の「上下一体方式」による新たな受け皿づくりは見直しを迫られそうだ。 公募は、三月に同電鉄が国土交通省に廃止届を提出。日立市も「公的支援は困難」として廃止容認の立場を表明したため、「公的支援をしてでも存続」の道を模索する常陸太田市が八月十六 日から、独自に実施した。 市のホームページに運行条件、鉄道施設の維持補修にかかる事業者負担額年七千五百二十万円(県試算)などを記載した募集要項を掲載。同月末までの募集期限を今月十五日まで延長し、上下一体方式による継承事業者を募っていた。 その結果、名乗りを上げる事業者は現れなかったが、岡山電気軌道(本社岡山市、小嶋光信社長)から照会があり、委託運行方式を基本に協議の申し入れがあった。協議はいったん白紙に戻ったものの十三日、再協議の要請があり、同市は今後、同線廃止問題対策実務者会議などの場で協議した後、同社へ回答するとみられる。 ホームページへの公募記載は同日午後五時の時点で打ち切られた。市企画財政課では「打ち切り後も応募があれば受け付ける」と話している。 |
日立電鉄線を存続させる市民フォーラム(西村ミチ江会長)は14日、県や日立市、日立電鉄本社、日立製作所日立事業所を訪れ、存続実現のための緊急要請文を提出した。 要請文によると、電鉄線廃止予定の来年4月1日以後も運行存続を要望するとして、@運行後継事業者に対して真摯に協議検討A存続への可能性検討に最大限の協力B行政は十分な公的支援の具体的検討C設備や車両の譲渡や運行システムの協力ーなどを求めている。常陸太田市との存続協議を要望した岡山市の民間鉄道「岡山電気軌道」の礒野省吾常務も同日、日立市と県を表敬訪問した。 |
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日立電鉄線の存廃問題で、廃止に伴う代替バスの運行路線と停留所設置の最終案が九日、固まった。路線は五ルートで、大みかや大沼、久慈浜、太田地区などに三十カ所近いバス停を設置、電鉄線利用者の利便性を図る。日立電鉄バス(本社日立市)は今後、微調整を加え、県警や国土交通省と協議、今月中にもダイヤを入れた路線案を作成。十一月末までに国交省へ申請書を提出する。同日開かれた日立市議会総務委員協議会に報告された。 路線は、日立電鉄バス案に日立市などの要望を加え、県や常陸太田市、国交省に県警も加わり、検討してきた。基本は電鉄線に沿った運行で、住宅地や病院、スーパー経由を考慮している。 路線は@太田駅−大橋−南高野団地−久慈浜郵便局−大甕駅A太田駅−国道293号−日立南工業団地−南高野駅−久慈浜郵便局−大甕駅B馬場八幡前−太田駅−大甕駅(直行便)C大甕駅−海端団地−老人センター前−サンユー−常陸多賀駅−鮎川駅−日立駅Dおさかなセンター−久慈小前−大甕駅−大みか二丁目−大甕駅−久慈小前−おさかなセンター。 この五路線を基本に、朝夕は太田駅−馬場八幡前、水木駅乗り入れなどを運行する。 新設停留所は大みか地区は日立商入り口や坂下公民館前、大甕小前など、大沼地区は東金沢一丁目や県営金沢アパート前など、久慈浜地区はコミセン前や本町十文字、行戸下宿など、太田地区は消防署前や岡田、川中子などで約三十カ所。 今後、運行での道路事情など県警と調整しながら、停留所に関しても地元住民の合意を取り付け、今月中に平日と土曜、日祝日のダイヤを編成。利用者の乗り残しがないように、増車対応も計画している。 |
照会民鉄との交渉断念 「継承」「委託」折り合わず 2004年9月9日・茨城新聞
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常陸太田市は日立電鉄にかわる鉄道事業者募集の期限を9月15日まで延長した。県外の民間鉄道一社から紹介があったという。 |
日立電鉄線の存廃問題で、存続を求めている常陸太田市は十六日、同市のホームページに同電鉄(松場卓爾社長)に代わる鉄道事業者の募集を掲載した。同市は鉄道施設の整備などに公的支援を行うとした上で、全国の鉄道事業者に今月末までに応募を呼び掛けている。この問題では日立市が廃止を容認、電鉄も運行継続は困難として存続交渉が難航。このため常陸太田市は新たな鉄道事業者を独自に探し、事態打開を目指す。 ホームページは「鉄道事業者を探しています」との見出しで、同市と日立市を結ぶ電鉄線(約十八・一`)が来年三月末で廃止となる現状を説明。一九九九年度二百四十万五千人いた輸送人員が、昨年度百六十万九千人に減少した過去五年間の実績を示した。 募集するのは「鉄道事業法に規定する事業者」で、JRや民間鉄道、第三セクターなどが対象となる。鉄道事業に新規に参入する業者は除外される。 運行条件は来年四月一日を運行開始日とし、「鉄道施設の整備費や利用促進運動に対し公的支援を行う」とした。また二〇〇八年度までに必要な鉄道施設の維持補修経費の事業者負担額は、県試算に基づき年平均七千五百二十万円とした。 応募を受け付ける市企画財政課では「電鉄による存続の道もあきらめていないが、電鉄以外の鉄道事業者も募ることにした。事業者が現れれば公的支援額や電鉄側と施設譲渡などを話し合う」という。 新たな鉄道事業者が来年四月に運行する場合、国の許認可申請に最長五カ月程度かかることから、早ければ十月ごろ事業者を決め申請する必要がある。 |
日立電鉄線を存続させる市民フォーラム(西村ミチ江座長)は12日、県や日立市、比田井太田市、日立電鉄などに、存続実現の緊急アピールを提出した。 同アピールによると、電鉄線存続にカンして@地域の公共財として存続の可能性を模索Aバスは鉄道以上に利用者が落ち込むことの検討B社会的損失など総合的評価で鉄道存続を検討−などを挙げ、関係機関にそれぞれ財政支援や住民との話し合い、情報公開などを要望している。 |
日立電鉄線の存続運動を進める高校生や市民が8日、「ヤーヤーちん電祭り」を常陸太田市生涯学習センターで開き、「鉄道まちづくりサミットin常陸太田〜ちん電はみんなの財産だ!」、コンサート、模擬店、同線をテーマにした絵画写真展などで存続を訴えた。サミットでは新たな事業体を設立する電鉄再生プランが発表され、多様な存続可能性の模索や5年間の廃線凍結、公的支援を盛り込んだ10項目の緊急アピールも採択した。 祭りは佐竹、太田二、里美、日立商、日立工の県立高5校でつくる同線の維持存続を求める高校生徒会連絡会、同線を存続させる市民フォーラムが開いた。 開会式で西村座長や高校生代表が「知恵を結集し存続策を探したい」と挨拶。萩谷同市総務部長は存続を求める立場を強調した。 環境自治体会議環境政策研究所主任研究員、上岡直見氏が基調講演し、同フォーラムの依頼で作成された電鉄再生プラン(電鉄線存続に向けた市民報告書)を発表。「上下分離方式」による新事業体の設立を提案した。 プランは、新事業体を列車運行会社「ひたちモビリティ」と設備保有会社「ひたちエステート」(いずれも仮称)に分離。モビリティは公的支援なしで経営され、単年度営業収入3億4千万円と試算。エステートは公的支援を前提にモビリティから支払われる設備使用料(1億9千万円)、自主事業収入など計5億4千万円で経営可能とした。 費用便益シミュレーションでは「10年間で24億円の公的補助が必要だが、鉄道存続による社会的便益は127億円と5倍以上の費用対便益効果が見込める」と予測。一方、廃線による幹線道の渋滞緩和には約300億円の道路整備費が必要で論外」と述べた。 |
ヤーヤー! ちん電祭り 8月8日(日) 午前10時〜午後4時 常陸太田市生涯学習センター 詳しくは 茨城県立佐竹高等学校のHPをご覧下さい 【内容】 日立電鉄線の維持存続に関するシンポジューム ちん電に関する絵画写真展示 演奏会 焼きそば・かき氷などの模擬店 【主催】 日立電鉄線の維持存続をもとめる高校生徒会連絡会 (略称:ちん電守ろう会) 【後援】 日立電鉄線を存続させる市民フォーラム 2004年8月2日・茨城新聞 ↓↓ |
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日立電鉄線存続問題で、環境政策に取り組む自治体ネットワーク「環境自治体会議」の環境政策研究所は7日、電鉄線存続に向けた市民報告書をまとめた。現況を分析しながら体系的な改善策を提案。新たな事業形態など再生プランを示した。日立常陸太田市で8日に開かれる「ちん電祭り」の鉄道まちづくりサミットの中で公表され、議論を深める。 報告書によると、電鉄線は高齢化の進む市民生活を支え、環境問題に取り組む必要不可欠な装置として、廃止の場合は@交通渋滞の激化A沿線駅周辺の空洞化B移動できない高齢者の増加−などを挙げた。 (以下略) |
