2007年2月3日 茨城新聞
「財政支援前提に存続を」 茨城交通湊線 対策協、要望書提出へ |
2007/02/03(土) 本紙朝刊 総合1面 A版 1頁 |
ひたちなか市内を走る茨城交通湊線の存廃問題で、同市が設置した「湊鉄道対策協議会」(会長・本間源基市長)の第六回会合が二日、市役所内で開かれ、茨城交通と整理回収機構などに対して存続への努力と協力を強く求める要望書をまとめた。対策協として早急に意思表示する必要があるとの判断から、週明けに会長である本間市長が茨城交通などを訪れ、要望書を提出する。茨城交通側は現時点で三月中に廃止届けを提出する方針を変えておらず、届け出をめぐってさまざまな動きが出て来そうだ。 支援の市民組織発足 市側はこれまでに、二〇〇七年度から五年間で市負担計約二億七千八百万円と国、県の補助を合わせた総額六億七千六百万円の財政支援を前提とする試算で、利用者減に歯止めがかかれば存続は十分に可能との見通しを示している。 対策協は要望書で、湊線廃止による市民生活への影響の大きさを訴え、茨城交通に対しては別会社化を視野に入れた存続への最大限の努力を求める。六日には本間市長が茨城交通を訪れ、竹内順一社長に直接要望する。 また、整理回収機構と金融機関には地域貢献の視点に立った協力を要請。市試算の収支予測を説明した上で、不採算部門廃止を盛り込んだ茨城交通の再建計画見直しを含めた協力を強く求める考えだ。 この日の会合で本間市長は、「廃止届けの提出を思いとどまってほしいとの考えによる要望。第一段階だ」と強調した。 ただ、経営再建を最優先し湊線を廃止するとの茨城交通側の姿勢は「固い」(市幹部)と見られ、市や地元の取り組みが存続につながるかどうかは不透明。出席者からは「スケジュールを見据え、波状的にさまざまな提案をしていかないと(茨城交通側の)方針は覆せない」との意見も出された。加えて、巨額な財政支出に対して市議会の理解が一致して得られるかどうかも今後の課題で、存続実現の見通しは依然として厳しいのが現状だ。 一方、存続を市民の立場から支援する「おらが湊鐵道応援団」(佐藤彦三郎会長)が先月、旧那珂湊地区の二十二自治会と二十団体で正式発足した。ひたちなか商工会議所那珂湊支所に事務局を設置、団員募集を開始した。当面一千人を目標に市内に限らず広く加入を呼び掛けていく。また、具体的な利用促進策を検討し実行に移すため、月内に先行加入団体の代表者で構成する実行委員会を立ち上げる予定だ。 |