応援バンドもお別れ

鹿島鉄道 沿線でラストコンサート


鹿島鉄道の応援歌などを披露するサウンドWrapのメンバー=石岡市で

 今月いっぱいで廃線となる鹿島鉄道(石岡−鉾田)を、オリジナル曲で応援してきた沿線企業の音楽バンド「サウンドWrap(ラップ)」が十七日、石岡市の鹿島鉄道石岡南台駅前で、沿線でのラストコンサートを開いた。

 サウンドWrapは同鉄道の「バンド列車」に三回、鉾田駅構内でのコンサートに三回出演。当初、運行最終日に開く予定だったが、「当日の人出が見込めない」と鉄道会社から断られ、この日開催した。

 駅前の広場には大勢の住民が集まり、存続運動の応援歌になったオリジナル三曲を含む八曲を演奏。一時間のステージを締めくくるアンコールの「鉾田線」では、観客が曲に合わせ手拍子して盛り上がった。

 家族で訪れた石岡市の会社員藤野勝之さん(50)は「初めて聴いたが、年代的になじみのある曲調で良かった」とニッコリ。

 メンバーが自治会関係者から「次は『よみがえれ鉾田線』を作って」と作曲依頼を受ける一幕もあった。

 リーダーの長谷川久さん(61)は「今日は感激して緊張した。廃線は残念だが、ずっと演奏し続けていきたい」と話していた。 (小沢伸介)