鹿島鉄道 事業者公募 2団体が提案説明 |
2006/12/18(月) 茨城新聞 |
「市民鉄道」アピール 「需要の創出」に意欲 鹿島鉄道対策協議会(会長・横田凱夫石岡市長)は十七日、石岡市役所で、鹿島鉄道線の運行を引き継ぐ事業者に応募した二団体によるプレゼンテーション(提案説明)を開いた。終了後、会見した市民団体「鹿島鉄道存続再生ネットワーク」の長谷川功代表は、新会社の資本金一億円の目標に現時点で約八千万円のめどがついたほか、公募条件となっている「応募者が鉄道施設を所有する」ことには、鉄道用地とは別に施設については既に鹿島鉄道と無償で譲り受ける方向で協議をしていることを明らかにした。 参加したのは再生ネットワークと旅行企画会社「トラベルプランニングオフィス」(中尾一樹代表)。プレゼンテーションは審査の一環として非公開で行われ、同協議会の担当課長らで構成する幹事会が二団体から鉄道再生にかける意気込みや経営理念、事業計画などを直接聞いた。三者とも「互いの熱意が伝わり真剣な話し合いができた」としており、審査結果は二十四日までに公表される予定。 終了後、長谷川代表は「新会社は鹿島鉄道の再生が目標で市民が経営する『市民鉄道』をメーンに訴えた」と説明。その上で、自治体が五年間で六億五千万円を上限にしている財政支援を前提に収支計画、ダイヤの編成、利用促進策などを提案したという。 最大の懸念は、新会社を立ち上げるまで一年近くを要するとし、「鹿島鉄道が廃線届を取り下げて来年四月以降、つなぎ運転をしてくれればいいが廃線となった場合、復活はかなり厳しい」と語った。 一方、トラベルプランニングの中尾社長は会見で、鹿島鉄道の存続、再生について「これまでのノウハウを生かしJR直通の各種イベント列車を増発して新しい需要をつくる」と強調。百里飛行場の開港をにらみ空港アクセス列車や東京を通勤圏とした通勤電車の運行なども将来計画に入れたとした。 鉄道施設については「基本的に用地を含め有償で譲渡してもらうつもり」と語った。鹿島鉄道には文書で意向を伝えたがまだ返事がないという。中尾社長は「もし廃線に歯止めがかかり成功すれば、経営悪化の危機にある全国の地方鉄道に希望の火がともる」とも話した。 |
朝日新聞 2006年12月18日
鹿島鉄道の運行を引き継ぐ事業者の公募に名乗りを上げている2団体が17日、鹿島鉄道対策協議会(会長・横田凱夫石岡市長)に対して、石岡市役所で事業計画を説明した。同協議会は、計画の実現性などを審査し、団体側と同鉄道の意向を調整したうえで、引受会社として認定するかどうかの結果を24日までに公表する。 |
2006年12月18日 読売新聞
鹿島鉄道存続のため、県と沿線4市で作る鹿島鉄道対策協議会(事務局・石岡市)が実施した新事業者の公募に名乗りを上げた2者が17日、協議会側に経営理念や事業計画を説明した。
地元住民らでつくる「鹿島鉄道存続再生ネットワーク」(長谷川功代表)と、イベント列車などを企画する都内の会社「トラベルプランニングオフィス」(中尾一樹代表)が説明に立った。
長谷川代表は「鉄道は通勤通学などの重要な交通手段であり、存続は沿線の病院に通う高齢者のための福祉対策になる」と持論を展開。目標の資本金1億円のうち約8000万円まで集まったことや、鹿島鉄道側と鉄道施設を無償で譲ってもらえるよう協議に入ったことを明かした。
中尾代表は「短、中、長期に分けて事業計画を立て、公共交通機関の役目を果たしながらイベント列車などで需要を増やしたい」と述べた。また、県などが2009年度開港を目指している百里飛行場へのアクセスにも使うとの構想を示した。
今回の説明を受け、対策協は24日までに審査をして採否の結果を公表する。2者とも選ばれなかった場合は廃線となる。対策協は「時間はないが、2者の計画をじっくり検討したい」と話している。
2006年12月18日 常陽新聞
●鹿島鉄道線事業者公募でプレゼンテーション |
応募2者が事業内容を説明 |
鹿島鉄道線(石岡―鉾田、二十七・二`)の存続に向けて、来年三月末で撤退を決めた鹿島鉄道社の後継運行事業者として、「鹿島鉄道対策協議会」(会長・横田凱夫石岡市長)の公募に応じた二者が、新会社の概要や経営方針などを説明するプレゼンテーション(提案説明会)が十七日、石岡市役所で開かれ四月以降の対応を説明した。 県、沿線自治体、地域住民による共同運行を強調した「再生ネット」に対して、宮城県で廃線届の出ている車両を購入して人員削減と新たな運行計画の柱とする「TPO」とそれぞれの計画を披露した。二十四日までに沿線四市と県が最終協議し結果を公表する。 出席したのは存続運動を続ける市民グループなどで組織する「『鹿島鉄道』存続再生ネットワーク」(石岡市、長谷川功代表)と、旅行業を営む「有限会社トラベル・プランニング・オフィス(TPO)」(東京都渋谷区、中尾一樹社長)。 「ネットワーク」側は鉄道施設の無償譲渡を前提に、一年間の鹿島鉄道社によるつなぎ運行を準備期間として、県や沿線自治体、住民らによる共同運行で再生を目指す。資本金八千万円で新会社「霞ケ浦市民鉄道(愛称「かしてつ」)を設立して運行に当たる計画だ。現在、一般市民から募っている募金予約については資本金とは別に経営安定のために充当する。 さらに本年四月に南海電鉄貴志川線の譲渡を受けて再建に乗り出した岡山電気軌道社とも連携を取り、事業継続面での指導やアドバイスも得ながら運行を継続し再生を目指す。既に同社とも連絡をとり協力関係の内諾を得ているという。 なお、鹿島鉄道社によるつなぎ運行が不可能な場合、四月から一時的な運行中断もやむを得ないことも同時に明らかにした。 一方、TPO側は金融機関からの融資を求め、鉄道施設を買い取って運行に当たる。現在のサービスを維持し、ダイヤ、運賃は現状維持。廃線届の出ている宮城県の「くりはら田園鉄道」で使用中の気道車(KD95)を取得し、現存する旧来型車両(キハ600型)の延命措置と同時に車掌を減員するなどの事業計画を一年以内に進める考えだ。 また、五年以内にJR線への直通運転を実現し、JR常磐線最終列車からの接続運行、ICカード乗車券の導入による業務の合理化を目指す。 さらに五年以上の長期計画では百里空港へのアクセスやJR線への直通通勤電車なども検討するという。 同協議会では今後の財政支援のあり方や人員、保守体制など安全管理面の実現性や、収支、資金計画など事業の継続的な展開に実現性があるかなど、一週間かけて最終検討し、結論を出す方針だ。。 |