2008年7月8日 茨城新聞

鹿島鉄道跡 バス専用化にめど
検討委 需要や事業効果判断
 鹿島鉄道の線路跡をバス専用道として民間バスを運行させるバス高速輸送システム(BRT)の実現可能性を探る「かしてつ跡地バス専用道化検討委員会」(委員長・石田東生筑波大学院教授)は七日、石岡市内で第三回会合を開いた。需要予測や費用対効果の面から、BRTはおおむね、めどが立つと結論付けた。

 次回会合で最終結論をまとめ、県と石岡市、小美玉市に報告する。
 前回の会合で、報告された需要予測が委員から「若干甘いのではないか」と指摘されたことを受けて、より精度を上げ需要想定をした結果、前回同様に一日の乗降客は千六百人程度と算定した。
 費用対効果では、専用道化でバス利用者は速達性、定時性が確保されるほか、並行して走る国道355号線がバスへの転換により渋滞緩和につながるなど、行政が投資しても十分に事業効果が得られると判断した。
 整備費は概算で約六億八千万円。バス専用道としての道路改造、バス停や信号機設置などで約五億八千万円、バス購入費五台(うち一台は予備車両)約一億円としている。
 県と石岡市、小美玉市の負担は、国の補助事業などを組み入れると、三億五千万円程度になると見込んでいる。
 石田委員長は「BRTにめどが立っても、このまま何もしなくても沿線住民が利用してくれるほど甘くはない。速やかに住民を交えた協議会を発足させ、バス専用道化の機運を高めることが大切」と話した。