2006年9月6日 茨城新聞

鹿島鉄道 存続へ5年で11億円
2006/09/06(水) 本紙朝刊 第1社会 A版 23頁
石岡市議会答弁 対策協に公的支援要請
 来年三月末での廃線届を関東運輸局に提出している鹿島鉄道(石岡−鉾田間、27・2`)の存続問題で、石岡市は五日、二〇〇七年度以降の公的支援額が五年間で約十一億円に上ることを明らかにした。同鉄道には沿線自治体や県が〇二年から五年間で約二億円の公的支援を実施中だが、今後五年間続けると五倍強の公的支援額が必要となる。今月中にも最終判断が迫られている存廃問題は、公的支援をめぐる沿線自治体や県を含めての協議が最大の焦点となりそうだ。

 同日開かれた市議会一般質問で、池田正文氏(自民)の質問に市執行部が答えた。
 それによると、沿線自治体と県で構成する鹿島鉄道対策協議会(会長・横田凱夫石岡市長)に対して、鹿島鉄道から提示された来年度以降五年間の運行に必要な公的支援は、当初七億七千万円。内訳は経常損益(赤字)五億三千万円、設備改善に二億四千万円。ところが、最近になって新たに車両二両分の導入など約三億三千万円が追加され、合計十一億円に上るとの説明があった。
 池田氏は質問の中で、これら公的支援をめぐり担当職員による事務レベル協議が難航、月一回開催予定の対策協議会が五月以降開催されていないことなどを指摘。
 これに対し中村栄企画部長は、沿線にチラシやポスターを配布するローラー作戦や、懸賞付き通学定期の発行など対策協議会として取り組んでいる利用促進策について説明。「あらゆる課題の整理に向け努力中だが、輸送密度が低下する中、支援金額はどんどん増え、沿線各市の担当者は大きなジレンマと戦っているところ」などと答弁した。
 最終判断が迫られている存廃問題について横田市長は、「今、何かが決定している状況ではない。ぎりぎりまで努力を重ね、しかるべき時期に対策協議会で何らかの結論を出す」と述べ、明確な答弁は避けた。