2006年8月25日実施
知事懇談関係の新聞記事


茨城新聞
「鹿島鉄道残して」 応援団高校生が知事に要望
2006/08/26(土) 本紙朝刊 第1社会 A版 23頁

 鹿島鉄道の存廃問題で、沿線の中学・高校生で組織する「かしてつ応援団」(鬼沢友里団長)が二十五日、県庁に橋本昌知事を訪ね、鉄道存続へ向けた公的支援の継続などを要望した。
 知事を訪ねたのは、鬼沢団長らかしてつ応援団に所属する県立小川、同石岡二、同石岡商の女子高生五人と高校教諭三人、かしてつ応援団を支援している小美玉市内の病院長。知事にこれまでの活動を報告するとともに、公的支援継続などを要望。さらに、今後、利用者増へ向けて努力していくことを約束した。
 要望では@現在の高校一年生が卒業するまで、最低二年の公的支援継続A二年の間に再生計画作成B百里空港などとともに地域財産としての活用−を求めた。
 これに対し知事は「われわれとしてもできることなら鉄道は残したい」とした上で、鉄道利用者、特に、通学定期券利用者が減り続けている状況を説明。「廃止したいという会社をやる気にさせるためには、利用者を増加させること。にぎやかなイベントもいいが、通学定期券利用者を一人でも多く増やす努力をしてほしい」と話した。
 かしてつ応援団は沿線の七中学と九高校の生徒会で二〇〇二年七月に結成。これまで鉄道存続を求める署名集めや募金活動、イベントなどを実施し、二十七日には沿線主要駅で「かしてつ祭り」を開く。沿線自治体と県などで構成する「鹿島鉄道対策協議会」は九月、公的支援を継続するかどうか結論を出す見込み。



読賣新聞
鹿島鉄道廃線問題 高校生ら知事に支援要請
 鹿島鉄道(本社・土浦市)が2007年4月1日での廃線を国に届け出ている問題で、鹿島鉄道を利用する高校生らでつくる「かしてつ応援団」の代表5人が25日、県庁で橋本知事に財政支援の強化を求めた。

 小川、石岡二、石岡商の女子生徒で、「廃線になると、通学者や通勤者が困る」と口々に苦境を訴えた。知事は「県も鉄道を残したい考えは強い」と同調しながら、「利用客が減ったままでは企業がやっていけない。利用客を増やそうという努力がまだまだ少ない」と、応援団や関係者に一層の奮起を求めた。

 応援団は02年7月、小川高の生徒が呼び掛け、沿線の中学、高校計8校の生徒らで発足した。現在は中学7校と高校9校が加盟し、存続を求めて署名・募金活動、駅舎のペイントや清掃などをボランティアで行っている。

 一方、鹿島鉄道では、運賃収入の4分の1を占める通学定期利用者の落ち込みが収益悪化の最大要因となっている。通勤定期利用者は下げ止まっており、県は「通学客の増加こそが存続のカギを握る」(企画部)と、沿線7高校に利用促進策を提案した。しかし、学校側は「バイク通学の学生を鉄道通学に振り替えるよう強制はできない」と及び腰のところが目立ち、足並みの違いも表面化している。



毎日新聞

散歩道:かしてつ存続を知事に要望−−応援団の高校生 /茨城
 廃線届が出された鹿島鉄道(石岡−鉾田、27・2キロ)の存続を求める「かしてつ応援団」の生徒らが25日、県庁に橋本昌知事を訪問し、要請書を手渡した。

 同応援団は02年7月に結成。沿線の16の中学や高校の生徒会が加盟し、存続を求める募金活動などを続けてきた。県などは、9月中をめどに、来年3月末での廃止か存続かを決める方針を示している。生徒らは橋本知事に最低2年間の公的支援継続などを訴え、27日に開かれる存続のためのPRイベントを説明する文書も渡した。応援団長で県立小川高3年の鬼沢友里さんは「廃線になったら高校に通えなくなる。公的支援をお願いします」と訴え、橋本知事は「利用者を一人でも増やす努力が必要」と述べた。


常陽新聞

●高校生、知事に直訴
鹿島鉄道の存続目指し
鹿島鉄道 (石岡―鉾田間二十七・二`) の存続運動を続けている鹿島鉄道沿線中高生徒会連絡会 「かしてつ応援団」 (団長・鬼沢友里小川高校生徒会長) の高校生五人が二十五日、 水戸市笠原町の県庁に橋本昌知事を訪ね、 鹿島鉄道存続に対する協力を要請した。 知事は 「何とか残せないか、 勉強しているが、 利用者を増やす運動をしてもらえるとありがたい」 と特に高校生の利用増を求めた。
 
橋本知事を訪ねたのは、 鬼沢団長ら小川、 石岡二、 石岡商の鹿島鉄道利用者五人と小川高校校医の諸岡信裕・小川南病院長、 各生徒会顧問教師ら。 鬼沢団長は、 年間八十万人の乗客があり、 五百人の高校生が利用している鹿島鉄道が廃線になると、 学校や病院に通えなくなるとして、 現在の高校一年生が卒業するまで最低二年間の公的支援継続、 その間の再生計画作成などを要請した。
 
また、 「かしてつ応援団」 として@通学利用者と一般利用者を増やすため努力しますA学校の活動で鹿島鉄道を活用しますB鹿島鉄道の活性化に向けて努力します―と約束。 「お願いとお約束」 の文書を手渡した。
 
これに対して知事は、 運動が鹿島鉄道を残す世論を喚起するのには役立っているが、 今年四―七月の通学定期が前年比で12・7%減になるなど、 鉄道会社を動かすまでには至っていない現状を指摘。 「八十万人は一日往復二千人なので、 約千人。 千人のために一億円の公的支援を行うと、 一人十万円になる。 何とか残せないかと勉強しているが、 利用者がどんどん減ると支援しきれない。 会社をやる気にさせないといけない」 と利用者増を図る運動の必要性を強調した。
 
沿線では二十七日に 「かしてつ祭り」を開き、 存続運動の機運を盛り上げるが、 鬼沢団長から橋本知事に、 一日乗り放題の百円フリー切符を贈り、 祭りの参加と乗車を求めた。


東京新聞

生徒が存続求める
知事に「通学に必要」と
 鹿島鉄道(石岡−鉾田間)の存続問題で、沿線にある中学・高校生徒会でつくる「かしてつ応援団」の生徒が二十五日、県庁を訪れて、橋本昌知事と懇談し、公的資金の継続による運行継続を直接訴えた。

 県と沿線四市でつくる鹿島鉄道対策協議会は、今秋にも公的資金の継続について結論を出す見込み。生徒らは「廃線となれば、通学に利用する生徒や車を持たないお年寄りが困る」として知事との懇談を希望していた。

 懇談の中で、かしてつ応援団長の鬼沢友里さんが署名・募金活動やラッピング列車の運行など、これまでの取り組みを説明し「最低二年間の公的支援を継続してください」と訴えた。

 これに対し、橋本知事は「できるだけ鉄道を残すような方策を検討している」とする一方、同鉄道の通学定期の購入数が減少している点を指摘。「一人でも多くのお客さんが増えないと、会社側も運行を続けようとは思わないだろう」と話し、地道に利用者を増やすことの必要性を強調した。 (秦淳哉)