知事定例記者会見における発言要旨
2006年8月9日


鹿島鉄道の存続問題について

毎日(幹事社):
 鹿島鉄道の存続を求めるPRイベントが今月末にありますが,廃線の3月末から逆算すると,来月あたりには方向を決めていく必要があるということですが,今,県としてはどんな状況でしょうか。

知 事: 
 県と沿線4市で開催している協議会をできるだけ今月中にまた開催すべく調整しているところであります。最終的な決断というのは,バスに移行するのだとすれば,12月末までには申請が必要になってきますが,まだそこまで至るには若干時間がありますので,いろいろと協議を重ねているところです。
 沿線の高校の校長連絡会の開催とか,あるいはまた,沿線企業に対する利用促進に対する働きかけなども行っているところでありまして,私どもとしては,何とか利用者を増やすという方向が見えてくることが必要ではないかなと思っております。これが見えてこないと,経営者としては,この路線を存続させるということに前向きには取り組みにくいのではないかなと思っております。
 かしてつ応援団という形で,雰囲気,ムードの盛り上げは行われているところでありますが,例えば,臨時列車を走らせて300人が利用したとしても,定期の人が1人増えれば,1年間に250日から300日は学校へ通うわけですから,それと変わらないのです。そういう意味で,実質的なお客さんをどうやって増やすかという意味で,鹿島鉄道を応援するというだけではなく,鹿島鉄道に少しでも乗ろうという運動を積極的に進めてもらうことが必要なのではないかと思っております。
 そういった点からいいますと,少し明るいものが見えてきているのは,辛うじて6月の通勤定期の利用者が,先ほど申し上げたような企業への働きかけなどの影響があったのかどうかはわかりませんが,若干プラスになっているということです。ほかでは,例えば,通学が4月,5月,6月と,前年対比でいえば,4月は(定期券の)割引率を変えたりしたものですから3.1%のマイナスになっていますが,5月はマイナス14.1%,6月はマイナス13.3%と,大変高いマイナスになっております。通勤のほうは,4月は2.2%の増,5月はマイナス2.2%になっていますが,6月はプラス1.1%ということで,4月から6月の計でいうと,通学はマイナス10.9%,通勤はプラス0.4%になっているのです。高校生たちも,日立電鉄のときもそうだったのですが,一生懸命(存続のために)活動してくれている。それは彼らの同級生が不便にならないようにという意味で結構なことだとは思うのですが,具体に乗っている人はほとんどいないのです。日立電鉄線の時,僕のところへ,数人,要望という形で来られても,では具体にあなたは乗っているのと聞くと,乗っていない人ばかりでした。オートバイを利用している人が,ちょっと不便になってもみんなでまた鉄道に切り替えようかとか,そういう動きになってきていないので,それをもうちょっと積極的にやっていくことによって,鹿島鉄道の利用者も,少なくとも今申し上げたような形で毎年1割も利用者が減るなんていうことではなくなるということでなければ,経営者はなかなか方向を変えてくれないだろうと私は思います。