6市町村合併懇、石岡市が離脱表明 4市町村軸に調整

 茨城新聞 2002年8月6日

 土浦や石岡など六市町村で構成する市町村合併懇話会(会長・助川弘之土浦市長)が五日、土浦市内のホテルで開かれ、合併の枠組みについて意見を交換、石岡市が懇話会からの離脱を表明した。懇話会は今後、土浦を中心とした霞ケ浦、千代田、新治の四市町村合併を軸に調整を進めるが、霞ケ浦、八郷、千代田三町は「六市町村合併」を求めており、枠組みをめぐってはなお曲折がありそうだ。 同日の懇話会は非公開で行われ、助川市長が同市の説明会の開催結果を報告。市民の意見は四市町村合併が多いことを受け、「四市町村の枠組みを大切にしたい」と提案した。
  これに対し、石岡市の阿部聖助役は、先月三十日に市合併協議準備委員会が「隣接六町村を対象とした合併を検討し、懇話会から脱会を」などとする答申通り、離脱を表明。また、霞ケ浦町の郡司豊廣町長、千代田の鈴木三男町長、八郷の関野和夫町長は六市町村での合併を求めたが、新治村の御田寺義也村長は土浦を中心とした四市町村合併を進めるべきとした。
 懇話会は当初、今月下旬に再度開き、枠組みを決定する予定だったが、郡司町長が枠組みについて町内で説明会を開く時間が必要と求め、十一月中旬に延期した。
 終了後、会見した助川市長は「今後は四市町村の枠組みで根回しをしたい」と述べた。同市長は合併特例法の期限(二〇〇五年三月末)をにらみ、当初、今年七月中に任意協議会を立ち上げ、来年度に法定協議会への移行を表明していたが、大幅に遅れることになった。このため、同市長は任意協を省き、法定協を設置する可能性も示唆した。
 六市町村の合併をめぐっては、懇話会の枠組みとは別に土浦市が四市町村の合併を検討。これに対し、石岡市は準備委が霞ケ浦、千代田、八郷を含む隣接六町村の合併を同市独自で検討するよう提言、横田凱夫市長は「重く受け止める」と述べていた。
 両市に挟まれる格好となった霞ケ浦、千代田、八郷の三町のうち、千代田町の鈴木町長と八郷町の関野町長は、六市町村合併が成らない場合、新治郡四町村での合併を検討する姿勢を示している。

霞ヶ浦、8ヵ所で「遊泳可」
霞ヶ浦市民協の独自水質調査

 朝日新聞 2002年7月23日

 霞ヶ浦市民協会(土浦市)は19日、独自の水質調査に基づき霞ヶ浦・北浦の主な旧遊泳場10ヵ所のうち8ヵ所が遊泳可と判定したと発表した。一昨年、昨年に比べて遊泳可の旧遊泳場は増えたが、「まだ安心して泳げますと言える段階ではない」としている。
 協会は泳げる霞ヶ浦の再現を目標に、2年前から旧遊泳場などの大腸菌数、化学的酸素要求量(COD)、油膜の有無、透明度などを調べ、海水浴場水質判定基準に照らして遊泳適否判定を公表している。
 一昨年は一部の流入河川河口部を含む13ヵ所中6ヵ所(うち旧遊泳場は3ヵ所)、昨年は14ヵ所中5ヵ所(同)が遊泳可だった。今年遊泳可となったのは土浦市の大岩田、霞ヶ浦町の歩崎、玉造町の桃浦と高須、麻生町の天王崎、桜川村の浮島、西ノ洲、三次で、高須の遊泳可は初めて。ただ3年間とも、水質区分のAA、A(遊泳適)、B、C(遊泳可)のうちのCだった。
 協会主任研究員の沼沢篤さんは「水質的には泳いでも問題ない。ただ今年は調査した7月1日の前日に10_ほど雨が降り、それが好成績となった面もある」と話す。水遊びや遊泳をする祭はガラス片などでけがする心配があるのではき物着用を勧め、透明度が低いので深みに気をつけるほか、終えた後は身体や目を洗うよう促している。

輝く湖面に帆引き悠然、霞ヶ浦で漁解禁

 茨城新聞 2002年7月22日

 霞ヶ浦・北浦のワカサギ漁が21日、解禁され、沿岸漁業者らのトロール船が一斉に初漁に繰り出した。これに合わせて同日から、観光帆引き船の操業が土浦市や霞ヶ浦町でスタート。夏休み最初の日曜日とあって各観光船は大勢の乗船客でにぎわい、湖上の風物詩を楽しんだ。
 ワカサギ漁は午前5時に解禁。霞ヶ浦・北浦の各港から201隻のトロール船が一斉に出漁し、ひき網を流してワカサギやシラウオを漁獲した。

