2006年2月21日 朝日新聞

鹿島鉄道廃止準備へ 来月まで協議

2006年02月21日

廃線の可能性が高まった鹿島鉄道=石岡駅で

 県と沿線自治体、関東鉄道(土浦市)から財政支援を受けて運行を続けてきた鹿島鉄道(石岡〜鉾田)の今後のあり方について話し合う、鹿島鉄道対策協議会(会長・横田凱夫石岡市長)が20日夜、石岡市内のホテルで開かれた。親会社の関東鉄道が07年4月以降の支援打ち切りを表明し、鹿島鉄道も廃止準備を進める意向を示した。一方、もう一つの支援元である県と沿線自治体は存続を求めた。

 鹿島鉄道は02年度から06年度までの5年間、県や沿線自治体から約2億円、関鉄から約3億円の支援を受けて運行を続けてきた。

 協議会では、05年8月のつくばエクスプレスの開業で高速バス路線などが影響を受けた関鉄が、「会社創立以来の危機」と現状を説明。07年度以降の財政支援が難しくなったとし、1月末の取締役会で支援打ち切りを決めたと伝えた。

 小野里忠士・鹿島鉄道社長は「民間事業者として、鉄道を維持できる限界を超えている。支援がなければ継続は困難で、廃止届けを提出したい」とした。

 これに対し、沿線自治体からは「廃止ありきではなく、存続へ向け、努力する姿勢を示してほしい」とする意見が相次いだ。小野里社長は「提出期限は鉄道事業法で決められている。ただ、廃止届けを取り下げることもできるので、届け出提出即廃止ではない」とした。提出期限である3月31日まで、協議を続けることで一致した。

 協議会後、小野里社長は「3月末までに支援策がまとまらない場合には、廃止届けを提出することになる」とし、「親会社からの支援がないと、金融機関からの資金繰りが苦しくなる。支援額を肩代わりしてもらえば済むという問題ではない」と話した。

 鹿島鉄道は乗客数の減少や、01年に航空自衛隊百里基地への燃料輸送が打ち切られたことで経営難が表面化した。