2007年1月11日 茨城新聞

3月廃止の鹿島鉄道 代替バス新たに6系統
2007/01/11(木) 本紙朝刊 総合1面 A版 1頁
4月から関鉄子会社が運行計画
 鹿島鉄道(石岡−鉾田間)の廃止に伴う代替バスの運行計画について、関鉄グリーンバス(本社・石岡市行里川、鈴木信男社長)は十日、一般乗合旅客運送事業の路線延長変更認可申請書を国交省関東運輸局茨城運輸支局(水戸市)に提出した。関鉄グリーンバスでは、廃止となる鹿島鉄道線の石岡駅−鉾田駅間の一部で路線バスを運行しており、今年三月三十一日での廃止後の代替交通機関として路線の延長計画を申請した。運行開始予定日は四月一日から。
 計画によると、新設の運行路線(回数)は六系統=表参照。鹿島鉄道線に沿った運行を基本に、バス路線の延長を図り通勤・通学者など利用者の利便性を考慮して設定した、としている。
 運賃は、初乗りが百六十円で最長距離の石岡駅−鉾田駅間(三十四・一`)千四十円、石岡駅−玉造駅間(十九`)七百十円、鉾田駅−玉造駅間(十五・一`)五百七十円。鉄道に比べ石岡駅−鉾田駅間(鉄道千八十円)を除き、十円から五十円ほど高くなる。
 定期割引率は通勤が30%引き、通学が十五`まで40%引き、十五`超80%引き。ただし、鉄道沿線の高校在校生に対する措置として、通学十五`まで二年間に限り50%引きなど特殊割引を適用する。時刻表についても、通勤・通学の利用者を中心に朝夕ともJR常磐線の接続に合わせダイヤを組んだ。
 同社は、関東鉄道(本社・土浦市)の子会社で、代替バス運行に伴い乗務員十人の増員とバス六台(中古)を購入した。だが路線延長計画について、同社では「沿線の路線環境(需要見込み)から相当厳しい事業経営であることが予想される」としている。

■新設運行路線(6系統)=平日運行。土・日・祝日は特別ダイヤ
@石岡駅−南台2丁目−石岡商業高校−小川駅−玉造駅−榎本−鉾田駅(30便)
A石岡駅−南台2丁目−石岡商業高校−小川駅−玉造駅(11便)
B石岡駅−南台2丁目−石岡商業高校−小川駅(11便)
C石岡駅−南台2丁目−石岡商業高校−大谷津−石岡駅(12便)
D鉾田駅−榎本−玉造駅(2便)
E石岡駅−大谷津−栗又四ケ−小川駅−玉造駅(1便)


2007年1月11日 常陽新聞

●鹿島鉄道廃線で、代替バス路線を申請
通学定期に特殊割引を適用
関鉄グリーンバス(鈴木信男社長)は十日、三月末で廃線が決まった鹿島鉄道(石岡―鉾田、二十七・二`)の代替バス路線運行計画を国土交通省茨城運輸支局に提出した。

石岡駅から石岡市南台方面と、鉾田駅から行方市(旧玉造町)上山までの県道小川鉾田線には現在、同社のバスが運行しており、これらを両端にルートを延長し、上山地区から旧玉造市街地を経て国道355号を石岡市に向かうルートが中心となる。

また、通学定期については二年間、通学距離十五`まで45―50%割引く特殊割引を適用し、鉄道利用の在校生に対する廃線の影響を極力避ける。

新設する路線系統は六系統。石岡―鉾田を結ぶ直結ルートに加え、石岡―玉造駅間に二系統(南台団地経由と大谷津経由)、石岡―小川駅に一系統、石岡駅から南台団地を循環して同駅に戻る「南台団地循環系統」、そして鉾田―玉造駅間に一系統。

平日の運行は石岡―鉾田間が一日十五往復。石岡―玉造駅間は南台団地経由が石岡発五便、玉造発六便、大谷津経由が石岡発のみ一便。石岡―小川間は小川発が六便、石岡発が五便。南台団地循環系等が内回り(大谷津先回り)、外回り(南台先回り)各六便。鉾田―玉造間が一往復。土日祝日は大幅に減便し運行する見通し。

