2008年2月19日 朝日新聞

鹿島鉄道の最後の2車両、有志3人が購入
2008年02月22日

茨城県の旧鹿島鉄道鉾田駅跡地に残された2車両を、保存運動グループ「鉾田ネバーギブアップかしてつ」(吉田亜里子代表)の有志3人が買い上げ、敷地を借りて「鉾田駅保存会」をつくった。今後、イベントなどを開き本格的な保存を呼びかけていく。

買い上げた車両の整備などにあたる永岡さん(右)=茨城県鉾田市の旧鹿島鉄道鉾田駅跡地で 

 買い上げたのは石岡市の永岡久征さん(36)ら3人で、いずれもネバーギブアップのメンバー。グループは廃線になった同鉄道鉾田駅跡地を鉄道公園にしようと昨年5月から寄付金集めを展開。親会社の関東鉄道と交渉してきた。しかし、寄付予約は751万5千円と、関鉄側の車両を含めた跡地価格8800万円と大きな開きがあり、断念した。11月には鉾田市議会に跡地買い取りの請願を提出した。

 ただ、関鉄側は08年初めには跡地を整地、車両もスクラップにするとの意向を示したため、危機感を感じた3人は別に「鉾田駅保存会」を作り、資金を出し合って1両三十数万円で購入。駅跡地の一部約3300平方メートルを「格安の価格」(永岡さん)で賃借した。契約期間は2月1日から1年。

 手始めに、国内では現役最古の車両だった「キハ601」を旧ホームのそばで県道からも見える位置に移動して保存活動の継続をアピールした。日曜などにはボランティアも手伝って車両の整備や清掃に当たっている。

 永岡さんらは「鹿島鉄道で本線に残っているのはここの2両だけ。鉄道がここにあったという記念にも鉾田駅跡地に残したい」と話す。

 ネバーギブアップの吉田代表は「行政や市議会などの意見を聞きながら、(保存会の活動を)応援していきたい」とバックアップする構えだ。