2006年8月23日 茨城新聞
「鹿島鉄道」存続へ基金設立 寄付予約2億円目標 沿線住民ら発起人 |
2006/08/23(水) 本紙朝刊 総合1面 A版 1頁 |
来年三月いっぱいでの廃止届が国に提出されている鹿島鉄道(石岡−鉾田、27・2`)の存続に向け、沿線住民らで構成する「鹿島鉄道」存続再生ネットワーク(長谷川功代表)は二十二日、「鹿島鉄道」存続再生基金を設立、緊急の寄付予約受け付けを開始した。九月末までに二億円分の予約を集めることを目標にし、沿線自治体や県などでつくる鹿島鉄道対策協議会(会長・横田凱夫石岡市長)で同鉄道の存続が決まれば、基金から支援金を拠出する方針だ。 存続再生基金は、存続再生ネットワークを主体に、石岡市内の医師ら二十四人を発起人として設立された。基金に対する寄付の予約を受け付けるほか、鹿島鉄道に普段より一回多く乗車してもらうこと、二十七日に沿線駅で開催される「かしてつ祭り8・27〜鹿島鉄道・熱狂の日」に参加すること−を沿線住民や県民、全国の鉄道ファンに呼び掛ける。 中心となる活動は寄付予約の受け付けで、存続か廃止かの結論が九月中をめどに出されるのに合わせ、沿線の県立高校に今春入学した生徒が卒業する今後二年間の存続に必要な金額に近い二億円を寄付予約の目標に設定、受け付けを始めた。「鹿島鉄道が運営していけるのか、将来どうしていくのか二年かけて検討できれば」(長谷川代表)としている。 廃止が決まれば基金の必要性がなくなるため、寄付ではなく寄付予約とし、鹿島鉄道以外の代替事業体が経営を引き継ぐ形で存続する場合も支援する。廃止が決まった場合は予約を取り消す。 長谷川代表は「二億円は厳しい数字だが、多くの方に協力を訴えていきいたい。石岡は医療、福祉施設が多く、『福祉』というキーワードで鹿島鉄道を再生できれば」と話している。 ◇ ◇ 寄付予約は一口千円以上から受け付ける。所定の寄付承諾書に必要事項を記入して、〒315−0014 石岡市国府6の1の29、「鹿島鉄道」存続再生ネットワーク事務所に郵送するか、ファクス0299(23)0922、または承諾書を添付ファイルにして電子メール(kasimirai2006@yahoo.co.jp)で送信する。締め切りは九月三十日。問い合わせは同ネットワーク рO299(23)0922(http://www.geocities.jp/kasimirai2006)へ。(仁平克幸) |