2006年1月10日 茨城新聞

         鹿島鉄道 かしてつ存続リストバンド 実行委、沿線で販売

 3月にメッセージ発信会
 鹿島鉄道(石岡−鉾田)存続への熱いメッセージを伝えようと、「かしてつブルーバンドプロジェクト実行委員会」(菅原太郎委員長)は今月中旬、シリコン製リストバンドを作製し沿線にある店舗で販売する。同鉄道支援が目的で一万個を用意。店頭で販売するほか、沿線の中学・高校生徒会でつくる「かしてつ応援団」の生徒らの署名や募金活動に協力した住民にも手渡し、活動の輪を広げる。

 鹿島鉄道は、乗客の減少などで経営が悪化したため、石岡市など沿線自治体と県から二〇〇二年度−〇六年度までの五年間で約二億円の公的支援を受け、廃線の危機を乗り越え運行している。
 しかし、現在の経営状況では、〇七年度以降も公的支援なしでは存続が困難なうえ、親会社の関東鉄道(本社土浦市)が「今後の支援は困難」としていることから再び存続問題が浮上した。
 こうした状況の中、かしてつブルーバンドプロジェクト実行委員会が昨年十一月に結成。メンバーは石岡市内で活動している「NPO法人まちづくり市民会議」や「かしてつ応援団」、鉄道愛好家の「関鉄レールファンclub」の会員や高校生たち。従来の活動を基本により強固な結束で鹿島鉄道の公的支援継続を求める目的でリストバンド作製を計画した。
 作製個数は一万個。バンドの色はブルーで、本体に刻まれるメッセージは「Love(ハートマーク) Forever KASHIMA RAILWAY」。内側には英文字で同プロジェクトの名前入り。バンドのデザインなど今回の広告活動全般は、行方市(旧玉造町)に事務所を構えるデザイナーの藤代範雄さんが担当した。
 バンドは当初、鹿島鉄道沿線のカスミ石岡東店、同小川店、同鉾田店の三店舗に募金活動の一環として置く。一個百円程度で売り、益金は駅舎やトイレの修繕などに役立てるという。
 また、かしてつ応援団の生徒たちが行っている署名・募金活動に協力した住民にもバンドを配布するほか、同運動に賛同する企業などにも広く声を掛け一人でも多くにバンドが行き渡るよう活動を展開。三月には存続に向け住民の熱いメッセージを伝える「メッセージ発信会」を開催する。
 菅原委員長は「ブルーバンドは期間限定のプロジェクトで、一人でも多く地域住民の方に参加してもらい行政側に公的支援の継続などを訴えたい」と話している。