 きらめくまちへ 石岡で提言続けるNPO「まちづくり市民会議」

茨城新聞 2002年6月27日

 住民たちがまちづくりに積極的にかかわろうと、NPOを組織している例が県内でもみられる。そのひとつが石岡市の中心市街地で「まちかど情報センター」を管理運営する「まちづくり市民会議」(島田哲理事長)だ。中心市街地の活性化とともに、道路をはじめとした都市空間を人に優しいまちとして実現しようと、提言活動などを展開している。
 同市民会議は、市民と行政のパートナーシップによるまちづくりを目指して平成11年6月にスタート。よく12年2月に、中心市街地の活性化提言「きらめく石岡・銀河計画」を市に提出した。同計画に空き店舗の活用策として盛り込んだ「まちかど情報センター」(石岡市国府2丁目)の設置を実現。NPO法人格を平成13年6月に取得している。
 活動を方向付けたともいえる「きらめく石岡・銀河計画」は、空き店舗を生かしたまちづくり論を展開した「カシオペア計画」、人に優しいまちづくりをうたった「アンドロメダ計画」などで構成。
 5箇所の空き店舗に対して、ギャラリーや歴史館、女性センターなど具体的な活用策を示した。母カシオペアを助ける優しい娘アンドロメダの神話にちなんだ「アンドロメダ計画」では、段差や急な勾配をなくした平坦な歩道の整備の重要性を訴えた。
 このほか、同市民会議は昨年度、石岡市が中心市街地に取得した「神栄跡地」の利用法を検討、市からの委託を受け報告書としてまとめた。本年度は、中心市街地のまちなみ調査を手がけるという。

春の自然公園大会へ県実行委発足 茨城を親しむ機会  

 茨城新聞、2002年6月6日

 来夏、本県の水郷筑波国定公園で開催されることになった「第四十五回自然公園大会」に向け、県実行委員会(会長・橋本昌県知事)が五日までに発足。今年八月にプレイベントとして「いばらき湖沼環境フェスティバルIN霞ケ浦」を開催することなどを決めた。
 自然公園大会は環境省が主唱する「自然と親しむ運動」の中心行事として一九五九年から毎年、全国の国立・国定公園で開催。第四十五回大会は来年七月下旬から八月上旬の二日間、水郷筑波国定公園の玉造町高須園地と霞ケ浦町歩崎園地で開催され、総勢四千人の参加が見込まれている。
 県実行委の設立総会は四日に県庁内で行われ、会則を決めた後、第一回実行委を開催。メンバーは県内の自然活動、環境保全団体や行政の関係者ら四十二人で、会場地の玉造・霞ケ浦両町長らが副会長に就任した。
 第一回委員会では大会の基本構想とともに、本年度の事業計画を決定。実施計画の策定を進める一方、プレイベントの開催や標語募集などの広報活動を行っていく。また、今年七月、青森・十和田八幡平国立公園で開催される第四十四回大会にも参加する。

「人と自然」共通テーマ 合併ケース4パターン 玉里村独自で検討調査

 茨城新聞・2002年5月29日

 玉里村はこのほど、市町村合併に関する村独自の検討調査報告書をまとめた。生活スタイルの変化や地方分権の推進、行財政改革の取り組みなどから「合併は避けられない道」ととらえ、@玉里村と石岡市に玉里、石岡、小川町B玉里、小川C玉里、小川、美野里−の4パターンの合併ケーススタディを提示。いずれのケースも「人と自然」を共通テーマに、まちづくりについて多方面から考察を試みている。
 同村は「村として、あくまでも客観的なデータに基づいて検討を試みたもの。合併を考える一つの判断材料になればよい」としている。

観光拠点を広域網 歴史や体験5コース 県南10市町村

 茨城新聞 2002年5月17日

 土浦市や石岡市など県南十市町村で構成する土浦石岡地方広域市町村圏協議会(会長・助川弘之土浦市長)の本年度総会が十五日、土浦市内のホテルで開かれ、圏内の観光ネットワークを形成する「広域観光ネットワーク計画」を決定した。圏内の観光拠点をテーマ別に回遊する五つのコースを設定した。
 計画は十市町村が個別に取り組んできた観光事業を有機的につなげ、今後十年間の観光に関する基本的な方向を示し、もてなしやボランティアの意識を醸成しようと策定された。
 圏域の特徴からテーマを自然と歴史に絞り、@環境・学習A体験・参加B憩い・健康C探求・学習D風土・文化―の五つのお勧めコースを設定した。
 環境・学習コースは、土浦市の霞ケ浦総合公園を起点に、霞ケ浦ヨットハーバー、霞ケ浦環境センター、霞ケ浦町の歩崎公園と水族館をめぐり、霞ケ浦の水生動植物や水質浄化などを学べるよう設定。体験・参加コースは八郷、千代田、新治三町村の観光果樹園や八郷、新治、阿見三町村のスカイスポーツ、霞ケ浦での水上スポーツ、そば打ちなどのメニュー。
 憩い・健康コースは二つのコースを設定した。土浦市の宍塚大池、阿見町の霞ケ浦平和記念公園(計画中)、霞ケ浦大規模自転車道(同)、歩崎公園、玉里村総合文化センターに至るコースと、石岡市の高浜入り江でのバードウオッチングから美野里町の地域食材供給施設(整備中)、小川町のやすらぎの里、千代田町の雪入ふれあいの里、筑波山などを巡るコースだ。
 また、探求・学習コースも二コースを設けた。土浦市のまちかど蔵、市立博物館、阿見町の予科練記念館、新治村の小野小町の里などを回遊するコースと、石岡市の常陸風土記の丘、美野里町のひょうたん美術館、玉里村民家、千代田町の師付の田井、八郷町の峰寺山西光院などを周遊するコース。
 十市町村は今後、コースをPRするなど誘客を図る方針だ。