日立電鉄線の存廃問題で、橋本昌知事は五日の定例会見で、「日立電鉄線としての廃止はやむを得ないのではないか」と述べ、再開した同線廃止問題対策実務者会議での代替バス協議と並行し、あくまで鉄道存続を求める常陸太田市の意向もくみ、同社に代わる新たな事業者を見いだすことに協力する考えを明らかにした。有力な後継事業者が見つかれば、公的支援の検討にも乗り出す方針だ。 ■決まれば公的支援検討 会見で知事は「基本線は(日立電鉄線が廃止される)来年四月に通勤、通学手段がなくならないようにすること。そのため、片方で代替バスの検討も始めなくてはいけないし、もう一方では、常陸太田市が鉄道という形で残す方法はないかと模索している。われわれとしては、それらを一緒になって考えていくということで、現在、会議にも参加している」と述べた。 県や国土交通省も加わった日立電鉄線廃止問題対策実務者会議は四日再開され、これまで同線の廃止に反対してきた常陸太田市も代替バス協議に参加。今後、同市や日立市、日立電鉄バスを中心に運行ルートや運賃などについて、具体的な議論が進められる。ただ、常陸太田市は一方で、依然として鉄道を存続させたい意向で、会議では、日立電鉄に代わる新たな運行事業者を探していきたい意向も見せた。 知事発言はこうした状況を受けたもので、「どこか新しいところが出てきて、ある程度、公的負担があればやるというのであれば、常陸太田市、日立市も含めて、公的にどういう応援ができるか検討しなくてはいけないと思っている」と、鉄道存続へ向けた支援姿勢も示した。ただ、現段階では有力な事業者は見つかっていないという。 |
日立、常陸太田両市と日立電鉄でつくる「日立電鉄線廃止問題対策実務者会議」が4日、常陸太田市で阿あった。日立電鉄バスも出席し、両市に対して代替バス路線案が示された。両市もそれぞれ独自の路線案を電鉄バスに要望し、電鉄バスは今月下旬をめどに回答することを約束したという。 これまで電鉄線の存続を主張してきた常陸太田市は、電鉄線を維持しながらも代替バスを運行する場合を想定。12月までに国交省に認可を申請しなければならないため、存続運動と並行しながら代替バス路線についても検討することにした。 |
再開する実務者会議は両市や県、国土交通省、日立電鉄(松場卓爾社長)の五者に、新たに日立電鉄バス(同社長)が加わる。電鉄バスからは電鉄線に代わるバス路線案が示される模様で、両市を中心に協議に入る。具体的には、常陸太田市−日立市間の直行便、高校生の通学用バスなどが論議されるとみられる。 常陸太田市は会議の席上、存続についての検討も同時並行で進める方針をあらためて示すが、電鉄線廃止後、速やかにバス運行するには十二月末までに国交省への申請が必要。このため、路線やダイヤについての具体的検討も進める。 実務者会議は日立電鉄線存続を狙いに、一月中旬に発足。月一回のペースで協議してきたが、三月末に日立電鉄が国交省に廃止届出書を提出。日立市も代替バス運行を決めたため、五月の開催を最後に中断していた。 その後、日立市は六月から独自に日立電鉄バスと代替バスの協議を開始。常陸太田市は存続を求めていたが、六月議会で存続検討と同時に代替交通議論を進める考えを明言。橋本昌知事も六月定例会見で、代替交通議論の必要性を示していた。 日立電鉄線の存廃問題で、中断していた日立電鉄線廃止問題対策実務者会議が八月四日、常陸太田市で再開される。会議のメンバーに初めてバス会社が加わり、代替バスの路線などについて具体的な協議に入る見通しだ。沿線住民などが存続運動を展開する中、日立、常陸太田の両市が歩調を合わせ、バス運行を検討することで、日立電鉄線廃止、代替バス運行の方向に大きく動きだしそうだ。 |
日立電鉄線の存続を求めて、電車や駅舎、沿線風景などの写真、絵画などを公募した「残したい風景」の移動展が20日、日立市水木町の泉が森公民館で始まった。 作品公募は日立電鉄線を存続させる市民フォーラムが企画。県北地域を中心に水戸市や下妻市からも応募があり、写真71点、絵画20点、思い出と存続提案に各5点の中から、再優秀と優秀、佳作、特別賞を選んだ。 |
日立電鉄線存続を求め、「ちん電を考えるキャラバン集会」が18にち、日立市東金沢公民館で開かれ、存続している地方鉄道の事例報告を受け、電鉄線存続の具体的方針を考えた。 交流会は大沼学区コミュニティ推進会が主催。地域住民など約50人が参加した。鉄道復権を目指す全国鉄道利用者会議が富山・万葉線、福井・えちぜん鉄道、三重・北勢線など企業の廃線表明以後、市民や行政などが団結して存続している事例を紹介した。 この中で全国鉄道利用者会議のメンバーは、鉄道は公共財として「図書館や動物園と同じ。存廃の判断基準は赤字でない」と強調。道路に比べ鉄道の少ない政府予算を批判しながら、「鉄道だけが建設や維持を企業の義務にするのは異例」と語った。 日立電鉄線に関しては「大変身計画」としてJR日立駅や平和通りまで路面電車での乗り入れ、常北太田駅から中心市街地までの路線延長、高速バスとの連動などが提案された。意見交換では「代替バスになっても廃止される」「存続議論のため、多くの情報を共有するのが必要」などがあった。 |
沿線住民や高校生が13日、日立市内の前9駅と常北太田駅,JR常陸多賀駅で、通勤や通学の乗降客にチラシを渡しながら、存続を訴えた。 駅前行動に参加したのは、市民フォーラムや高校生徒会連絡会のメンバーなど約100人。午前7時半から約1時間、駅前で「電鉄線を存続させましょう」と呼び掛けた。 |
日立電鉄線を存続させる市民フォーラムは27日、日立市水木町の泉が森公民館で意見交換会を開き、8月8日に常陸太田市生涯学習センターで「ちん電まつり」を開催、鉄道の街作りを考えるシンポジウム実施などを決めた。 意見交換会は日立市と常陸太田市の市議から、定例議会で議論された電鉄存続問題が報告され、両市の温度差の違いが変わらないのを確認。さらにNHKの番組で、日立電鉄の取材協力がなく、制作中止になったとの報告もあった。 「ちん電祭り」は、写真・絵画展や鉄道を視野に入れたシンポを開催。有識者や高校生など利用者で、電鉄線の意義を考えるほか、多くの模擬店を出店、祭りのムードを盛り上げることを決めた。 |
日立電鉄線を存続させる市民フォーラムは、同線の駅舎や沿線の様子など、「残したい風景」をテーマにした写真や絵画、エピソードなどの作品を募集している。 作品は写真部門は四つ切り〜全紙、絵画部門は4〜10号で水彩か油彩、エピソードは400〜800字。 さらに運行存続のアイデアも募集している。 締め切りは7月10日必着。 応募先は〒316-0024 日立市水木町2の23の20 泉が森公民館・水木学区市民運動推進会「残したい風景」係。問い合わせは同フォーラム рO294−36−5111 |
日立電鉄線存続問題で、日立市は17日、廃止に伴う代替バス運行に関して、常陸太田市−日立市間の直行便や病院経由路線の設定など、運行の基本的考えを明らかにした。同日開いた市議会総務委員協議会で、執行部が説明した。 日立市は具体的なバス運行の検討について日立電鉄バスを協議すると共に、常陸太田市に対しても協議に加わるよう呼び掛ける。 |
日立電鉄線の廃止問題で、常陸太田市は11日、存続の検討と同時並行で代替交通確保の議論も進める考えを明らかにした。市議会での質問に答えた。 鉄道廃止に伴い、渋滞が予想される国道293号バイパスの早期整備を国・券に要請する一方、代替バスのルートや運行ダイヤの検討も行う必要があるとの考えを示した。 |
日立電鉄線の廃止日繰り上げについて、石原国交省は0日、「公衆の利便を阻害する恐れがあり、不適切だと認められる」との判断を、日立電鉄に通知した。 日立電鉄は廃止予定日を来年の4月1日としている。先月24日、鉄道事業法に基づく国交省関東運輸局の意見聴取があった。 通知は「交通機関の確保などで、関係者間の調整に相当な時間を必要とする」と指摘している。 |
日立電鉄線の存廃問題で、県は八日、鉄道が来年三月末で廃止され、その後を路線バスで代替するとすれば、スケジュール的に存廃について九月ごろには一定の方向性を固める必要があるとの見通しを示した。 県議会総務企画委員会(田山東湖委員長)で福田敬士企画課長が細田武司氏(民主清新)の質問に答えた。 日立電鉄線をめぐっては、鉄道事業者の日立電鉄が既に国交省に来年三月末の廃止を届けている。日立市側は廃止を受け入れる方向なのに対し、常陸太田市側は公的支援による鉄道存続を求め、地元二市の足並みはそろっていない。県は両市が同一歩調を取るよう調整を続けている。 県によると、新規のバス路線を開設するためには国交省の許認可が必要で、申請から許認可までには通常三カ月程度を要する。さらに、日立電鉄廃止後の代替交通を担う意向を示しているバス会社側は新規路線の開設申請までには運行ルートや運行本数、運賃、車両・運転手の確保などの調整に約三カ月程度の準備を見込んでいる。このため、代替のバス路線を開設するまでには約六カ月程度の準備期間が必要、とみられている。 同日の総務企画委で、福田企画課長は「(鉄道が三月末で廃止になるとすれば)九月ごろには(路線バスの)代替交通の具体的な検討に入りたい」と述べ、九月ごろには関係者間で鉄道存廃に一定の方向性を固める必要があるとの見通しを示した。 県は、検討作業は鉄道の存廃論議と同時並行でも進められるが、バスの運行ルートや運行本数などの調整には県や常陸太田市などの関係機関の参加が避けられない事情がある。 |
