2006年8月22日 常陽新聞
●通学定期の利用拡大策検討へ |
鹿島鉄道沿線高校長連絡会が2回目の会合 |
鹿島鉄道沿線高校校長連絡会の第二回会合が二十一日、小美玉市の県立小川高校で開かれた。 同鉄道の通学定期利用拡大に向けて、学校を通じて父母の協力を求める一方、定期券についても「懸賞付き定期」など、趣向を凝らして需要を喚起する方策を早急に検討することで一致した。 学校側からは朝の通学時は同鉄道を利用、下校時は父母の車での迎えが可能になる片道定期券の創設などの要望が上がった。 同会議は鹿島鉄道対策協議会が、同鉄道沿線の七高校(石岡一、石岡二、石岡商、小川、玉造工、鉾田一、鉾田二)の校長を対象に、生徒らの利用促進を目指して六月から協議を始めた。 七校のそれぞれの取り組みについて報告を求めた後、県側が、バイク通学の見直しや父母による送迎通学の自粛要請、定期券購入の拡大施策などについて提案した。 しかし、定期券が高額でバイク通学の方が経済的な面や、不審者など無人駅での安全面から特に女子生徒の父母が送迎している実態など、バイク通学の要件見直しや父母送迎の自粛は現実的には困難との見通しが示された。 県の示した懸賞付き定期には理解が示されたほか、登校時だけの片道定期など、販売への新たなアイデアも上がった。 |
来年三月末での廃線を届け出た鹿島鉄道(石岡−鉾田)の存続に向け、鹿島鉄道対策協議会と沿線高校長らが二十一日、小美玉市の小川高校で生徒の利用促進策を話し合い、懸賞付き定期券や片道定期券の発売に向けて検討することになった。
懸賞付き定期券は、福岡県の平成筑豊鉄道が今年七月、抽選で一カ月分の定期などを贈る方式で発売している。協議会は九月分の発売を提案したが、高校側から「すでに定期券を買っている生徒には不公平」などの指摘を受け、開始時期については再検討することにした。
片道定期券は、夜の無人駅利用を不安に感じ、朝の通学時だけ利用する生徒を想定し、朝に限定した割引制度を導入するよう高校側が提案。鹿島鉄道に実施の可能性を打診することを決めた。
協議会は、今年四−六月の鉄道利用状況が前年同期間と比べ3・5%減り、通学定期の同10・9%減が主因になっていることを報告。九月の通学利用状況が公的補助継続の可否を判断する重要な要素に浮上した。
このため、沿線自治体や県の職員が九月の始業式に合わせて各校を訪問し、直接生徒に利用を訴えることにしている。 (小沢伸介)