2008年2月1日 読売新聞

鹿島鉄道跡地バス専用道化へ 検討委
石岡―常陸小川間 7月までに具体策

現地を視察し説明を聞く委員たち(鹿島鉄道の旧新高浜駅で) 県と石岡、小美玉両市は31日、廃線となった鹿島鉄道の旧石岡―旧常陸小川駅間(約7キロ)の線路跡をバス専用道として整備し、民間のバスを走らせる「バス高速輸送システム」(BRT)の実現に向け、「かしてつ跡地バス専用道化検討委員会」(委員長=石田東生・筑波大教授)の初会合を石岡市内で開いた。初会合では、専用道の整備方法などテーマごとに作業部会を設置して検討を進め、7月までに具体策を取りまとめる方針を決めた。自治体が道路を整備し、民間会社がバスを運行させるという形のBRTが実現すれば、全国初となる。

 委員会は、県などのほか、国土交通省関東地方整備局、代替バスを運行している関鉄グリーンバス、県警などの担当者で構成され、計21人が参加した。

 初会合の冒頭で、石田委員長は「全国的にも注目度の高いプロジェクトで、茨城から新しい公共交通のあり方を提案できると考えている」とあいさつした。作業部会は、専用道と一般道を交差させる方法、利用促進策などのテーマごとに設置する。また、事業効果を把握するため、沿線住民や事業所を対象としたアンケート調査を3月までに実施することや、線路跡と並走する国道355号の交通量の調査を2月中旬に行うことも決めた。会合は今後、3回開く予定だ。

 初会合に先立って、委員は計画区間にある駅を視察し、跡地の幅員や一般道との位置関係を確認した。

 ただ、計画は、跡地を保有する鹿島鉄道が土地を無償譲渡か無償貸与することを前提としている。これに対し、鹿島鉄道は売却を望んでいるとされ、石岡、小美玉両市は同社と交渉していくとしている。石田委員長は会合後の記者会見で、「茨城空港の開港予定の2009年度に開通を合わせたいという希望はあるが、7月ごろまでに用地問題が片づかないと(計画は)厳しくなる」との見方を示した。