“かしてつ祭り”新聞記事
2006年8月27日開催
茨城新聞
かしてつ祭り 多彩なイベント展開 鹿島鉄道の良さ知って
2006/08/28(月) 本紙朝刊 県内総合 A版 20頁
鹿島鉄道の存続に向けたPRイベント「かしてつ祭り8・27」(かしてつブルーバンドプロジェクト実行委員会主催)が二十七日、同鉄道の各駅で開かれ、大勢の沿線住民や鉄道ファンらが参加。いばらき大使・マイク眞木さんのトークショーやスタンプラリーなど多彩なイベントでにぎわった。
この日は通常千百円の一日フリーきっぷを百円で販売。各駅でスタンプラリーや沿線地域の物産展などさまざまなイベントを開くとともに、鹿島鉄道存続再生基金への寄付予約やブルーバンドの販売などを行い、参加者に支援を呼び掛けた。
マイク眞木さんは同日夕、行方市玉造甲の玉造町駅でトークショーとミニコンサートを開いた。マイク眞木さんは同鉄道に乗った感想を「初めて乗ったのに(乗客)みんなが親しくて、うれしくなった」と語った。その上で「こんなに情緒と人情味の詰まっている路線をなくしてはいけない。地域の財産として後世に残そう」と述べ、来場者に協力を訴えた。
かしてつ祭りは、同鉄道の支援活動にかかわっている十団体が参加した。かしてつブルーバンドプロジェクトの菅原太郎実行委員長は「一人でも多くの人に鹿島鉄道の良さを知ってもらう機会になれば」と話していた。また、この日は予想以上の人出のため、上下線で最大十六分の遅れが出た。(栗橋真澄)
朝日新聞
鹿鉄存続訴え祭り 親子ら2千人乗車
2006年08月28日
鹿島鉄道の存続を訴える「かしてつ祭り」が27日、同鉄道の主な駅でさまざまなイベントが行われた。この日は夏休み最後の日曜の上、祭りの呼び物として普段1100円(大人)のフリー切符が100円とあって、約2千人の親子連れなどでどの列車もいっぱい。同鉄道では、車両を2両連結にしたりして対応したが、ダイヤが最高で20分遅れるなど、予想以上のにぎわいだった。
祭りはかしてつブルーバンドプロジェクト実行委員会主催で、同鉄道の存続活動を続けているかしてつ応援団や関鉄レールファンCLUB、NPOアサザ基金などの支援団体が初めて合同で取り組んだ。
カラオケ列車や記念スタンプラリー、車両を使った公開講座などが人気を集めた。玉造町駅でのトークショーに出演した歌手のマイク真木さん(いばらき大使)は、初めて同鉄道に乗った。「列車の縦揺れと木の床のオイルのにおいが妙になつかしかった。この鉄道はいろいろな付加価値を持つ財産。なくすのは文化国家として恥ずかしい」と話していた。
讀賣新聞
イベントで廃線救え! 鹿島鉄道石岡〜鉾田
鉄道ファンや地元住民で混雑する石岡駅
廃線の危機にある鹿島鉄道の利用を促そうと、石岡―鉾田駅間で27日、イベント列車を運行したり、関連商品を販売したりする「かしてつ祭り」(かしてつブルーバンドプロジェクト実行委主催)が開かれた。地元住民や鉄道ファンら約2000人が駆け付け、お目当ての列車に乗り込んだ。
石岡駅では、過去に運行したイベント列車のヘッドマークが展示され、カメラを持ったファンが盛んにシャッターをきっていた。また、列車内でカラオケができるイベント列車「風土記花暦号」も運行された。
鹿島鉄道によると、石岡駅を発車した列車は、ほとんどが乗車率100%を超え、乗り切れずに次の列車を待つ人もいた。初めて鹿島鉄道を利用したという鉾田市柏熊の大貫裕太君(4)は「車両がかっこよかった。また乗りたい」と笑顔を見せた。
同プロジェクトの菅原太郎実行委員長(29)は「鉄道は、一度無くすと復活は難しい。古里の財産を責任を持って守りたい」と話していた。
(2006年8月28日 読売新聞)
毎日新聞
散歩道:各駅に利用客詰めかける−−かしてつ祭り /茨城