日立電鉄線の廃止問題で、日立市のコミュニティ組織や常陸太田市の市民グループで組織する「日立電鉄線を存続させる市民フォーラム」は3日、日立電鉄の大株主、比阿智製作所に対して、電鉄線存続とともに新たな運行主体ができた場合の財政支援などを要望した。 以下省略 |
日立電鉄線の廃止問題で、日田市や常陸太田市の沿線住民でつくる「日立電鉄線を存続させる市民フォーラム(西村ミチ江)は2日、存続に前向きの姿勢ととっている常陸太田市の渡辺龍一市長と萩谷俊昭市議会議長を訪ね、市民を交えた協議の場の設置や、専門的な第三者機関による経営見通しの試算を行うよう要望した。 以下省略。 |
日立電鉄線の維持存続を求める高校生徒会連絡会(会長=渡辺博則・佐竹高生徒会長)の高校生5人と保護者らが1日、県庁に橋本知事を訪ね、電鉄線存続を強く訴えた。 知事との面談で、渡辺さんは「私たちの調査では系650人の高校生が利用しており、なくてはならない鉄道だ。高校生やお年寄り、交通弱者のために維持存続をお願いしたい」と訴えた。 これに対し、橋本知事は「残せるものなら残したいが、電鉄自身も厳しい状況にある。(日立と常陸太田の)地元2市が相当の決意を以て支援する、会社の将来展望が開けるというなら、件としても一生懸命取り組みたい。今はいい返事ができる状況にない」と述べるにとどまった。その上で「高校生民阿出乗ろうという運動になれば迫力が出てくる。今は日立市を動かすまでいっていないのでは」とも指摘した。 |
茨城県北部を走る私鉄ローカル線の日立電鉄線の存続を願う住民とふるさと線を守る東日本連絡会が5月30日、常陸太田市で交流しました。交流会には、「日立電鉄線を存続させる会」の会員や東日本連絡会のメンバーら41人が参加しました。 |
日立電鉄線(常北太田〜鮎川)の廃止問題で、国土交通省関東運輸局は24日、横浜市で、日立、常陸太田両市や県から意見を聴取した。廃止日の繰り上げを認める意見はなかったが、廃止に対する両市の姿勢の相違が改めて浮き彫りになった。 今回の聴聞を受け、石原国交相が廃止かどうかを判断した上で、約20日後に日立電鉄や県に通知するという。 05年4月1日の廃止日については日立市が「繰り上げ理由はない」、常陸太田市が「代替手段を確保しないとならず、十分な時間が必要」と反対で一致。県も繰り上げ反対を強く主張した。 しかし、鉄道廃止への姿勢は一致しなかった。日立市は「新たな沿線開発による利用者数の増加は困難。市の財政、安全運行のための費用対効果などを勘案し、困難と考えざるを得ない」と廃止を容認した。 常陸太田市は「通学や通勤、高齢者らの足として利用され、地域間交流や経済効果は大きい」と指摘。常北太田駅前の再開発計画が進んできたことを示し、「街づくりの観点でも必要不可欠。公的支援を行っても存続する必要があると考える」と述べ存続を求めた。 県はこれまでの「両市の意向が重要」という基本的な考えを変えなかったが、「廃止届提出は残念。1日4千人以上の人が利用し、廃止の影響は小さくない」との考えを示した。 廃止後の代替輸送手段については、責任を持って確保するとしている日立電鉄バスが、通学用登下校バスの新設や、ダイヤ見直しと新路線の導入などを表明。ただ、具体的には「これから検討」とするにとどまった。 一方、県は意見聴取で「廃止の意向表明から廃線届を出すまでの期間が大変短い」と述べた。県は3月に出した費用対効果の分析でも「他の事例では、事業者が廃止表明からおおむね1〜2年の協議調整で結論に至っている。今回は5カ月で判断を求められている特異なケース」としていた。 傍聴した「日立電鉄線を存続させる市民フォーラム」の西村ミチ江座長も「鉄道は一度なくしたら戻せない。もう少し結論をのばし、きちんと話し合うべきだ」と話していた。 日立電鉄は昨年10月下旬に経営状況の悪化などから廃止検討を表明。今年3月26日に廃止届を提出した。両市は当初、存続のための指導を県に求めたが、日立市は日立電鉄が公的支援を前提にしていないことなどから、廃止を認める姿勢に変わった。周辺住民は、学区住民の連合体などが存続を求めて活動している。 |
日立市と常陸太田市を結ぶローカル鉄道、日立電鉄線の来年四月一日廃止の届け出を受け、国土交通省関東運輸局は二十四日、市民への利便性確保を確認するため、県や日立市、常陸太田市、日立電鉄バスから意見聴取する。住民らの電鉄線存続運動が展開される中、国の“目”はバスという代替え交通に移る。一九二八年の運行から七十五年。電鉄線は止まるのか、それとも走り続けるのか−。 古びた赤い二両連結の電車は、時には住宅の間を縫うように、時には水の張った水田を割るように走る。時速五〇`がカーブになると四〇`、高架橋は二〇`と速度を落とし、急速な時代の流れに、おいてきぼりをくったかのように、のんびりと走る。 日立電鉄線は、まさに車社会に置き去りにされた。一九九三年度に三百八十八万七千人いた利用者は、二〇〇二年度は百七十七万人と半数以下に減った。特に、日立製作所や同関連企業のリストラもあり、通勤者は二百二十四万人から三分の一の六十五万七千人に激減。経営する日立電鉄(松場卓爾社長)の約六億円あった運賃収入は、十年間で45%減の三億二千六百万円に落ち込んだ。 累積損失は四億円を超え、今後の利用者減と設備投資増を比較、廃止を決めた。「(倒産しないで)よく続いていた。安全運行を維持するだけの経営状況ではない」。松場社長は苦渋の選択を語る。 だが、電鉄線の廃止検討を行政に通知したのは昨年十月中旬。今年一月下旬には二〇〇五年四月一日廃止を正式に発表した。利用者への十分な説明がなく、短期間での廃止に対し、沿線住民や高校生らが反発した。 いち早く存続活動を展開した大沼駅近くの大沼学区コミュニティ推進会の中井保行副会長は「電鉄線は貴重な足。交通弱者を切り捨てないでほしい」と訴え、署名活動や電鉄本社への存続要望書を提出。その後も高校生や地域単位で要望書が提出された。さらに日立市や常陸太田市に対しても支援を求めた。 両市は当初、歩調を合わせて存続を求めていたが、三月定例議会で樫村千秋日立市長は「公的支援は困難と判断」と明言。市議会も存続の意見書を否決した。常陸太田市は財政支援を検討し、市議会も存続意見書を全会一致で可決。対応は真二つに割れた。 「日立電鉄線を視野に入れた街づくりが、行政にも企業にもなかった」。関係者の一人は語った。車社会の到来で、公的施設や宅地開発は、鉄道よりも道路が主役になった。そのツケが電鉄線廃止という結果につながった。 二〇〇三年度、電鉄線利用者は百六十万人近くまで落ちた。樫村市長は「マイカー普及により、高速道路を含めた道路網が整備された。鉄道は車で無理な長い距離の移動手段。電鉄線のような距離では、利用者は減るばかり」と話す。 最近、電鉄線の廃止ムードが高まり、「思い出づくり」の乗客が増えてきた。思い出客を乗せながら、このまま停車してしまうのか。 |
日立電鉄線の存続運動を進めている県立太田二高PTA(石井芳一会長)と佐竹高PTA(小薗修会長)は22日、同線の特別列車「呑電号」を利用し、PTA主催の歓送迎会を開いた。異例の車中歓送迎会を企画したPTA役員らは、「今後も電鉄線を利用する機会を設け、子供たち小通学の足を守っていきたい」と、存続に向け利用運動を広めながら同線の良さもPRしていくことにしている。 (以下略) |
日立電鉄線の廃止に反対している「日立電鉄線を存続させる会」(五十嵐武夫、小野瀬文雄代表)は21日、橋本昌知事あてに、3127人分の署名を添えた支援要望書を提出した。 要望書は日立電鉄線を「通勤、通学者をはじめお年寄りの通院など、沿線住民の足」とし、県に対し、存続に必要な指導と支援を高じるよう求めている。 |
日立電鉄線の廃止問題で、地元住民らでつくる「日立電鉄線を存続させる市民フォーラム」(西村ミチ江座長)は20日、橋本昌知事を訪れ、同線の存続を要請した。 要望書で同会は、@県が沿線の日立、常陸太田の両市と日立電鉄、市民の間の調整を図るA24日に行われる国土交通省関東運輸局(横浜市)の意見聴取で、廃止反対と、利用者の意見聴取機会を設けるよう述べるB地元関係者の意見調整を図るよう同運輸局長に要請する−の3点を求めた。 橋本知事は、「電鉄線は残せるものなら残せるに越したことはない。意見聴取では、大変強いご意見があると伝えていきたい」などと話した。一方で、存続に対する見解が両市で分かれていることなどに懸念を示していた。 同会は来月にも、同線を運行する日立電鉄の親会社に当たる日立製作所に存続を要望する予定。 |
