2008年2月9日 茨城新聞
湊線新会社 社名 ひたちなか海浜鉄道 社長に43歳・吉田氏
富山「万葉線」活性化で実績
ひたちなか市などが出資して四月に第三セクター方式の新会社に移行する茨城交通湊線の再生問題で、同市設置の「市湊鉄道対策協議会」(会長・本間源基市長)が全国公募していた新会社の社長に富山県内を走る三セク地方鉄道「万葉線」総務課次長の吉田千秋氏(43)が決定した。六日開かれた同対策協第十一回会合で明らかにされた。また、同時公募していた新会社名は「ひたちなか海浜鉄道」に決まった。湊線は四月一日に新会社として再生に向けたスタートを切る。
社長公募には最終的に県内外から五十八人が応募。書類選考で十二人に絞った上、市長らが面接し決定した。本間市長は吉田氏を選んだ理由について「鉄道事業にかかわり、鉄道を通したまちの活性化を図る経験もある。これらを生かし、社長として会社を運営し社員と一丸となって発展させたいとの強い意欲を感じた」と述べた。
吉田氏は大学卒業後、地方鉄道に一貫してかかわり、二〇〇二年に三セクに移行した高岡市と新湊市を結ぶ地方鉄道・万葉線では地域と一体となった利用促進に取り組み、五年連続の利用者増を実現している。
一方、新社名は市内外から応募があった百五十件の中から、同対策協委員五人で構成する選考委員会で「ひたちなか海浜鉄道」と「ひたちなかはまぎく鉄道」の二案に絞り込み本間市長が最終決定した。選定理由について市企画調整課は「市民が支えるという意味でひたちなかを入れ、海のイメージから海浜を組み合わせた」と説明した。応募の中でも「ひたちなか海浜鉄道」が八件あり最も多かった。
三セク移行まで二カ月を切り市は今後、会社分割の認可申請や新会社の財務諸表の確定、定款やマーク、制服の作成などを順次進める方針。