2007年05月24日
ギャラリーに展示される米国の会社の1919年の製造刻印のあるレール=下妻市で |
関鉄レールファンCLUB(十文字義之会長)が26日、関東鉄道常総線の下妻駅構内に「しもつまステーションギャラリー」を開設。廃線となった鹿島鉄道石岡駅構内で見つかった88年前の米国製のレールを展示する。鹿島鉄道の軌道内に残ったものでは最も古いレールとみられるという。(金森定博)
同会は6年前に県内外の鉄道愛好家で結成し、現在の会員は37人。関東鉄道の子会社の鹿島鉄道が廃線の危機にあった際、鉾田駅舎内にギャラリーを開設。写真展や電車の模型の運転会などを開いてきた。同鉄道が3月末で廃線になったのに伴い、下妻駅にギャラリーを移した。
ギャラリーは旧保線区事務所を再利用し、関東鉄道などの80分の1や150分の1の電車の精密模型の運転、沿線の写真、古い切符箱などの資料を展示する。
その目玉の一つとして展示するのが、鹿島鉄道の旧石岡駅構内で見つかった米国製の88年前のレール。鹿島鉄道の廃線に伴い、石岡駅のホームや構内軌道の撤去作業が進められたが、本社事務所前のポイントの一部にこのレールが使用されているのを、十文字さんが発見した。米国のラッカワンナ鉄鋼会社が1919(大正8)年に製造した刻印があった。
鹿島鉄道は1924年に鹿島参宮鉄道として開業。同会の調査では、石岡機関区や鉾田駅など5駅の構内本線や側線の一部で開業当時の輸入レールを確認しており、線路沿いの古いレールを利用した柵(さく)では1888年製のレールが確認されている。だが、軌道内に残っているレールでは1922年製が最も古いとみられていた。十文字さんは「1919年製のレールは構内にあり、ダメージを受けにくい環境だったことが交換されずに残った要因。鉄路を支えた証しとして、見て触れていただきたい」という。
レールなどの撤去作業にあたっている友部軌道に依頼し、製造刻印部分の約70センチを切断し、しもつまステーションギャラリーで展示公開することになった。ギャラリーは27日も開館。その後は毎月第3土曜日と翌日の日曜日に開館の予定。