2006年8月23日 讀賣新聞
鹿島鉄道(本社・土浦市)が2007年4月1日での廃線を国に届け出ている問題で、22日、沿線の民間人らにより鹿島鉄道存続再生基金(幕内幹男代表)が発足し、鉄道の存続費用に充てるための寄付を住民らに呼びかけ始めた。「9月中までに2億円」の目標を掲げ、存続を後押ししたい考えだ。
基金は沿線の病院関係者や商工関係者ら24人が発起人となった。1口1000円以上で寄付を募るが、届け出通り、鉄道が廃止されてしまえば使い道がなくなるため、とりあえず、各戸配布する所定の寄付承諾書に寄付額や住所氏名などを署名押印してもらう形にする。存続が決まれば寄付をしてもらい、廃止なら寄付は求めない。
鉄道の存廃論議に影響を与えられるよう、寄付はいったん9月末で締め切り、県と石岡、鉾田など沿線4市でつくる鹿島鉄道対策協議会に寄付見込み額を示す方針だ。基金の担当者は「寄付活動を通じ、沿線住民の存続を求める意思をくみ取りたい」と協力を呼びかけている。
ただ、寄付活動の実効性を危ぶむ声もある。沿線4市の総人口は約23万人。仮にその全員が1人あたり1000円近く寄付して、ようやく2億円を達成できる勘定。募集期間は1か月あまりしかなく、「相当厳しい数字」(県幹部)との見方が出ている。