●申請受理は「かしてつ応援団」のみ |
鹿島鉄道廃止で意見聴取 |
鹿島鉄道(本社土浦市、小野里忠士社長、石岡―鉾田間二十七・二`)が鉄道事業法に基づく事業廃止届を提出したため、関東運輸局鉄道部監理課は十日まで、意見聴取申請書を受け付けたが、九日現在の申請受理は、「かしてつ応援団」(団長・鬼沢友里小川高生徒会長)の一件のみに止まっている。NPO法人アサザ基金(飯島博代表理事)が七日に申請書を送付したが、これを含めても現段階では二件。同課は十日付の消印も有効と認め、今週末ぐらいまで待つ方針で、駆け込み申請の可能性はあるものの、現段階では低調に推移している。 かしてつ応援団は二〇〇二年七月に発足。現在、九つの中学の生徒会と七つの高校の生徒会が加盟、鹿島鉄道への公的支援を求める署名活動や応援募金活動、イメージアップ活動をなどを実施してきた。 鬼沢団長が高校生の通学になくてはならない鉄道であることや小中学生、高校生にとって日常の大切な交通手段であること、今後の地域づくりのためにも存続してほしいことなどを訴える方針。 アサザ基金は浜駅近くの霞ケ浦湖畔には国内でも有数のアサザ群落があり、満開となる八月から九月にかけて多くの花見客が訪れ、鹿島鉄道は毎年花見シーズンに「アサザ号」を走らせ、観光にも力を入れていると指摘。 鉄道沿線の休耕田にナタネやヒマワリを栽培、これを原料にバイオディーゼル燃料(BDF)を生産し、列車の燃料としての活用を提案する考え。景観の良い高浜入り沿岸を通るため、休耕田を菜の花やヒマワリで彩ることで、ほかに例のない観光資源とすることができると主張する。 同基金は地域産業と連携したビジネスモデルの提案の準備も進めており、鹿島鉄道の再建は十分に可能との観点から、事業廃止届の取り下げを求める方針だ。 鹿島鉄道は一九二四年、鹿島参宮鉄道として開業、地域の足として親しまれてきたが、〇一年八月に航空自衛隊百里基地への燃料輸送がトラック輸送に切り替わるなど、経営危機に陥っていた。 〇二年度から「経営改善五カ年計画」に基づき、公的な支援も受けながら、運行を継続していたが、今年度が支援の最終年度となっている。 |