2007年4月2日 朝日新聞
2007年04月02日
鉾田駅で当面保存される車両 |
31日で廃線となった鹿島鉄道(石岡―鉾田)は、保有する9両の気動車のうち、3両を売却し、ほか3両をしばらく鉾田駅で保管することを決めた。鉾田駅の3両については、地元の市民団体が保存を求め、駅舎とともに「市のシンボル」としての活用を模索している。
鉾田駅で一時保管されるのは、国内現役最古だった「キハ601」(1936年製)と、正面がV字形に塗られた「金太郎塗装」が特徴の「キハ431」(57年製)、92年に導入された新型の「KR―505」。「関東の駅百選」に認定された同駅舎も、取り壊しをしばらく見合わせることにした。
同駅や車両は市民団体「鉾田ネバーギブアップかしてつ」(吉田亜里子代表)が保存を要望した経緯があり、今回の判断は同鉄道がそれに応えようとした形だ。しかし、同団体では施設や土地の取得費用を準備しているわけではなく、3両や駅舎が今後、どうなるかはこれからの話し合い次第という。
吉田代表は「鉄道交通公園といった市のシンボルとして、全国の鉄道ファンや市民の憩いの場になるような施設作りを、行政などに働きかけたい」と話している。
一方、「キハ432」(57年製)など3両は、小美玉市の病院経営者らへ売却されることになった。残る3両については、譲渡先が決まらなければ解体される見通しだ。