2007年6月3日 茨城新聞

月内解体予定の旧鹿島鉄道鉾田駅 市民らに車内開放
2007/06/03(日) 本紙朝刊 県内総合 A版 20頁
「懐かしい」別れ惜しむ
 月内に解体予定の旧鹿島鉄道鉾田駅(鉾田市鉾田)で二日、現地保存中の気動車をホームに動かし、車内を一般開放するイベントが開かれ、大勢の鉄道ファンや市民らが消えゆく駅舎と列車に別れを惜しんだ。

来月からフリマ
 企画したのは、地元の市民団体「鉾田ネバーギブアップかしてつ」(吉田亜里子代表)。同団体は、鉾田駅や現存車両の保存による交通公園の整備を呼び掛けている。
 ホームに入ったのは、二両編成の気動車。列車が動きだすと、ホームに鈴なりになって待ち構えていた鉄道ファンらの間からは拍手がわき起こった。ファンや親子連れらは車内に乗り込むと、早速客席に座ってシートの感触を味わったり、運転席や車内の様子をカメラやビデオカメラで撮影。記念撮影する人の姿も見られた。
 列車を動かしたのは、旧鹿島鉄道の親会社・関東鉄道の社員四人。運転した佐々木和夫さん(55)=行方市浜=は「まだまだ現役車両として使えます」と太鼓判を押していた。
 鉾田市内から孫二人を連れて訪れた主婦(59)は「若いころは利用していたが、最近は乗ったことがない。孫にせがまれて来たが、懐かしい」と話していた。
 鉾田ネバーギブアップは今後、来月七日を皮切りに解体後の駅跡地で「ネバーギブアップかしてつマーケット」と名付けたフリーマーケットを月一回開催。交通公園実現に向け、車両などの保存運動を盛り上げていきたいとしている。