2007年8月31日 朝日新聞
2007年08月31日
廃線となった鹿島鉄道鉾田駅の敷地と車両を市民の手で買い取り、公園にするため「鉾田ネバーギブアップかしてつ」(代表、吉田亜里子さん)が始めた募金活動が不調だ。8800万円の目標額には「遠く及ばない現状」(吉田さん)。同鉄道が示した買い取り期限まで残り2カ月と迫った。メンバーは1日に恒例の「かしてつイベント」を開催し、改めて募金を呼びかける。
このグループは今年2月、鹿島鉄道の存続を求めて結成された。スウェーデンから鉾田市に移住したヤーン・ヘニックスさんらメンバーが地元産の野菜を配るなどの活動を続けたが、3月末で廃止されたため、5月からは旧鉾田駅を中心にした鉄道交通公園をつくろうと募金活動を始めた。
買い取るのは1万平方メートルの土地と車両3両。募金は一口千円の予約制で、7月末までの予定を10月末まで延長した。しかし、6月に鉾田駅舎が取り壊されるなど、市民の間にあきらめムードもあって募金は進んでいない。
それでもメンバーたちはネバーギブアップ精神を発揮。毎月第1土曜日に「かしてつイベント」を開催してきた。1日は午前10時から、ホームに車両を止め、車内を開放する。車内ではおもちゃのレールに列車を走らせて遊ぶ。人力トロッコやフリーマーケットも開催する(雨天の場合はいずれも中止)。
吉田さんらは「行政も静観している現状を何とか打破し、鉾田駅舎を復元させ、まちの駅として活性化を目指したい」と張り切っている。