鹿島鉄道対策協議会が総会を開催 存続問題 秋までに決定
2006年5月12日
新聞記事
鹿島鉄道の存廃秋までに決定2006年05月13日
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可否、10月までに決定鹿島鉄道への公的支援鹿島鉄道対策協議会は十二日の総会で、来年三月末で鉄道事業を廃止することを届け出た鹿島鉄道への公的支援の可否を十月までに決める方針を確認した。また、行方市が、米軍再編に伴う航空自衛隊百里基地へのF15戦闘機訓練移転容認の条件に、鹿島鉄道による航空燃料輸送の再開などを要望したことを明らかにした。 (小沢伸介) 県と沿線自治体による公的支援は本年度で終わる。親会社の関東鉄道が来年度以降の財政支援打ち切りを決めたため、鹿島鉄道は自力での運行を不可能と判断。存続の条件として、年間約一億円の公的支援継続を求めている。 総会では、廃止された場合の代替交通として、路線バスを運行するには最低五カ月間の準備が必要と判断。支援の可否を最終決定するため、十月までに四回目の協議会を開催する本年度事業計画を承認した。 引き続き会長に就任した石岡市の横田凱夫市長は「次回の協議会で支援の在り方や金額、条件の方向性をまとめたい」と話した。 鹿島鉄道は昨年度が百万円の赤字、本年度は二千二百万円の赤字を見込む。利用促進策として協議会の補助で割引通学定期券を四月に発売したが、売り上げは前年同期比5・1%減の九百三十万円で、乗客離れに歯止めは掛かっていない。 小野里忠士社長は「これ以上経費を詰めたらサービス低下や便数減につながる」と強調した。 また、行方市の坂本俊彦市長が、防衛施設庁を訪れ訓練移転を容認した際、鹿島鉄道での航空燃料輸送の再開と、百里飛行場の民間共用化に向けた路線の延伸を要望したことを説明した。 坂本市長は「施設庁側は、パイプラインを撤去したので厳しいが検討するという話だった。地元の要望として今後も提案したい」と述べた。 |
鹿島鉄道廃線問題:支援策まとめる方針 対策協が総会 /茨城
鹿島鉄道(石岡−鉾田、27・2キロ)が07年3月での廃線を表明した問題で、存続をめぐり協議している鹿島鉄道対策協議会(会長、横田凱夫・石岡市長)は12日、石岡市内で総会を開き、7月の次回協議会をめどに乗客増の具体策や支援の具体的条件などをまとめる方針を決めた。一方、協議会に出席した同鉄道側からは、厳しい経営状況が改めて説明された。 協議会は県と沿線の4市(石岡、鉾田、小美玉、行方)の市長と市議会議長らで構成される。総会では、各市長、市議長らが今後の支援策について意見交換。「公的支援の枠がどの程度になるかが最大の問題」(横田市長)、「実際に乗ってこそ(鉄道を)残せる、ということを高校生らに働きかけるべきだ」(県企画部)などの意見が出された。自治体によって利用者数や存続への関心に温度差があることなどを踏まえ、各市が地元で調整し、次回に具体策を出し合うことが確認された。 一方、鹿島鉄道側は、4月に実施した通学定期2割引きの実証実験の結果などを報告した。それによると、今年4月は、昨年4月に対して発売枚数が8・5%減の計475枚、発売額が5・1%減の計約930万円だった。05年度の乗客数は、前年度8%減の計約78万人だった。小野里忠士社長は「沿線住民の利用がなかった。(見通しが)甘かったのではないかという指摘は甘んじて受ける」と語った。【清野崇宏】 毎日新聞 2006年5月13日 |
鹿島鉄道赤字深刻昨年度1200万円 通学利用大幅減経営難から2007年4月1日での廃線を国に届け出ている鹿島鉄道の沿線4市と県でつくる鹿島鉄道対策協議会(会長・横田凱夫石岡市長)の総会が12日開かれ、同社が05年度、約1200万円の赤字を計上したことが報告された。06年度の赤字は3000万円を超す見込みで、改めて深刻な経営危機の実態と再建への道の険しさが数字で示された。 協議会に対し鹿島鉄道が提出した決算報告書などによると、05年度の営業収益は2億7656万円で、前年度に比べ6・5%落ちた。費用などを差し引いた経常損益は1272万円の赤字。 06年度は減収と費用増で赤字は3267万円の見込み。経営改善5か年計画に盛り込んだ06年度の赤字目標額の1057万円を、既に大きく上回ったかっこうだ。 協議会は今後、総会と実務者レベルの幹事会を交互に開き、鹿島鉄道維持と第3セクターによる代替輸送の可能性の両面で対策を検討する。そのうえで、今年10月までに最終的な意思決定を下す方針。 市町村合併を終え、今回の総会から県以外の構成団体が石岡、小美玉、行方、鉾田の4市となった。横田市長は「協議会にとっても対策をどうするかの正念場。次回は方向性を見出したい」と話していた。 この日の協議会で鹿島鉄道は05年度の輸送人員も発表したが、減少数の大半を通学利用が占めていることがわかった。協議会側には「存続を願う生徒の運動が盛んなのに、通学利用がこれだけ減っているとは」と意外感も広がった。 同社によると、05年度の輸送人員は約77万5700人で前年度に比べ8%、約6万7500人減った。減少のうち、通勤者はわずか60人に留まったものの、通学は4万5600人と13・2%も落ち込んだ。4月には通学定期の割引実験も行ったが、定期の販売は475枚で昨年4月を44枚下回った。 生徒側では沿線の中高生徒会でつくる「かしてつ応援団」が協議会に公的支援の継続を求める署名を提出したばかり。団顧問の栗又衛・小川高教諭は「団の運動が増員につながらなかったのかもしれない」と落胆を示しながら、「運賃の割高感があって家人が送迎しているのも事実」と、生徒と共に存続へのアピールを続けていく意思を示した。 (2006年5月13日 読売新聞)
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