2007年5月17日 読売新聞)
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■◆きっかけは廃線話 ■ 大内さんは阿字ヶ浦の出身。中学生の時、フォークグループの「かぐや姫」や吉田拓郎さんに影響を受けてギターを持つようになった。今は会社勤めの傍ら、フォークソングを自作しながら、ボランティアで高齢者介護施設への慰問などを続けている。
湊線は子供の時分から水戸に出かけたり、通学、通勤に使ったりと、欠かせない日常の足。もちろん、思い出も多く、「いつかイメージソングを作ろう」と構想を温めていた。そこに廃線話が持ち上がり、「なくなってからでは意味がない」と、存続の願いを込めながら年末からギターを手に曲を作り始めた。
こうして誕生した「季節の風」はフォーク調の口ずさみやすいメロディーに仕上がった。歌詞は海水浴客でにぎわう阿字ヶ浦や田園が広がる中根駅、那珂湊の海産物を持って行商に行くおばあちゃん、日工前駅の桜並木など、沿線の四季の風景や懐かしい人たちを愛情たっぷりに描いている。
既に3月下旬、那珂湊地区で開かれた湊線のシンポジウムで試作曲を演奏しており、「人の温かさや豊かな自然など湊線の特徴が良く出ている」と評判は上々だった。
■◆別の応援歌も ■ おらが湊鐵道応援団のサービスステーションは那珂湊駅構内の待合室の一角にできる。当面、週末を中心に応援団のメンバーが詰め、観光PRや清掃などの活動拠点にする。
大内さんは19日のステーション開所式では、「未来につながるメッセージを」という応援団の希望を取り入れ、歌詞を一部手直しした完成形の「季節の風」を演奏する。これとは別の応援歌も作成中で、「湊線の沿線には人の心をほっとさせてくれる景色がたくさんあります。歌を聴いて湊線に関心を持ち、乗ってくれる人が出てくれば、うれしい」と話している。