2007年5月27日 茨城新聞
茨城交通湊線存廃で講演会 存続にあふれる熱気 ひたちなか |
2007/05/28(月) 本紙朝刊 県内総合 A版 20頁 |
ひたちなか市内を走る茨城交通湊線の存廃問題で、廃線の危機を乗り越えるための全市的な盛り上げを図る「湊線を存続させるための講演会」(湊鉄道対策協議会、おらが湊鐵道応援団主催)が二十七日、同市青葉町の市文化会館で開かれた。地方鉄道の可能性に関する講演や湊線の利用増に向けた斬新な提案などが行われ、会場は存続に向けた熱気に包まれた。 湊線を考える集会は三月に旧那珂湊地区で開かれたのに続き二回目。定員四百人の会場は満杯で、市民の高い関心をうかがわせた。 冒頭で同協議会長を務める本間源基市長は「市民のために残していかないといけないが、一方で支えるのも市民。公共交通を残していくのは地域の使命だ」とあいさつ。茨城交通の竹内雄次常務は事業者としての一層の経営努力を強調した上で「市民、行政により主体的に参画していただく形をつくっていかないといけない」と述べ、分社化の検討も行われていると説明した。 基調講演した大東文化大の今城光英副学長は苦境が続く地方鉄道の中でも存続・復活の動きが出ている現状を説明。「社会的なインフラである鉄道をぜひとも新しい時代に活用してほしい」と呼び掛けた。 第三セクターとして存続を実現した富山県にある万葉線の吉田千秋総務課次長は市民、行政、事業者が一体になった取り組みを説明し「みんなで頑張ればどうにかなる」とエールを送った。 県、市から委託を受け湊線再生の調査を行ったライトレール社の阿部等社長は、利用促進に向けて良好な線路状況を踏まえたスピードアップによる本数増加を提起。勝田駅東口から直接ホームに入れる改札の新設なども提案した。 最後に、旧那珂湊地区にある県立高校三校の生徒が「通学になくてはならない鉄道」「愛着ある電車として走り続けてほしい」などと訴えた。 |