スマートIC 石岡、小美玉が綱引き 両市境界に設置へ |
2007/01/08(月) 本紙朝刊 総合1面 A版 1頁 |
常磐自動車道千代田石岡インターチェンジ(IC)−岩間IC間に、石岡市と小美玉市がそれぞれ新たなICの設置を目指していた“綱引き”は七日までに、県の調整もあってスマートICを一カ所、両市の境界付近に建設するという折衷案で双方がほぼ了解した。県と二市は社会実験の早期開始を目指し、年度内に国へ申請する。 常磐道千代田石岡−岩間IC間の距離は約十四・四`。石岡市は同市北府中の県道石岡筑西線との交差部周辺に従来型の本格IC、小美玉市は同市羽鳥の美野里パーキングエリア(PA)にスマートICの建設を計画するなど、「二市がほぼ同時に手を上げた」(県道路建設課高速道路対策室)。 ただし、従来型の本格ICは建設費が四十−五十億から場合によっては百億円近くかかる。一方で、美野里PAは駐車スペースが限られており、狭いエリアを縫うようにスマートIC利用の車両が通過するのは安全上の問題が生じる可能性があるなど、どちらも決め手に欠けていた。 国土交通省が昨年七月にスマートIC社会実験の制度実施要綱を公表。その後、全国初の本線直結型となる水戸北スマートICの社会実験が認められたことを踏まえ、石岡市も従来型の本格ICからスマートIC設置に方針を転換した。 しかし、施設の恒久化を視野に入れたスマートIC社会実験を約十四`間で二カ所実施することについて、費用対効果の側面から同省は難色を示した。このため県が両市の間に入って調整し、園部川を挟んだ両市の境界付近に本線直結型のスマートICを一カ所建設することで、双方の了解がほぼ得られた。 境界付近であれば、国道355号との行き来も容易で、県と市町村が二〇〇九年度開港を目指す百里飛行場へのアクセスも便利になる。 県と両市は国交省への実施計画書提出・実験申請を年度内に終えようと、スマートIC設置場所の詳細な調査・検討や関係機関との協議を続けている。 県道路建設課高速道路対策室によると、事業採択されれば、用地買収や施設工事、機器設置を経て、遅くとも〇八年度には社会実験が始められる見込みという。(仁平克幸) スマートIC ノンストップ料金収受システム(ETC)搭載車専用のコンパクトなインターチェンジ。県内では2005年7月から常磐自動車道友部サービスエリア(SA)で社会実験が開始され、昨年10月に恒久化された。さらに、水戸市の同自動車道と国道123号との交差部に昨年9月、全国初の本線直結型の水戸北スマートICが設置され、社会実験が続けられている。東海村も同自動車道東海パーキングエリア(PA)への設置を目指し、本格検討に着手する。 |