朝日新聞
2007年05月10日
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那珂湊駅前待合室に「おらが湊鐵道応援団」のブースの設置作業をする団員ら=ひたちなか市で |
3月に予定されていた国土交通省への廃止届の提出が見送られたひたちなか市の茨城交通湊線(勝田―阿字ケ浦、14・3キロ)の存続を支援しようと、1月に発足した「おらが湊鐵道応援団」(佐藤彦三郎団長)の団員数が当初目標の千人を超え、1日現在で1644人に達した。存続を応援しようと、市民が作詞作曲した湊線をテーマにした歌も誕生。9日には、同応援団の活動拠点として、湊線の那珂湊駅待合室の一角にブースが設置された。
湊線をテーマにした「季節の風」を作詞作曲したのは、同市東石川3丁目の会社員大内秀一さん(48)。海岸沿いの阿字ケ浦で生まれ育った大内さんは高校時代、通学で湊線を利用。最近は乗る機会もほとんどなかったが、廃線の話を聞き、「存続への機運を高めてもらえれば」と歌作りを思い立ったという。
趣味のギターで作られた曲は、夏の阿字ケ浦の海や、春の沿線の桜などの風景が目に浮かんでくるように仕上がった。27日に、同応援団などが同市民文化会館で開く「茨城交通湊線を存続させるための講演会」で披露される。
自治会や商工会などでつくる同応援団も会員の増加とともに、活動状況を伝える広報の作成を始めた。定期券購入者に抽選で商品券などをプレゼントする企画も始めた。那珂湊駅待合室のブースには、ボランティアを配置し、今後、利用客に対し沿線の観光案内などをしたい考えだ。
佐藤団長は「実行委員会で利用者を増やす方法を考えてきたが、若い人たちにもっと関心をもってもらい、利用してもらえるよう活動していく」と話す。