来年3月での廃線を表明している鹿島鉄道(石岡−鉾田、27・2キロ)の存続を求めて沿線住民らでつくる「かしてつブルーバンドプロジェクト実行委員会」などが27日、「かしてつ祭り8・27〜鹿島鉄道・熱狂の日〜」を同鉄道の各駅で開いた。
玉造町駅前で野外コンサートやトークショーが開かれたほか、石岡駅では音楽祭や鉄道グッズ販売があった。常陸小川駅では沿線の中高生らが存続運動の資料を展示した。1日乗り放題切符が大人100円(小人50円)で販売されたため、各駅のホームには多くの利用者が詰め掛け、乗り降りでダイヤが遅れるほどの盛況ぶりだった。【清野崇宏】
毎日新聞 2006年8月28日
常陽新聞
●盛況だった「かしてつ祭り」
鹿島鉄道の存続願い啓発
来年三月末で廃線の危機を迎えている「鹿島鉄道」(石岡―鉾田、27.2`)の存続をかけて二十七日、全線を挙げて「かしてつ祭り 8・27」(かしてつブルーバンドプロジェクト実行委主催)が開かれ、県内外から大勢の利用者が訪れた。
午後には乗客を積み残す駅も現れるほど。列車の混雑は終日続き、夏休み最後の週末を盛り上げる大イベントとなった。なお、九月には県と沿線自治体で構成する「鹿島鉄道対策協議会」が存続の是非を最終判断するぎりぎりの局面にあり、関係者は今回の盛り上がりを存続の力にと、祈りを込めている。
しかし、日常利用が逓減傾向にある中、決め手となる打開策はいまだつかめず、存続には極めて厳しい状況が続く。
予想以上の利用に駅職員はもとより、沿線で列車を見つめる住民も驚きの表情だった。いつもの休日ならまばらな利用者も、この日は往年の旧鹿島参宮鉄道の混雑ぶりをほうふつとさせる利用者が訪れた。
乗降にはいつも以上に時間がかかり、運行ダイヤも遅れ気味に。十分から三十分遅れの時間帯も生まれ、駅職員も対応に追われた。
午後二時近くには常陸小川駅下りホームにあふれるほどの利用者が訪れ、鉾田方面に向かう列車はすし詰め状態。積み残しも出て、中には先行きを断念して石岡方面に戻る利用者も出るなど、混雑はピークを極めた。
同駅で孫とともに列車を待っていた加藤しのさんは「昔を思い出すような混雑ぶり。いつもこれぐらい混雑していればなくなる(廃線)なんてないのにね」と感慨深げの様子だった。
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廃線の危機によるお別れ需要もさることながら、好評の最大の要因は格安の一日フリー切符。通常一日千百円が大人百円、小人五十円の破格値が大きくヒットした。差額はこれまでのブルーバンド募金で補てんする利用者還元も歓迎された。
また、記念スタンプラリーも好評。石岡駅ホーム、常陸小川駅、玉造町駅、鉾田駅に、それぞれかしてつ応援団作成のスタンプを置き、フリー切符とともに配られる台紙に四駅のスタンプを集めた先着二百人に同鉄道公認菓子「走れ!鹿島鉄道」をプレゼントするゲーム感覚も夏休みの家族連れにヒットした。
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このほか、石岡、常陸小川、玉造町、鉾田の各駅で各地元の市民団体などが存続を祈り、郷土物産品の販売や趣向を凝らしたイベントを展開。石岡の市民グループはイベント・カラオケ列車「風土記花暦号」を「祭り」に合わせて運行し、にぎわいに花を添えた。
玉造町駅では、物産展のほか、駅コンサートも開催。県立石岡商業高校吹奏楽部の演奏や、午後後四時からは、いばらき大使も務めるマイク真木さんが、かしてつブルーバンドプロジェクト実行委の菅原太郎委員長とトークショーを繰り広げ、名曲「バラが咲いた」でフィナーレを迎えた。
鉾田駅周辺では地元の夏祭り鉾神社祭礼に合わせて農産物産直販売が人気。また、スタンプラリーの企画に誘われ、家族連れで同駅にまで足を伸ばした子どもたちには、レールなどの保守点検などで利用された軌道自転車の運転体験や、ミニチュア列車の運行展示が人気を集めた。