日立電鉄(日立市)の日立電鉄線廃止問題で、24日に国土交通省が県などを呼んで開く意見聴取で、県は廃止日の繰り上げに反対する。橋本昌知事が6日の会見で、代替交通手段の検討が不十分なことなどを挙げ、「はっきりと反対と言っていきたい」と語った。 県企画課によると、鉄道事業法では、国交相は関係地方公共団体や利害関係者の意見聴取の結果、「公衆の利便を阻害するおそれがない」と判断すれば、その旨を鉄道事業者に通知し、事業者は廃止の期日を繰り上げることができる。 一方、電鉄線の存続を目指す「大みか学区コミュニティ推進会」(山口勇会長)と「坂下地区市民運動をすすめる会」(住谷寛治会長)は同日、橋本知事に計9303人分の署名簿を提出した。 また、電鉄線廃止に反対する沿線の団体で作る「日立電鉄線を存続させる市民フォーラム」(西村ミチ江座長)のメンバーが同日、県企画課から日立電鉄線事業の費用対効果分析について説明を受けた。フォーラム事務局は「県の説明で、存続を阻害する要因はないことが分かった。県は存続に向け強力に動いてほしい」としている。 |
日立電鉄線の維持存続を求める高校生徒会連絡会(会長・渡辺博則佐竹高生徒会長)は27日、日立市幸町の日立製作所日立事業所を訪れ、日立製作所の庄山悦彦社長あての電鉄線存続要望書を提出した。 日立製作所は日立電鉄の50%以上の株を所有しており、同連絡会は「世界の日立の力とアイデアで、鉄道の未来を切り開いて下さい」と要望。同事業所は「電鉄の経営状況から判断すれば、鉄道の廃止はやむを得ない判断」と答えたが、要望社は本社に送付する予定。 |
日立電鉄線の存続を求めて、日立市の沿線住民らは25日、電鉄線に乗車して常陸太田市を訪ね、市内散策する「ちん電に乗ってエクササイズウオーキング」を実施した。 ウオーキングは日立市大沼学区コミュニティ推進会(大江日出雄会長)が主催、約100人が参加した。参加者は胸に「電鉄線存続」のバッジを着け、大沼駅から常北太田駅まで電鉄線に乗車。車窓から景色を楽しんだ。 太田駅前では同市の街作りに取り組む市民団体「まいづる塾」(塩原慶子代表)と合流。同塾会長らの案内で、福祉会館や山吹運動公園を見ながら西山公園まで約3`を1時間半、暖かな日差しの中を散策した。 東大沼町の高橋俊子さん(55)は「普段は大みか駅までしか乗らない。太田は車で来たことはあるが、電車に乗るのも楽しい」と話していた。 |
日立電鉄線の維持存続をもとめる高校生徒会連絡会(佐竹高校など5校で組織)主催の学習会が4月24日、常陸太田市中城町の市生涯学習センターでありました。参加者は会場いっぱいになり、電鉄線を守ろうという高校生と市民の熱い思いが結集しました。 【主な内容】 @ 山田稔茨城大学工学部助教授が「だれもが利用できる交通システム」をテーマに基調講演 A 常陸太田市のこれまでの取り組み(主な経過)と現状についての報告 常陸太田市総務部企画財政課長 B 意見交流 C ちん電守ろう会の今後の活動について ・日立電鉄本社への要求書l提出 … 高校生の利用者を増やすための提案 ・国土交通省への要請書提出 ・日立製作所への要請書提出 ・ちん電まつりについて … 8月8日(日)の予定 高校生の積極的な行動に、参加者の誰もが感心し、大人も頑張らねばと決意を新たにしていました。廃止届が出されてしまった現在、「日立電鉄線」を存続させるために、何をすべきかを行政も含めて、市民・団体が協力して、具体的に考えなければなりません。そのための枠組みを作ることが当面求められているのではないでしょうか。 |
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会場を埋め尽くした参加者 | 高校生が主役・受付の高校生 | 大人がたくさん参加 |
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会場からの発言 | 講演する山田氏 | 市民フォーラム作成のバッジ |
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切符を買う高齢者(常北太田) | 廃線を告げる掲示がある常北太田駅 | 廃線を告げる掲示 |
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部活帰りの高校生と電車 | 大甕駅前の垂れ幕 | 垂れ幕「ちん電を守ろう」 |
来年ん3月末に廃止となる日立電鉄線の存続を求めて、日立市の坂下地区市民運動をすすめる会(住谷寛治会長)と大みかコミュニティ推進会(山口勇会長)は21日、電鉄線を経営する日立電鉄に、署名を添えて存続要望書を提出、日立市には支援要望を行った。 坂下地区は6951人、大みかコミュニティは2352人の署名があり、日立市幸町の本shで、松場社長に要望書を手渡した。 松場社長は苦しい企業経営を報告。住民は公共交通機関としての責任などを追及したが、松場社長は「安全運行が困難」と答え、バス運行などの代替え案を説明した。 |
日立電鉄線を存続させる市民フォーラム(西村ミチ江座長)の街頭活動が7日朝、日立市のJR大甕駅前であった。同電鉄線沿線の市民団体で組織する同フォーラムから約80人が参加。乗降客にチラシなどを配って存続をアピールした。 午前7時半、同駅前のビルに「『ちん電』守ろう!」と書かれた長さ7メートル、幅90センチの懸垂幕を設置。JRや併設の電鉄線・大甕駅の乗降客に5種類、2500枚のチラシを配った。通学の高校生や通勤のサラリーマンが多く、「がんばって」の声も寄せられた。 西村座長が「沿線コミュニティが市民フォーラムを立ち上げた。この運動に参加していただき、電鉄線を存続させよう」とマイクで訴えた。常陸太田市の、電鉄線の維持存続をもとめる高校生徒会連絡会長の渡辺博則君が「運動の輪をひろげよう」と呼びかけた。 同フォーラムの活動は4日、日立市泉ケ森公民館で開催した「これからの連帯、連携への意見交換会」に次ぐ第2弾。25日には、電鉄線に乗って常陸太田市の西山荘へ行き、同高校生徒会連絡会などと意見交換。5月初旬に県を交えた学習会を予定している。 同フォーラム事務局の伊藤智毅さんは「国交省や日立、常陸太田の両市長、日立電鉄社長に対して、地元団体の意向を正式に伝えるための話し合いを求めたい」と話している。 |
日立電鉄線の存続運動を続けている日立市の大沼学区コミュニティ推進会(大江日出雄会長)が、同市東金沢町5丁目の東金沢公民館で、8回目のふれあいサクラまつりに合わせた催し「ちんでん春うらら」を開催している。11日まで。05年3月31日に廃止が予定されている日立電鉄線の存続を訴える運動の一環として企画した。ロビーには公共交通を考えるパネル展、桜が咲く中庭には、ベニヤでこしらえた電車が飾ってある。 会場では「ちんでん黄色い幸せリボン作戦」を展開中。小さな黄色いリボンを左肩につけてもらい、電鉄線の存続をアピールするねらい。大江会長は「何らかの働きを示さないといけないと始めた」と語る。 一方、電鉄沿線の水木学区市民運動推進会の6住民団体などは7日、電鉄線大甕駅と併用のJR大甕駅前で、日立電鉄線を存続させる市民フォーラムを開く。駅前ビルに懸垂幕を設置するほか、チラシを配って存続を訴える。 |
来年三月末で廃止決定した日立電鉄線を存続させようと、沿線コミュニティや市民団体などの市民フォーラムが四日、日立市水木町の泉が森公民館で開かれ、各団体や市議などが連携を深め、存続のための活動や学習会実施などを確認した。 同フォーラムには同市の大沼、水木、大みか、塙山の各コミュニティ会長や市民団体代表、高校生徒会連絡会の関係者に加え、宮田欣三常陸太田市議、同市選出の武藤均県議ら約二十人が出席。これまでの取り組みや今後の活動を報告した。 この中で、「常陸太田の駅前開発計画策定に日立電鉄も委員になっているが、廃止の発言などはなく廃止は唐突」「日立市議会は存続意見書を否決したが、否決した議員の中に賛成の議員もいる」などの報告があった。 経営する企業への批判も出たが、「路線をいかに存続させるかが重要で、市民や行政はどうするかを考えるべきだ」との意見があり、「設備を行政で持ち、運行を企業にお願いする」といった“上下分離方式”も提案された。 今後の取り組みとしては、七日午前七時半から大みか駅前で存続に向けたアピールをするほか、日立と常陸太田の両市民が電鉄線に乗り交流したり、自転車を電車に持ち込んで、互いの街を散策するなどの案が出た。 |
日立電鉄線(常北太田〜鮎川駅)の存廃問題で、橋本昌知事は2日の定例記者会見で、日立電鉄と日立市と常陸太田市、県が話し合っていく必要があるという認識を示した。県はこれまで、「地元の意向を見守る」とするにとどまっていた。 県は実務者レベルでの協議には参加しているが、存廃の方向性の協議には参加していない。1日には常陸太田市の渡辺龍一市長が、地元と日立電鉄に県も含めた協議会を立ち上げる方針を明かしており、橋本知事も「(県も含めて)じかに話しあう必要がある」と述べて、協議の場をつくる方針を明らかにした。 県は、日立電鉄が見込む08年までの設備投資や修繕費について、可能な先延ばしなどを含めて試算した結果、毎年7千万〜8千万円に抑制できるとした。しかし、試算について日立電鉄と協議はしておらず、橋本知事は県が日立電鉄と話し合う必要性も指摘した。 一方、県の支援に関しては「両市がお金を出し、会社も効率化して維持していこうということになれば、県はある程度やっていかないといけない」と述べ、地元と日立電鉄が存続で合意すれば財政的に支援する考えを示した。 |
