2006年11月1日 常陽新聞
●鹿島鉄道の存廃・支援、結論先送り |
対策協議会が二回目開く |
鹿島鉄道対策協議会(会長・横田凱夫石岡市長)は三十一日、今年度第二回協議会を石岡市旭台二丁目のマリアージュ吉野で開き、来年三月末での廃線を申請していた鹿島鉄道(石岡―鉾田、二十七・二`)への支援継続について結論を先送りした。 今後について支援方法の選択や、支援額をさらに削減できないかなど、持ち帰って検討を加え、十一月中旬に改めて第三回協議会を開いて結論を出すことを決めた。 また、幹事会で新たな事業者の公募と廃線後のバス代替輸送についても検討を始めることになった。鹿島鉄道の小野里忠士社長は関東鉄道の新たな支援については極めて難しいとの感触を示し「鉄道事業者として改善の余地のない鉄道に血税をつぎ込む無駄はすべきではないと考える」とも述べ、より負担の軽い代替輸送機関への転換を求めた。 協議会では存続に向けて、〇七年度以降五年間の支援額を鹿島鉄道の試算を踏まえた合計十一億円を確認。このうち四億五千万円を民間団体からの寄付金や航空自衛隊百里基地への通勤利用増による収入増、車両更新を中古車両にとどめる経費削減策などで軽減させ、支援総額を六億五千万円程度に圧縮する案を新たに検討することにした。 また、存続後の支援の選択肢として、関東鉄道から一億円の支援を新たに引き出す案も含め、@現行同様A上下分離B第三セクターなど、五つのパターンを示し、持ち帰り、検討、再協議する。 さらに十一月中旬に予定した第三回協議会までに、幹事会で新たな事業者を募ることや、廃線後のバス代替輸送のあり方などについても、その運営主体と見込まれている関鉄グリーンバス社と検討を始める。 同協議会は当初、九月末までに結論を導くことを見込んでいたが、親会社の関東鉄道が完全撤退を表明する中、存続可能性を模索する作業が県、沿線四市間で続いた。加えて、鹿島鉄道側から七月に示された、新規車両導入や自動運転制御装置導入など、新たな三億三千万円の追加支援要請について、緊縮財政下での財政負担をめぐる論議が難航。協議会開催は一カ月ずれ込んだ。 結論を引き延ばしてさらに検討することになったが、公費を投入した五年間でも通勤通学など日常利用は減少傾向に歯止めがかからないまま。加えて、TX開通に伴う大幅減収に苦しむ関東鉄道が再び支援に乗り出すことはきわめて難しく、存続協議はバス代替のための準備期間を切り詰める形で、極めて難しい局面を迎える。 ![]() |