運賃は全路線初乗りが百六十円。石岡―鉾田が千四十円(鹿島鉄道は千八十円)、石岡―玉造が七百十円(同六百七十円)、石岡―小川で三百九十円(同三百七十円)、石岡―南台団地は百七十円。

定期割引率は通勤が30%、通学が十五`まで40%、十五`超が80%。ただし、十五`までについて二年間特殊割引を適用し、〇八年三月末まで50%、〇九年三月末まで45%として鉄道利用の在校生が卒業までの間に配慮した。路線についても通勤通学利用者の利便性を考慮し設定したとしている。

同社では「鉄道廃止後の代替交通確保の役割を十分認識し、社会的責任を果たす代替バス路線を計画した。しかし、沿線の利用需要見込みから見てもかなり厳しい事業経営が予想される」としており、今後、沿線住民をはじめ通勤通学利用が代替バス維持の大きなカギとなる。


朝日新聞

鹿鉄廃線受け 代替バス計画申請 関鉄グ

2007年01月11日

 鹿島鉄道(石岡―鉾田)の廃線決定を受け、関鉄グリーンバス(石岡市)は10日、国土交通省関東運輸局に代替バスの運行計画の認可申請をした。ほぼ鉄道に沿って、全線をカバー。鉄道に比べて運行本数は減るが、同社によると、鉄道の乗降調査をもとに、区間を区切って効率的な運行を図った結果という。4月1日に運行を開始する。
 現行の鹿島鉄道は、石岡から玉里、常陸小川、玉造町などを経由し、鉾田まで17駅27・2キロを57分で結ぶ。初乗り150円で、石岡―鉾田1080円、石岡―常陸小川370円。上り43本、下り43本(玉里、常陸小川折り返しを含む)。
 代替バスの路線は、鉄道にほぼ並行して走り、石岡駅―鉾田駅、石岡駅―玉造駅、鉾田駅―玉造駅など6系統。上り計34便、下り計33便。鉄道の利用実態にあわせて折り返し区間を設定し、始発時間も遅くしたという。停留所は全系統で63カ所あり、車両6両、乗務員10人で運行する。
 新系統のうち、石岡駅―鉾田駅34・1キロは、所要時間75分、運賃1040円。初乗りは160円で、石岡駅―小川駅390円という。

2007年1月11日 東京新聞

鹿島鉄道 3月末で廃線

関鉄グリーンバス 代替バスの運行計画

 鹿島鉄道(石岡−鉾田)が三月末で廃線となることが事実上決まったのを受け、関鉄グリーンバス(石岡市)は十日、四月一日以降の代替バス運行計画をまとめ、関東運輸局茨城運輸支局に路線延長の認可申請書を提出した。 (小沢伸介)

 申請では、石岡駅から鉾田駅の間で六系統を新設。このうち、石岡市の南台団地内は四系統が巡回する。ルートは鉄道とほぼ同じだが、停留所は最寄り駅だけでなく、沿線住民の利便性を高めるため集落ごとに三十九カ所を新設する。

 運行本数は、平日が石岡方面の上り三十四便、鉾田方面の下り三十三便で、鉄道よりも二割程度減るが、朝夕のラッシュ時はおおむね二十分間隔で走らせる計画で、鉄道と変わらないという。

 運賃は従来の運行距離で換算すると八十−九十円上回るが、鉄道に近づけるよう低く抑えた。通学定期の割引率は、本来40%だが、現在の高校生のために経過措置として割引率を高めた。

 同社は、代替バス運行のため車両六台の購入と乗務員十人の新たな雇用を予定している。乗務員の訓練や人件費、停留所の整備などで、資本金の三千万円を上回る負担が発生する見込みだ。

 担当者は「鉄道利用者の歩留まりが四割ならいい方。当初から大赤字を予想している」と話す。このため、四月から三カ月間の利用状況を見極めて、夏休み前には運行計画を見直すという。