常陸太田市の渡辺龍一市長は1日の定例記者会見で、「県、両市、日立電鉄、住民が話し合う四者協議会のような場が必要」との認識を明らかにした。設置時期はなるべく早い時期が望ましい」と述べ、県と調整の上、同市側から日立市に近く設置を働きかける意向も示した。 渡辺市長は公的支援を視野に存続を目指す同市と、廃止もやむを得ないとする日立市の間に立場の違いがあるのを認めた上で、「行政の足並みをそろえることが存続の前提」との認識を示した。 協議会は、県と同市がすでに設置している実務者レベルの同電鉄線廃止問題対策実務者会議などとは別に、新たに設置。電鉄側と県の試算で隔たりがある収支見通し、安全運行のための近代化設備投資・修繕額、公的支援規模などについて、「専門家を交え精査する必要がある」としている。 渡辺市長は協議会の性格について、日立市側に配慮して「存続協議会という形ではないかもしれない」と述べ、四者が共通のテーブルにつくことを最優先。5月末ごろに予想される国の意見聴取までに、大開策を見いだす狙いがあるとみられる。 |
来年三月末での日立電鉄線廃止を受けて、日立市の沿線地区住民らの存続に向けた動きが活発化してきた。ネットワーク構築を目指して、各地区の代表者らによる意見交換や大みか駅前でのビラまきに加え、電鉄線を利用して常陸太田市を訪れ、散策しながら存続を呼び掛ける活動などを計画している。 沿線コミュニティ会長らは先月三十一日、同市水木町の泉が森公民館に集まり、今後の活動計画を協議。四日には沿線のコミュニティ関係者や高校生徒会連絡会などと意見交換を行い、横の連携をとりながら、活動を強化する。 高校の入学式が行われる七日は、午前七時半から一時間、生徒や保護者に対してビラをまき、存続をアピール。二十五日は大沼駅から常北太田駅まで電鉄線に乗車。常陸太田市山吹運動公園を中心に散策しながら、常陸太田市の住民などに存続を呼び掛ける。 東金沢公民館では先月三十一日、電鉄線存続に向けた「公共交通を考えるパネル展」がスタート。電鉄線廃止検討から国への廃止届提出まで約半年間の新聞記事切り抜きを中心に、利用状況や老朽化した設備などを分かりやすく展示している。 |
日立電鉄(本社日立市、松場卓爾社長)が鉄道事業の廃止届出書を国に提出してから一夜明けた二十七日、同電鉄線の各駅には、これまでの経緯と来春に廃止予定であることへの理解を求めるビラが張られた。 ビラには「鉄道事業の基本的使命である安全運行を維持していくことが困難」と書かれ、利用者に廃止への理解を求めた。 常北太田駅では、学校が春休みということもあり、利用者はまばら。知人宅を訪ねた日立市の主婦(67)は「車を運転できない人にとっては深刻な問題。来年からどうすれば…」と表情を曇らせた。 電鉄関係者は「利用者には申し訳ない気持ちでいっぱい。私たちも廃止後はどうなってしまうのか不安です」と複雑な心境を吐露した。 |
日立電鉄が廃止届 来年4月、廃線に 2004年3月28日・茨城新聞 |
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日立電鉄は26日、国土高越大臣に対して鉄道事業の廃止届出書を提出した。廃止予定路線は常陸太田市・常北太田駅−日立市・鮎川駅まで18.1`の日立電鉄線で、廃止予定日は2005年4月1日。廃止について、日立市は代替え交通、常陸太田市は維持継続への再考要望と、両市の市政はまったく異なるが、共にこれまで電鉄線を見据えた町づくりを真剣に考えなかったツケが回った格好だ。廃止されれば、県内では1987年の筑波鉄道(土浦−岩瀬)以来となる。 |
日立電鉄は23日、臨時株主総会を開き、日立電鉄線の来年3月末廃止、国土交通省への廃止届け出書提出を報告した。 株主総会は本社会議室で開き、22人の株主が出席。松場社長が経営状況を説明しながら、鉄道事業廃止を報告した。総会後の会見で小野勝久常務は「強い存続要望はなかた」と話し、2月18日の取締役会で決定した通り、今月末までに国土交通省に廃止届出書を提出する。 株主総会前、本社前には電鉄線の存続を要望する高校生徒会連絡会の生徒12人、大沼学区コミュニティ推進会のメンバー4人が株主や通行人に対して、プラカードを掲げながら「電鉄線廃止反対」「ちん電を守ろう」と訴えていた。 |
日立市議会h23日、国や県に対する「日立電鉄線存続の指導および支援対策の意見書」を賛成少数で否決した。常陸太田市議会は既に同様の意見書を前会一致で可決、電鉄線への取り組みは両市議会で分かれた。 意見書は「交通弱者への対応や環境にやさしい公共交通の面から、日立電鉄線の存続は必要不可欠。国、県は存続のための必要な指導、支援対策を講ずるよう要望する」として、石井仁志氏(未来クラブ)が4人の賛成者を得て提出した。しかし、本会議で32人のうち賛成者は未来クラブ4人、共産2人だけで、否決された。 常陸太田市議会は19日、超党派議員の前会一致で同様の意見書を可決。両市議会の足並みは乱れ、今後の両市の取り組みが注目される。 |
日立市と常陸太田市を結ぶ日立電鉄線の廃止問題で、沿線の高校生徒会代表と県、両市との存続に向けた懇談会が二十三日、常陸太田市役所で開かれた。高校生が通学の不便など鉄道廃止が地域全体に及ぼす影響を訴え、存続への支援を強く求めたのに対し、行政側は「訴えを真摯(しんし)に受け止める」(県)と理解を示したが、公的支援をめぐる両市のスタンスの違いも浮き彫りになった。高校生側は八月、電鉄線を応援する「ちん電まつり」を開き、高校生や沿線住民に存続への支援を呼び掛ける。 懇談会は、県立佐竹、太田二、里美、日立商、日立工の五校生徒会で組織する「日立電鉄線の維持存続をもとめる高校生徒会連絡会」(会長・渡辺博則佐竹高生徒会長)の要請で開かれた。 五校から十七人の高校生と、室町正男県企画部副参事、沼田久雪常陸太田市総務部次長、鈴木透日立市政策企画課長補佐ら行政側六人が出席。 高校生たちは「バス通学になると渋滞で遅刻する」「部活で練習試合に行けない」「進学の選択幅が狭まる」など、廃止に伴う通学の不便や交通弱者へのしわ寄せ、交通渋滞や二酸化炭素排出の増加など環境への影響を口々に訴えた。 行政側は「通勤通学の足確保は行政の課題。年間百七十万人が利用する電鉄線の役割は大きく、将来に悔いを残さないように検討する」(常陸太田市)と理解を示す一方、「事業者側に鉄道を存続する意思がない現状では、第三セクターで存続するのも簡単でない」(日立市)と厳しい見通しを明らかにした。 室町副参事は「鉄道を維持するには利用策を地域で考えなければならない」と沿線住民の協力を要請。他地域の事例を紹介しながら「鉄道廃止は交通アクセスが不便になり、地域のイメージダウン」と述べた。 公的支援については、常陸太田市が「財政的許容範囲の中で検討している。地方鉄道のメリットを認め国、県の支援も希望する」と前向きだったのに対し、日立市は「どこまで税金投入できるか難しい。代替バスへの転換を検討している」と消極姿勢にとどまった。 同電鉄は月内に国に廃止届を提出する予定で、鉄道事業法に基づく国の地方公共団体への意見聴取までに、県と両市間の調整が進むかどうかが焦点になる。 |
日立電鉄線の廃止問題で、県立太田一高と太田二高、佐竹高、里美高の四校PTAと、日立商業高を加えた同窓会が二十二日、日立、常陸太田両市役所を訪れ、同線存続のための要望書を樫村千秋日立市長と渡辺龍一常陸太田市長に連名で提出した。 PTAの要望書は、市町村合併が実を結ぼうとしている現在、「高校生など交通弱者の利便性、安全性、廃止後の交通混雑などを勘案すると、同線を存続させることが後代に悔いを残さない決断」だとして、両市に維持存続へ最善の努力と利便性確保を要請した。 同窓会の要望書は「一日四千人を超す利用者の二割が高校生であり、廃線は高校進学を目指す後輩の選択肢や教育活動を大きく制限する」として、県とともに鉄道事業者への支援を要請した。 藤馨太田一高PTA会長、富岡輝夫佐竹高同窓会書記など代表五人から要望書を受け取った渡辺市長は「存続を望む各団体が連携する協議会のような場が必要。県などと許容できる範囲の支援を考えたい」と述べた。 |
