2007年01月24日 朝日新聞
ひたちなか市の中心市街地と海岸部を結ぶ茨城交通湊(みなと)線(勝田―阿字ケ浦、14・3キロ)。同交通が、市に対して廃線の打診をしたことを受け、海岸部にある那珂 湊地区の商店街振興組合や自治会などが23日、湊線を次世代に残そうと「おらが湊鐵道(てつ・どう)応援団」を正式発足させた。イベントなどで利用促進を図るとともに、千人を目標に団員を募集する。(田内康介) 市によると、05年末に茨城交通から廃線の打診があり、同交通は市に対して今年3月にも廃線届を出す意向を示唆していた。市は昨年6月、湊鉄道対策協議会を設置して存続策を探っており、本間源基市長も存続を支援する方針を表明している。 「おらが湊鐵道応援団」のメンバーは、存続に向けて昨年からPR活動などを行ってきたが、23日に那珂湊地区の商工会議所や自治会の代表者らが集まり、正式に応援団を発足させた。 応援団は今後、沿線の大手企業への利用の依頼や利用促進のイベントを企画していく。佐藤彦三郎団長は「湊線廃線の問題は、自分たちとは関係ないと思わないでほしい。湊線が廃止になると、歴史のある那珂湊がさらにさびれてしまう。何とか湊線を残し、活用していくべきだ」と参加を呼びかける。 市が昨年行ったアンケートでは、市内の6高校に通学している生徒と、那珂湊地区から市外の高校に通学している生徒計444人が湊線を利用していた。 このうち200人以上が「湊線以外に利用する交通手段がない」とし、市は「廃線になれば、通学への影響は極めて大きい」としている。利用状況を調べるための市民アンケートでも、回答者320人のうち139人が「湊線を利用している」と答えた。 湊線は、1913(大正2)年に湊鉄道(勝田―那珂湊)として開業。1965(昭和40)年度の輸送人員は約350万人だったが、05年度は72万人だった。市によると、茨城交通は07年度から5年間で、約5億円の営業赤字が出ると見込んでいるという。 おらが湊鐵道応援団の問い合わせは、ひたちなか商工会議所那珂湊支所(029・263・7811)まで。 |