2006年2月17日 茨城新聞
鹿島鉄道廃線の意向 関鉄支援打ち切り 厳しい経営状況にある鹿島鉄道(石岡−鉾田)は十六日までに、来年三月以降に鉄道業を廃止する意向を固めた。二十日開かれる「鹿島鉄道対策協議会」(会長・横田凱夫石岡市長)で正式に表明する。親会社の関東鉄道(本社土浦市)が、昨年八月に開業したつくばエクスプレスの影響で減収となり、財政支援が難しくなったのが理由。国交省への「廃止届」は廃線の一年前とされており、存続への支援が得られなければ三月中にも手続きに踏み切る方針。県と沿線市町村は存続に向けた協議を本格化する。 関東鉄道は先月二十七日の取締役会で鹿島鉄道の支援打ち切りを決議。これを受け、鹿島鉄道は廃線の意向を固め、二十日の対策協でメンバーの沿線市町村長や議長、そして県に、廃止届を出す考えを伝える。 鹿島鉄道は利用者減と航空自衛隊百里基地のジェット燃料輸送廃止で経営が悪化し、沿線市町村と県から二〇〇二年度−〇六年度までの五年間で約二億円の公的支援を受け運行。関東鉄道からも五年間で約三億円の財政支援を受け、廃線の危機を乗り越えてきた。 しかし、沿線の中・高校生徒会でつくる「かしてつ応援団」や地元NPOなどの支援活動にもかかわらず、経営改善は一向に進んでいないのが現状。〇七年度以降の公的支援が現在まで「白紙」の状態の上、関東鉄道が「つくばエクスプレスの影響で、高速バスや常総線の落ち込みが激しく相当の減収になっている」(関東鉄道)ため、これ以上の財政支援が望めないとみて、廃止の意向を固めたもよう。 対策協は二十日に鹿島鉄道から説明を受け、三月中にも現状などを分析し支援の在り方などについて協議する方針。 ただ、対策協事務局などによると、鹿島鉄道の乗降客は年間四万人ペースで減少。保安面でも一両一億五千万円する車両が老朽化していることやATS(列車自動制御装置)など耐用年数の時期にきているため、これまでの三、四倍の財政支援が必要としている。 |