鹿島鉄道沿線高校校長連絡会 県の利用促進策に難色
2006/08/22(火) 茨城新聞
各校から厳しい意見続出
 鹿島鉄道の存続に向け、鹿島鉄道沿線高校校長連絡会が二十一日、小美玉市の県立小川高校で開かれ、県から高校生の通学利用促進策などが提案された。存続か廃止かを九月中に結論を出すことにしている県と沿線自治体で構成する鹿島鉄道対策協議会が打ち出した窮余の策。促進案にはバイクの自粛や懸賞定期券制度などが盛り込まれている。しかし、各校長からは不評で難色を示す意見が相次いだ。

 同校長連絡会には、石岡一高や鉾田一高など鹿島鉄道沿線の七高校の校長と県企画部、沿線自治体の担当職員が出席。利用促進策については、各校の生徒の利用状況や存続に向けた取り組みなどを聞いた後、県の企画部担当者から提案された。
 その中では、バイク通学の許可条件・運用を見直し、生徒に周知するほか、送迎通学の自粛を担任から保護者や各校のPTA会長に要請するなど通学定期の購入拡大に努めるとしている。
 定期券購入の拡大は、規制緩和による「懸賞付き定期券」制度を活用。九月からの新学期に向け、三カ月定期を購入した学生のうち、抽選で一等には宿泊付きディズニーランド2デーパスポート券(二組程度)をプレゼントするなどとした。
 県では、こうした促進策について「鹿島鉄道は通学定期の落ち込みが厳しい。企業(鉄道)が存続をためらう理由の一つ」と説明。
 存続か廃止かの結論は、廃止の場合には代替バスの運行計画を立てる準備が必要なため九月中がタイムリミットとし協力を要請した。
 これに対し、各校長からは「バイク通学は経済的負担が少なく保護者からは逆に規制枠を広げるよう求められている」などや、女子高校からは「むしろ女生徒には安全な自家用車での送迎を推奨したい」との厳しい意見が続出。学校側としてはバイクや送迎通学の自粛は強制できないとした。その上で生徒には廃線の危機にある鹿島鉄道の現状を訴え、利用促進が図れるよう協力することでは一致した。