2007年5月2日 朝日新聞
2007年05月02日
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旧鉾田駅前で募金活動開始を発表する吉田代表(右端)らネバーギブアップのメンバー=鉾田市で |
廃線となった鹿島鉄道旧鉾田駅の敷地を市民の手で買い取り、鉄道交通公園にしようと鉾田市の市民グループが募金活動を始めることになった。目標額は8800万円。近くホームページをつくり全国の鉄道ファンにも呼びかけるという。
鉾田ネバーギブアップかしてつ(吉田亜里子代表)の約15人。今年2月、鹿島鉄道の廃線でなく休止を求めて急きょ結成された。スウェーデンから同市に移住したヤーン・ヘニックスさん(52)の「環境にやさしい鉄道をなぜ廃止するのか」という疑問がきっかけだった。
鉾田駅で地元産の野菜を無料で配るなどの活動を続け休止を訴えたが、結局3月末で廃線となった。メンバーたちは関東百駅にも選ばれ、廃線後も多くのファンが訪れる旧鉾田駅を買い取って残し、現在同駅構内に動態保存されている3両を使った鉄道交通公園構想を打ち出し、大型連休明けから募金活動を始めることにした。
同鉄道が示した価格は約1万平方メートルの土地と車両3台を合わせ計8800万円。募金は7月末までで、一口千円。当面は募金予約とする。老朽化が激しい駅舎は6月初めに同鉄道が取り壊す予定だが、募金が集まれば同グループが復元させたいという。
吉田代表は「鉾田市の新名所として全国のファンとの交流をはかる場にしたい」と話す。ヤーンさんは「廃線はとても悲しい。でも、レールが私たちのものになればたくさんの未来とつながる」と期待していた。
ネバーギブアップの連絡は吉田代表宅(0291・34・1120)へ。