来年三月末での廃線が予定されている日立電鉄線問題で、存続を考える市民フォーラムが二十一日、日立市水木町の泉ケ森公民館で開かれた。パネルディスカッションでは利用者や高校生、市役所の担当者らが意見交換。公的資金導入や利用者促進策など、存続に向けた意見が相次いだ。 フォーラムはひたち未来研究会や手づくりのまち情報局、仲間の会などの市民団体が主催。電鉄線の沿線住民など約百五十人が参加した。 交通評論家の宇都宮浄人さんが「地方鉄道ルネッサンス」をテーマに基調講演。電鉄線を経営する日立電鉄の小野勝久常務が、厳しい経営状況を説明した後、茨城大地域総合研究所の斉藤義則所長をコーディネーターに、パネルディスカッションに入った。 日立市政策審議室の豊田泰二政策企画課長が、昨年秋の廃線検討の通知を受けた後の行政対応を報告。「廃線を甘受する気持ちはないが、現実的手段も考えざるを得ない」と難しい立場での意見を述べた。 車の免許を持たない石名坂町の黒沢秀子さんは「企業の問題でなく地域の問題として考え、意識改革をしなければならない。電鉄線に乗る運動を」と呼び掛けた。市公共交通の在り方を考える会委員の西村ミチ江さんは「鮎川駅(電鉄線終着)から市役所、病院に行くバス運行などで、利用増を図れないか」と促進策を語った。 存続を求める高校生徒会連絡会長の渡辺博則さんは、これまでの署名活動などを説明しながら「電車に関する祭りを考えている」と今後の活動報告。会場からも「廃線は唐突すぎる」などの意見が多く出た。 |
県が作成した資料が欲しい方はメールを下さい。コピーを送ります。 なかなかよい資料です。存続の必要性を訴える内容になっています。行政が作った資料としては異例なほど、廃線の問題点(存続の必要性)を指摘しています。 |
日立電鉄線の存廃問題で、鉄道が廃線となり、利用客が代替のバスやマイカーに乗り換えるようになると、地域全体では、鉄道が存続した場合に比べ廃止一年目だけで年間約十六億円の損失−。鉄道存廃の費用対効果を県が金額換算で試算したところ、こんな数字が浮かび上がった。利用客の所要時間ロスや、車への代替に伴う交通渋滞などの負担増が目立つ。日立電鉄線は公費を投入してでも、存続させた方が地域全体のコスト負担としては割安になるとの結果になった。 試算結果について、県は地元の日立、常陸太田両市に存廃問題の検討材料として提供した。 日立電鉄線の年間利用客約百七十七万人の内訳は通勤客約六十五万七千人、通学客約四十六万八千人、定期外客約六十四万六千人(二〇〇二年度実績)。県はこれに基づき、鉄道が存続した場合と、鉄道が廃止された場合で@利用客すべてがバス利用へ転換したケースA通勤客のみはマイカー、通学客ら残りがバス利用へ転換したケース−を想定し、試算した。 その結果、鉄道利用客すべてがバス利用に転換した場合、移動時間の増大は利用者全体で転換一年目で約六億円分の損失に相当。運賃面でも約四千万円の負担増と分かった。また通勤客がマイカーに切り替えた場合、周辺の国道6号や国道295号などの交通渋滞が深刻化、ピーク時にはほとんど車が動かなくなる可能性があることも判明した。 利用客、地域社会、事業者の各コストを合わせた地域全体のコスト負担と鉄道、バスの各設備投資額を勘案すると、鉄道廃止に伴う社会コストの損失は廃止一年目で最大約十六億円、三十年分で約百五十七億円に達する、との結果が出た。 |
日立電鉄線の廃止問題で、常陸太田市議会は十九日、「日立電鉄線の存続に関する意見書」を全会一致で可決した。石原伸晃国土交通相と橋本昌知事に、存続に向けた協議の場の設置や存続のため必要な指導・支援対策を講じるよう要望している。 意見書は宮田欣三氏(自民)が超党派議員十九人の賛成で提出。「通勤通学、住民の足として果たす役割は大きく、合併後の地域経済、教育、文化の活性化を図る上でも必要不可欠な交通機関」と訴えている。また日本共産党北部地区委員会(福田明委員長)は同日、渡辺龍一常陸太田市長に存続の要望書を提出した。 |
日立電鉄線廃止問題 市民フォーラム 3月21日(日)に開催 |
時間: 午後2時〜4時半 場所: 日立市立泉ヶ森公民館 主催: ひたち未来研究会、未来クラブ、てづくりのまち情報局、仲間の会 後援: 茨城大学地域総合研究所 主な内容: 基調講演((宇都宮浄人「地方鉄道ルネッサンス」) 敗戦問題の経過報告と状況説明(日立電鉄の担当者) パネルディスカッション(6人、かしてつ応援団からも) |
詳しくはこちらのページをご覧下さい |
こんなに乗客が多いのに廃線していいんだろうか 2004年2月21日の日立電鉄 |
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乗客はけっこう多い。生活の足として地域になじんでいる。しかし、会社は廃線の準備に入っているかのように、3月13日から大幅は減便を実施する。どの電車も塗装が色あせている。窓も汚れが目立つ。 事業者が意欲的に取り組めば、存続の可能性は大きいと感じた。 |
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ちん電守ろう会のポスターが駅に | 3月13日から減便というお知らせ | 「呑電」は4月9日まで |
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乗客は多い(常北太田駅) | 駅員さんは親切(常北太田駅) | 車内もけっこう混んでいる |
県立太田一高同窓会(関宗長会長)は11日、日立市や常陸太田市、同市議会、日立電鉄に対し、存続を求める要望書を提出した。 要望書は、電鉄線の利用者が年間177万人に上り、「通勤通学、住民の生活の足として、地域経済、教育文化の活性化を図る上から必要不可欠な公共交通機関。少子高齢化の進展に伴い、高齢者などの生活を担う生命線」だとして、電鉄線存続と鉄道事業者への支援を要請した。 要望書を提出したのは会長の関県議、副会長の宮田欣三常陸太田市議ら4人。関会長は「公共交通機関として唐突に廃止はできない。同窓生2万6千人や高校生のためにも存続を検討してほしい」ち述べた。 |
日立電鉄線の廃止問題で、会社側が廃線の理由として発表した向こう五年間の収支見通しに基づき、県が独自に試算し直した結果、毎年の赤字幅は会社側の示した約1億4千万〜約二億8千万円に対し半分以下の約7、8千万円程度に抑えられる公算があることが11日明らかになった。同日の県議会・総務企画委員会で、塩見英之企画課長が武藤均氏(自民)の質問に対し明らかにした。 この問題では、地元の日立市が既に日立電鉄に対する存続に向けた経営支援を断念する意向を表明しているが、今回の県の試算結果によれば、存続による赤字幅がこれまで見込まれた額より大幅縮小する公算があることから、赤字補てんの公的支援論議が活発化する可能性も出てきた。試算結果について、塩見課長は「地元市側へ検討の材料として伝える」とも答弁した。 県によると、試算は会社側が提示した2004〜08年度の投資修繕計画の内容を精査。会社試算にあった冷房化のための変電所新設計画、車体変更計画を先送りし、枕木のコンクリート化や変電所改良投資の平準化など経費を見直した上、一部補助金の充当を見込んだ。その結果、毎年度7千万〜8千万円の公的支援があれば、鉄道を存続しても、資金収支はおおむね均衡する可能性が出てきた。 また、質疑の中で塩見課長は、廃線の影響で沿線道路の交通混雑度合いが2倍以上に激化するとの試算結果についても明らかにした。また、廃線後、沿線に代替バスを運行した場合、現在の鉄道乗客の全員あるいは2分の1がバスにそっくり乗り換えても、バス事業の収支は数千万円単位の赤字になる見通しという。
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日立電鉄線の廃止問題について、常陸太田市の小田部勉総務部長は10日、市議会一般質問で「日立電鉄の取締役会で廃止が決定された。状況は厳しいが、引き続き存続に向け協議を続けたい」と答弁した。 さらに「代替交通については、最終的に存続が不可能になった場合に検討したい」と述べた。 日立市の樫村千秋市長は8日の市議会代表質問で、「当面の財政支援だけでは、潜在する危険リスクを到底解消しえない」と。廃止を受け入れる方針を明らかにしている。 |
日立電鉄線の廃止問題で、樫村市長は8日、開会中の市議会で「公的支援は困難と判断せざるを得ない厳しい状況であると認識している」などと述べ、鉄道存続をあきらめ、路線バスなどの代替交通を検討する考えを明らかにした。佐藤三夫氏(市政クラブ)の代表質問に答えた。 同問題は日立電鉄、日立市、常陸太田市などの関係者による実務者会議を開き、行政支援による存続の可能性を検討してきた。2月27日には国や県など行政だけで、第三セクターなどによる存続の可能性を探った。 だが、昨年12月に改正された総務省の「第三セクターに関する指針」で、単なる赤字補てんを目的とした公的支援は行うべきでないとの方針が示されており、当面の財政支援だけでは潜在するリスクを解消し得ないと判断した。 2月24日に日立、常陸太田両市の連名で1年間の廃止時期延期などを要望した結果、今月1日、日立電鉄は「来年3月31日が企業として鉄道を維持する限界」と回答。このため今後のスケジュールを勘案すると、現実的に代替交通の検討を始めざるを得ないとし、樫村市長は「利用者の足を守る客観的で冷静な対応が必要」と答えた。 |
