朝日新聞

愛称は「茨城空港」 09年度開港予定

2007年01月17日

民間共用化空港として09年度の開港を予定している百里飛行場(小美玉市)の愛称が、「茨城空港」に決まった。一般応募で上位に入り、全国にも浸透しやすいというのが理由だ。空港の整備自体は、国からの予算措置で09年度の開港に道筋がつきそうだが、地方の航空路線が削減されるなか、就航路線が確保できるかどうかが今後の焦点の一つになりそうだ。

 橋本昌知事が16日の会見で発表した。昨年7月から9月の募集に、県内外から地方空港の愛称応募数としては最も多い8266件が寄せられた。

 この中から「茨城(いばらき)空港」「茨城(いばらき)百里空港」「水戸空港」「百里空港」「霞ケ浦(かすみがうら)空港」の5点が有識者らでつくる会議で推薦され、県百里飛行場民間共用化推進本部が「茨城空港」を愛称として選んだ。

 応募は「水戸空港」が763件と最も多く、次いで「百里空港」が329件、「茨城空港」は190件で3番目だった。しかし、「水戸」だと所在地が異なるため利用者に誤解を与えかねず、「百里」は全国に浸透しにくい、という理由で落選。平仮名の「いばらき空港」案も出たが、大阪府の「茨木」と混同される恐れがあるため漢字の「茨城」が採用された。

 橋本知事は「簡潔でわかりやすく、英語表記にしても長すぎない」と述べた。
 09年度の開港については、今年度、空港整備費として国から計上された32億円では、滑走路整備に支障が出る懸念もあったが、国土交通省の社会資本整備事業調整費として14億円が閣議決定で上乗せされたことで、新年度の工事も順調に行われる見通しだという。

 県は北海道、大阪、福岡、沖縄の4路線を想定し、航空会社などと内々で交渉中。しかし、日本航空と全日空が地方路線の大幅削減に乗り出すほか、地方空港の利用客も伸び悩んでおり、橋本知事は交渉の感触として「全面否定ではないが、厳しいという反応がある」と話す。

 県空港対策室は、空港まで1時間以内に住む人を約310万人と推計。開港後の年間利用客数として81万人を見込む。同室は「北関東道の開通などアクセス面のメリットはある。今後は地元の自治体や企業と密に連携して、より具体的な利用客確保を進めることが必要になる」としている。

 県は今後、道路案内の整備やパンフレットの掲載を通して、空港名の浸透をはかるという。