2006年12月20日 茨城新聞

鹿島鉄道 沿線高校生ら知事に要請 新事業者に引き継ぎを
2006/12/20(水) 本紙朝刊 県内総合 A版 20頁
 鹿島鉄道線の存続再生を願い、沿線に通う県立高校生らでつくる「かしてつ応援団」(鬼沢友里団長)が十九日、県庁に橋本昌知事を訪ね、鹿島鉄道から新事業者に運行を引き継ぐことなどを要請した。

 訪問したのは同応援団の高校生八人と鹿島鉄道存続再生基金代表の諸岡信裕小川南病院理事長ら。鬼沢さんが知事に@鹿島鉄道線再生のために新しい事業を決めることA決まった場合は関東鉄道に全面的な協力を要請することB決まらなかった場合は沿線四市とともに代替バスなど交通手段の確保に力を尽くすこと−の三点を要請。一方で、利用者を増やすための努力を続けていくことを約束した。
 訪問した女子生徒の一人は「バスになってしまうと列車より時間がかかるようになる」と通学が不便になることを訴え、男子生徒も「仮に代替バスになるなら便数を多くしてもらいたい」と、利便性向上を求めた。
 橋本知事は「何とか残したいと思い、鉄道施設の譲渡や一年間の運行延長などいろいろな話を鹿島鉄道側としているが、必ずしもいい返事をもらっていない」と現状を説明。その上で「二十四日までに結論を出し、それに従って必要な対策を講じたい」と、交通手段の確保へ協力を約束した。


2006年12月20日 讀賣新聞

鹿島鉄道存続向け知事に直談判

沿線の中高生新事業者選びなどで

 来年4月1日での廃止届を出している鹿島鉄道の存続を求める沿線の中高生で作る「かしてつ応援団」が19日、橋本知事を訪れ、鹿島鉄道に代わる事業者選びでの県の協力を求めた。知事は「どういう方向を出せるか、考えをまとめていきたい」などと述べるにとどまった。

 応援団は知事に〈1〉新事業者の決定〈2〉決定の場合、鹿島鉄道による当面の運行継続〈3〉新事業者が決まらなかった場合の代替バスの確保――の3点を要望した。

 存続を巡っては、鹿島鉄道対策協議会(事務局・石岡市)が新事業者を公募。地元住民らの「鹿島鉄道存続再生ネットワーク」と、都内のイベント企画会社「トラベルプランニングオフィス」が名乗りを上げている。

 知事は「両者(のいずれか)が事業を継続できるか検討しているが、鹿島鉄道からいい返事をもらっている状況ではない」と説明し、継続の際に焦点となる鉄道施設や用地などの取り扱いをめぐる協議が難航している状況を示唆した。さらに「安全から両者とも無理となれば、バスをどうやって確保するかを、沿線4市とすぐに考えないといけない」とも述べ、バスへの切り替えも視野に入れている姿勢を明らかにした。