2007年05月24日
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龍ケ崎市歴史民俗資料館前に保存されているSLの現役復帰を目指す小林さん(右端)ら=同市で |
「龍ケ崎市内にSLを走らせよう」。同市商工会青年部(小林隆紀部長)が、市歴史民俗資料館前に展示保存されているSLの現役復帰を目指して動き出した。市街地を走る関東鉄道竜ケ崎線にレトロなSLを登場させ、街の活性化につなげようとの試み。まずはその費用の一部にと空き缶の回収を始めた。名づけて「カン(缶)バックSL大作戦」。(高橋茂樹)
歴民館前に保存されているSLは1925(大正14)年に製造された。子どもたちにテレビや絵本で人気の「きかんしゃトーマス」を思わせる小型機関車だ。県内の私鉄では最古の歴史を誇る佐貫―竜ケ崎駅間4・5キロの関鉄竜ケ崎線で走り続けた。65年に現役引退。沖縄県の久米島に売却されたが、文化財的価値を評価され、81年に買い戻された。
SL復活の話が持ち上がったのは2月。商工会青年部の商店街クリーン作戦の打ち合わせの席上。「単なるクリーン作戦では動きが鈍い。何か目的が欲しい」「商工会女性部はコロッケでの街おこしで盛り上がっている。青年部も行動しよう」「SL(トーマス)は子どもたちに夢を与え、高齢者にも懐かしいはず」と意気投合。相談を受けた市商工会や市商工観光課も「夢があっていい」と支援、県商店街活性化コンペ事業にも応募することを決めた。
問題は費用。42年ぶりに走らせるとなれば約7千万円かかるともいわれている。小林さんらはこのほど土浦市の関鉄本社に出向いて「一緒に行動しませんか」と呼びかけた。同鉄道総務部企画課の大塚聡課長は「竜ケ崎線の厳しい経営環境にあってありがたい話だが、動かせる機関士の確保や費用の面など難しい問題もある。こちらも情報提供し、さらに具体的な計画が出れば一緒に検討していきたい」と話す。
小林さんらは「費用はカンパを呼びかけたりしてたとえ何年かかっても夢を実現させたい」とし、「このSLが街を動かす牽引(けん・いん)車になってほしい