鹿島鉄道対策協議会の第5回会議で決定されたものです。

        鹿島鉄道の存続に関す・る趣意書

 鹿島鉄道は、大正11年に鹿島参宮鉄道として開業して以来80年間、私たちの大切な
交通機関として地域社会に貢献してきました.近年、モータリゼーションの進展等により
その存続が危ぶまれる中、沿線市町村において、公共交通としてこの鉄道を残していくべ
きかどうかについて協議を重ねてまいりました.
 マイカー保有率が増加する中で、それまでの生活交通及び広域交通の大半を担ってきた
鉄道・バスは、今その存在意義を問われています.しかし、利用者は減少してはいるもの
の、この鹿島鉄道以外の選択肢を持たない方々がいて、生活するうえで欠かせないものと
なっていることもまた事実です.
 鉄道利用者や沿線住民を対象に実施したアンケート調査においても、お年寄りや学生か
ら切実な存続要望が出されており、少子・高齢化がますます進む中、人に優しいまちづく
りの堆進という観点から見ると、交通弱者の方々の足を確保する必要性が高まってきてい
ます。                                       I
 そこで、鉄道の優位性である「定時性」「安全性」を的確に認識しながら、もう一度、
公共交通のあり方を考えるとき、鹿島鉄道は、一民間企業という以上の重要な意味を持っ
てくると思います.
 平成13年12月26日に本協議会が設立され、9カ月余り.まだ決定的な結論を出す
には非常に短い期間ではないかと思います.私たちは、この課題に対し、将来を担ってい
く次の世代にとって最良の選択をするために、細心なる議論をする責任を負っています。
 よって、5年間という期間を設定し、別紙要望について努力することを条件に、鹿島鉄
道に対して財政的支援を行い、同期間の運行を確保するとともに、その期間内にこの地域
において鹿島鉄道がどのような役割を果たしており、将来どのような可能性を秘めている
かについて十分な検討を尽くした後、この将来の広域的視野に立った選択を探っていきた
いと思います.

       平成14年9月26日   鹿島鉄道対策協議会


       鹿島鉄道に対する要望事項


鉄道運行に係る利便性の向上         ‘
(1)JR常磐線との接続を重視したダイヤの改正
 JR常磐線との接続が悪いために、非常に不便であり、旅客離れの原因となってい
ます.早急な改善を要望します.

(2)旅客運賃の値下げ
 鹿島鉄道は、全国的に見ても運賃設定が高いと言われています.運賃の値下げは、
離れていた旅客数を増加させる呼び水となります。旅客収入を増加させることを目的
として、運賃の値下げを要望します。    .

経営体制の改善と経営改善計画の推進
(1)経営改善計画の堆進
 安全性を確保した中で、経営の改善をさらに進めるよう要望します.なお具体的に
は、役員報酬の減額及び賃金体系全体の見直し・を要望します。    、

(2)経営改善推進担当の人材派遭
 鹿島鉄道再建に向けて、親会社である関東鉄道鰍ゥら再建の中心となる人材の派遭
を要望します.

(3)情報の開示
 経営内容に係る可能な範囲内での、全ての情報開示を要望します。

地域住民等めバックアップ
(1)地域との繋がり
 市民団体や自治会・沿線高校の生徒会等で、鹿島鉄道存続に対する活動が芽生え始
めています.そのうねりを追い風として、さらに盛り上げていくための積極的な取り
組みを要望します.        .
 また、鉄道愛好家や鹿島鉄道OB等への働きかけも、併せて要望します。