来年ん3月末に日立電鉄線の廃止を決めた日立電鉄に対し、日立市水木学区市民運動推進会(背や俊一会長)は8日、約4400人の署名を添え、存続を求める陳情書を提出した。 陳情書によると、水木学区には水木駅があり、通勤・通学者には打撃で、お年寄りなどの通院や買い物など日常生活に大きな支障を来し死活問題とし、@存続の再検討A公的支援を県、市に要望B地域住民や利用者に十分な説明責任を果たす−を求めている。 同社の経営状況、鉄道状況の説明を受けた後、同学区推進会は「民間企業でも公共性がある。行政の力を借りて再生するのも使命」と公的資金による存続を求めていた。 |
日立電鉄が廃止を決めた問題で、平山恒夫・県企画部長は4日、地元2市の判断と会社の意向を踏まえて対応していく考えを明らかにした。同日の県議会一般質問に答えたもの。 答弁の中で、平山部長は鉄道がバスやマイカーに比べて定時生確保と大量輸送に優れている点を強調。廃止になれば、高校生やお年寄りの移動が困難になるだけでなく、地域全体にも大きな影響を及ぼすとの見通しをのべ、鉄道利用者が自動車交通に転換すれば交通渋滞と環境問題が深刻化するとした。 そのうえで同部長は「現段階では地域をあげての議論や市民意向の把握が必ずしも十分ではない」という認識を示すとともに、「地元市が支援と利用促進策を決めた場合には、会社の意向も踏まえつつ対応を検討していく」と答えた。 |
県立佐竹高、太田二高、里美高の生徒会で組織した「日立電鉄線の維持存続をもとめる高校生徒会連絡会」(会長・渡辺博則佐竹高生徒会長)は1日、日立電鉄線を経営する日立市幸町の日立電鉄(松場卓爾社長)を訪れ、2万5千431人の署名簿を提出、廃線の再検討や公的支援を求めるよう要望した。 要望は各校を代表する15人が1人1人、「廃線にしないでください」「電鉄線がないと、通えない友達がいます」と訴えながら、小野勝久常務に署名簿を手渡した。受け取った小野常務は「気持ちは重く受け止めている。だが、民間企業として限界」と述べ、スライドを使って、経営状況を説明した。 その後、生徒は「期間限定で運賃を安くして、利用者を増やせば」「日立製作所の社員はマイカーでなく電鉄線利用の制度化を」「行政に対して、資金援助の要請」などを提案。渡辺会長は「赤字の状況は分かったが、それなら行政に公的資金を要望すればいい」と話した。 電鉄本社での要望後、同連絡会は日立市役所を訪れ、「高校生尾声を聞いてほしい」と、下旬にも行政との懇談会設置を要請した。 |
高校生の手作りで大成功 日立電鉄の維持存続を求めるフォーラム 2004年2月21日 200人が参加して、存続への熱気がみなぎりました。高校生がこの2ヶ月hどの短期間に会社や県に要請に行き、署名を集め、利用者に取材したビデオをつくり…。出来ることは何でもやったという感じで、高校生の存続を求めるがんばりが、フォーラムを感動的なものにしたと思います。フォーラムの準備・運営も高校生が主役となって立派にこなし、内容もよく練られたものになっていました。 「かしてつ応援団」も小川高校生徒会から4人が参加し、前生徒会長の鬼沢くんが鹿島鉄道存続の取り組みを紹介しながら、「精一杯がんばってほしい」とちん電守る会(日立電鉄の維持存続を求める高校生徒会連絡会)にエールを送りました。 会社が鉄道事業の廃止を機関決定してしまったので、今後の見通しはかなり厳しいものになっています。別会社化するか、他の会社に鉄道事業を譲渡するか、第三セクターを設立して引き継ぐかの3つが選択肢となるでしょう。それにしても時間があと1年しかないので厳しいと思います。地域住民が高校生の運動を受けて、自治体を動かし、鉄道事業の受け皿をつくるしかないように思います。さいわい、茨城県の企画課長がフォーラムに参加するなど、行政も何らかの関与を考えているようですから、見通しはあるのではないでしょうか。 |
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「ちん電と郡線あっての常陸太田 です」とステージに |
電車の車内で乗客にインタビュー したビデオを紹介 |
高校生も大人もたくさん(約200人) 参加しました |
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かしてつ応援団(鹿島鉄道沿線 中高生連絡会)も激励 |
会場には存続への熱気がみなぎ った |
寸劇もありました (佐竹高校生徒会) |
日立電鉄線 存続へ高校生決起 太田二、里美、佐竹の生徒会 フォーラムで訴え 2004年2月22日・茨城新聞 |
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日立市と常陸太田市を結ぶ日立電鉄線の廃止問題で、県立太田二高、里美高、佐竹高の三校生徒会で組織する「日立電鉄線の維持存続をもとめる高校生徒会連絡会」(会長・渡辺博則佐竹高生徒会長)は二十一日、「日立電鉄線の維持存続を考えるフォーラム」を常陸太田市民交流センター多目的ホールで開いた。 フォーラムには高校生や保護者、県と両市の行政関係者、一般市民など約二百人が参加。第一部「利用者は訴える」、第二部「わたしたちができること」の二部構成で、存続に向け活発に意見交換。これまでに八千人の署名が集まったことも発表された。 会長の佐竹高二年、渡辺さん(17)は「突然の廃線決定に驚きと怒りを感じる。高校生だけでなく後輩やお年寄りはどうすればいいのか。太田の街に欠かせない電鉄線なのに、なぜ廃線の結論を急ぐのか」とあいさつ。電鉄側の廃止発表後も「国土交通省への届け出はこれから。正式に決まったわけではない」として、運動継続を呼び掛けた。 また、太田二高二年の吉田美香さん、里美高二年の立柳宏明さん、佐竹高二年のロ島友里恵さん、太田一高二年の高橋泉さんが「思い出の詰まった電鉄線にピリオドを打たないで」「電鉄線は地域の懸け橋。廃止の再検討を」と訴えた。 保護者や会場の出席者からは「廃止になればマイカー通勤が増え、交通渋滞や公害が心配」「子供の進路選択の幅が狭まる」「鹿島鉄道のような公的支援を」などの反対意見が相次いだ。 第二部では、日立市で存続運動を進める大沼学区コミュニティ推進会、鹿島鉄道の存続に貢献し日本鉄道賞特別賞を受賞した「かしてつ応援団」の中心となった県立小川高の前生徒会長、鬼沢祐希さん(18)らがそれぞれの活動を紹介。電鉄線存続に取り組む高校生を激励し |
日立電鉄線 廃止を機関決定 来月末、国交省に届け出 2004年2月19日・茨城新聞 |
日立電鉄は18日、定例取締役会を開き、日立市と常陸太田市を結ぶローカル鉄道「日立電鉄線」を2005年3月31日を最後に運行を停止、鉄道事業からの撤退を決定した。3月23日に臨時株主荘顔を開き株主に報告、道31日までに国土交通省に届け出る。 取締役会後、会見した松場社長は「当社の経営状況、鉄道事業の状況から、廃止を機関決定した。十分検討したが、安全運行は継続的に困難で、苦渋の選択」と語った。電鉄線を利用する通勤・通学者については「代替交通の話し合いを日立市や常陸太田市と続ける」とし、交通手段は確保する意向を示した。、 |
日立電鉄線存続へ要望書 日立市大沼学区コミュニティ推進会 7400人の署名添え 2004年2月14日・茨城新聞 |
◇13日に、日立市大沼学区コミュニティ推進会が日立電鉄と日立市役所に7475名の署名を添えて、電鉄線存続の要望書を提出。 ◇要望書は、@国や県、市などとの連携で鉄道部門存続に向けて真剣な取り組みを行うA地域住民や利用者に対して説明責任を十分に果たし、積極的な情報公開に努める三万一の廃止にあたっては、代替の公共交通機関の確保を責任を持って行うーとしている。 ◇松場社長は「趣旨は理解した」と話した後、会社の売り上げ、赤字状況などを説明。「苦渋の選択だった。交通弱者への対応は企業だけではもたない。行政でも考えなければならない」と民間企業の限界を述べ、理解を求めた。 |
街頭署名で存続訴え 佐竹・太田二高の15人 2004年2月11日 茨城新聞 |
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署名活動には、佐竹高と太田二高の生徒会役員や生徒十五人が参加。同連絡会の略称「ちん電守ろう会」のゼッケンを胸に、通勤通学の乗降客が増える午前七時半から同八時十分ごろまで、「署名をお願いします」と呼び掛け、乗降客が次々と署名に応じていた。 日立市内の会社へ出勤する中年サラリーマンは「バスは最終便が早く帰りの足が不便。やはり電車のほうがよい」、常陸太田市岡田町から来た女性は「電鉄線をよく利用するので廃止は困る。頑張って」と、高校生を激励していた。 渡辺会長は「ほとんどの人が署名に応じてくれた。電鉄線を必要と考える人が多く、心強い」と手応えを感じた様子。 同連絡会は、十三日も市内のスーパーで街頭署名活動を行うほか、高校生らの意見を同電鉄や行政関係者に聞いてもらうため、二十一日午前十時から同市民交流センターパルティホールで「維持存続を考えるフォーラム」も開く。 |
日立電鉄線 高校生「存続を」 日立市・県などに要請書 2004年2月10日 朝日新聞 |
*常陸太田市の佐竹高校など地元の高校の生徒会が組織する「日立電鉄線の維持存続をもとめる高校生徒 会連絡会」(略称・ちん電守ろう会)は9日、日立市と常陸太田市、県に存続のための「要請書」を提出した。 *高校生は「電鉄線の維持存続を図るための対策会議の設置と公的支援策」を求めている。 *日立市の根本助役は「存続が無理であれば、足の確保を何とかしたい」「(経営が)これほど苦しいとは思っ ていなかった。行政が抱えられる金額じゃない」と述べた。 *県の企画部次長は「交通手段を持たない高校生の声は廃線問題を考える上で重要」として、今後、日立電鉄について両市との間で設置している研究会で議論していくとした。 |
日立電鉄線 存続求め高校生結集 沿線の生徒会連絡会結成 署名や集会計画 2004年2月1日 茨城新聞 |
来年3月末に廃線の見通しとなった「日立電鉄線」(鮎川−常北太田駅、18.1q)の存続を求め、電鉄線を通学に利用する沿線の高校生らが31日、「日立電鉄線の維持存続をもとめる高校生徒会連絡会(略帳・ちん電守ろう会)」(会長・渡辺博則佐竹高生徒会長)を結成した。連絡会は月内に5000人を目標に署名活動を行い、3月早々、日立電鉄(本社日立市、松場卓爾社長)に陳情書を提出するとともに、県や日立、常陸太田両市に公的支援を要請する。 常陸太田市稲木町の県立佐竹高で開かれた結成総会には佐竹、太田二、里美、日立工、日立商の県立高5校の生徒会役員や顧問教諭ら計22人が出席。議長を務めた佐竹高生徒会が同連絡会結成を提案し、採択された。 総会に出席できない生徒会もあったため、当面は佐竹、太田二、里美の3校で連絡会を発足。署名活動に参加を表明している県立高6校、私立高2校にも参加を要請することにしている。 同連絡会は事務局を佐竹高に置き、具体的取り組みとして沿線の高校や出身中学、街頭で署名活動を実施。3月1日に署名簿を添え、日立電鉄に存続を求める陳情書を提出する。 2月21日に常陸太田市生涯学習センターで高校生の声を聞くフォーラムも開催予定。 渡辺会長は「廃止になれば友人も地域の困る。全力で活動したい」、太田二高生徒会の鈴木友子会長も「全員参加で目標以上の署名を集めたい」と話した。 |
交通弱者切り捨てないで 日立電鉄線存続求め署名 大沼学区コミュニティ 7000人目標、市や県に要望へ 2004年1月31日 茨城新聞 |
(要旨) 存続を求める署名活動が30日、日立電鉄大沼駅前で行われた。大沼学区コミュニティ推進会が実施。署名数は約7000人を目標にしている。中井保行副会長は「この地域はバス停までも遠く、電鉄線は貴重な足。交通弱者を切り捨てないで欲しい」と。 2月初旬にも日立電鉄や日立市、県に署名簿をそえ、「日立電鉄の鉄道部門の存続と公共交通機関の確保を求める」要望書を提出する。 樫村日立市長が会見 存続を求める考え 市長は定例会見で「まだ、納得していない。もう一度協議しながら、存続を要望したい」と述べた。ただ、維持存続の設備投資は「行政で抱えるだけの投資に耐えられない」と財政負担は困難であることを示唆。 |
日立電鉄線 05年廃止 社長会見 3月、国に届け出 廃線後、通学バス検討 2004年1月28日・朝日新聞 |
(要旨) 日立電鉄の社長が27日に記者会見し、05年3月で廃線することを決め、3月下旬に国土交通省に届け出ることを明らかにした。安全運行を継続するのは困難と判断したという。廃線後は、通学バスを走らせることを検討したいと述べた。 主力事業のバス、鉄道、タクシーなどグループ全体の売上高は、02年度が10年前の93年度に比べて58%まで落ち込んだ。過去10年間累積赤字は約53億円。 鉄道事業では、利用者が93年度の46%になり、売上高も58%に落ち込んだ。累積赤字は4億円になった。開業75年を経過し、設備の老朽化が進んでいる。 同社は今月16日、県、日立市、常陸太田市、関東運輸局からなる実務者会議を開き、廃線に至る経過などを説明した。 今後は、2月中旬の取締役会で廃線を議決。3月下旬に臨時株主総会で報告する。、 |
会社は来年(2004年)3月に、廃線届を出すかも 存続運動は今すぐに! 日立電鉄の存続問題は、会社が2005年3月末での廃線を表明したことから始まっています。鹿島鉄道は会社が公的支援を要請し、茨城県と沿線自治体がそれにこたえて、協議会をつくって検討した結果、存続運動もあり、5年間の公的支援を決定し廃線を回避しました。 日立電鉄の廃線問題では、まず会社側に廃線届を出さないように働きかける必要があります。会社側が廃線届を思い止まって、地元自治体などと協議することに同意しなければ、公的支援の検討もできません。沿線では存続運動の動きもあると聞きます。2004年3月にも廃線届を出す状況ですから、すぐに会社側に存続を求める運動をしなければ間に合わなくなります。 日立電鉄の存続問題に関心のある方は、「鹿島鉄道を守る会」に連絡して下さい。 |
日立電鉄に存続要望書 きょう提出 823人の生徒利用 県北高校PTA連絡協・校長会 2003年12月9日 茨城新聞より 県北地区高校PTA連絡協議会(藤馨会長)と県高校長協会県北地区校長会(仲田昭一会長)は9日、日立電鉄に対して、存続を求める要望書を提出する。 要望書では「高校生の通学手段として極めて重要で、絶対に欠かせない」と前置きし、「廃止は沿線の高校生の通学に困難を来すだけでなく、今後、高校を目指す中学生の学校選択の幅を狭める。それは、県北地区教一区活動の存亡の危機を招く」との理由で、存続を強く求めている。 日立電鉄を利用している生徒数を資料として添付。多賀高182人、太田一高118人、太田二高92人、日立商高91人、日立一高74人など、高校14校で823人になる。 |
電鉄線の存続に知恵を
2003年10月30日・茨城新聞
3月、大甕駅から久慈浜駅に向かう電車の中はすし詰め状態。72年に1度の金砂代祭礼。ホームも人であふれていた。
その額電鉄線が廃止の検討に入ったとの報。ショックだ。もちろん、地元や利用者にとってはそんな感傷的な言葉ですまされない問題だろう。生活直結の公共交通機関が消えるかも知れないのだ。
利用客減が要因という。都心など人口密集地では新たな鉄道が整備され続けているだけに、その違いにがく然とする。
ローカル線運営が厳しさを増す中、地域活動で鹿島鉄道存続に貢献した中高生が日本鉄道賞特別賞を受けた。地域が一体となった証し。今回、地元自治体は存続に向け県への支援要請などを始めた。支援策とともに、大祭礼のときのような活気を取り戻す再生へのいい知恵が生まれればいいのだが。
「電鉄存続を」 要望書を提出 日立市と常陸太田市
2003年10月29日・茨城新聞
日立市と常陸太田市を結ぶローカル鉄道、日立電鉄線の廃止検討を受けて猟師は28日、同線を運営する日立電鉄に「継続維持」を、県に対しては「存続、公共交通対策の支援」を求める要望書を提出した。
要望書によると、日立電鉄には「公共交通機関の担い手として責務を果たしてきた使命感に期待。電鉄線の継続維持を願う」とした。県には「国道293号沿線地域の唯一の公共交通手段。電鉄線の存続並びにこの地域における公共交通対策を講ずる必要がある」と前置きして、「状況をしんしゃくの上、さらなる指導、支援を」と要望した。
日立電鉄線は今年、開業75周年を迎えるが、マイカー普及などにより、年々乗客が減少。昨年は177万人とピーク時の4分の1にまで減った。このため、2005年3月末までに廃止する検討を始めている。、
日立電鉄 廃線を検討 沿線市と県に通知
乗客減で経営悪化
2003年10月23日・茨城新聞
日立市と常陸太田市を結ぶローカル鉄道「日立電鉄線」を運営する日立電鉄(本社日立市、松葉卓爾社長)は、2005年3月末で同線を廃止する検討を始めた。既に沿線市と県に通知しており、今後は公的支援を含めた自治体の対応が注目される。
同鉄道は1928年、大みか−久慈浜間で運行を開始。今年で開業75年となる。ただ、61年の717万人をピークに乗客が減少。昨年は177万人と全盛期の4分の1になった。
88年から赤字路線となり、これまでに3回の運賃改定や無人駅化を進めるなどの経営努力を続けてきたが、バスや不動産部門などを合わせたグループ全体としても昨年度は2億5千万円の債務超過に陥っている。
このため、同社は「安全運行の維持が困難」(松葉社長)と判断。16日に日立市や常陸太田市、県に「日立電鉄線の廃止計画の検討に関する件」とする文書で通知した。松葉社長は「残念ながら、経営力からして廃止を検討せざるを得なかった」と話している。
同鉄道は通勤、通学の利用者も多く、公共的な性格が強いため今後、県を含めた日立、常陸太田市の対応が注目される。
県内では石岡市と鉾田町を結ぶ鹿島鉄道に対して、2002年度から06年度までの5年間で、県が5千万円、沿線の石岡市、玉里村、小川町、玉造町、鉾田町の5市町村が1億5千万円の補助を決めている。